AGC株式会社 CALCを活用したデータ解析でガラス製品の品質向上と製造工程の生産性向上を目指す

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「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス」の事業領域で新たな価値創造に挑戦するAGC株式会社。
同社は、ガラス事業において、製品の品質向上や製造工程の生産性向上を目的に、データを活用した改善の取り組みを進めています。多くのパラメータが複雑に絡み合うガラス製造工程では、データを解析することが非常に難しい現実がありました。そこで導入したのが、ISIDが提供する大規模データ解析システム「CALC(カルク)」。CALCは、多くの因子を含むデータから因果関係を見つけ出すことができる因果分析ツールです。

「複合的に絡み合いこれまで掴めなかった品質向上に寄与する要因を、CALCにおける解析結果より見つけることができました。今後も様々な生産ラインで検証を進めていきます」と同社フロート技術推進部の担当者は語ります。

積極的なDXへの取り組み、ガラス製造工程におけるデジタル技術活用

AGC株式会社(以下、AGC)では、中期経営計画 AGC plus-2023 の主要戦略の一つに「DXの加速による競争力の強化」を掲げており、「最新デジタル技術の活用」と「人財育成」に取り組んでいます。 同社フロート技術推進部は、ガラス製造工程の技術標準化と技術者の人財育成を担う部隊です。同部は社のDX推進の方針を受け、ガラス製造工程でデジタル技術を活用したデータ解析を行い、製品の品質向上や生産性向上につなげられないか検討を進めています。 

ガラスの製造プロセスは、原料を1500度~1600度の高温で溶解する設備、フロートバスと呼ばれるガラスを板状に成型する設備、成形した板状ガラスを徐冷する設備、そしてガラスを切断して梱包する設備など様々な設備と工程があります。この製造工程は高温で人が近づくことが難しい場所が多いため、センサーでデータを取得し、それをもとに製造工程で何が起きているかを把握するしかありません。しかし、多くのパラメータが複雑に絡み合う為、1つ1つのデータの意味や絡み合いの関係を見つけるのが難しい現実がありました。

 

CALCを活用して品質低下の要因を分析

データ分析において、“どうしてそのような結果になったのか”がわかることは重要なこと。CALCであれば因果関係だけでなく、その根拠を示してくれるので、今後の対応策の検討にも使えると思いました。

2020年、同社フロート技術推進部の担当者は、ISIDからの紹介を受け、因果関係を解析するツールCALCに出会います。

CALCは株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所が開発した人工知能(AI)技術による大規模データ解析ソフトウエアです。ISIDは2017年より提供を開始し、製造業のほか、金融業、サービス業など様々な業種で活用されています。
CALCは、品質や性能向上といった課題の解決に寄与する様々なデータの因果関係を設備からの取得データや製造の履歴データ、開発のシミュレーションデータから推定、可視化することが可能です。対象とするすべてのデータ間の因果関係を網羅的に分析するため、人の経験や知見だけでは気付けない原因を発見することができます。

「データ分析において、“どうしてそのような結果になったのか”がわかることは重要なこと。CALCであれば因果関係だけでなく、その根拠を示してくれるので、今後の対応策の検討にも使えると思いました。また、高度な分析が簡単な操作でできるので、専門的なデータサイエンティストがいなくても使える点もポイントになりました」と同社フロート技術推進部の担当者は語ります。
同社はガラス製造工程の中で、特にCALCで分析することに意義のある領域を検討し始めました。そこで、見出したのがガラスの表面に機能性の膜を成膜する工程だったといいます。

ガラスに機能性膜を成膜する工程には、段取り替えと呼ばれる、製造する製品に合わせて設備の設定を変更する作業があります。特に多品種生産の昨今、段取り替え後、いかに早く成膜の品質を安定させられるかが、生産性を左右する大きな要因の一つになっていました。

生産ラインから取得した大量の時系列データから、品質低下に影響する要因と条件をCALCで分析し、従来想定していなかった因子を発見したといいます。
「これまでは発生する事象に対して、技術者のノウハウから対応策をいくつも試し、その間に解決されるようなことが多かったんです。今回は、長年『なぜこんなことが起きるのか』と疑問に思っていたことが、特定の条件や因子によって発生していたことがわかり、驚きました」と同社フロート技術推進部の担当者は語ります。

CALCの適用領域を拡大へ

長年『なぜこんなことが起きるのか』と疑問に思っていたことが、特定の条件や因子によって発生していたことがわかり、驚きました。

同社の担当者は、ISIDのサポートサービスについて、次のように評価します。
「CALCを用いたガラス製造工程での検証、製造技術者の教育においてISIDからは手厚い支援をしてもらいました」

今後、同社フロート技術推進部では、さらにCALCの活用領域を拡大し、製造工程全体での品質改善・生産性向上につなげたいと続けます。 「2021年はCALCを使用してデータ解析できる製造技術者も増えてきたので、さらに工程改善に繋がる結果を、CALCを用いて見出せることを期待しています」

2022年2月更新

AGC株式会社 会社概要

  • 社名AGC株式会社
  • 本社所在地〒100-8405 東京都千代田区丸の内一丁目5番1号
  • 設立1950(昭和25)年6月1日
  • 資本金90,873百万円
  • 従業員数7,158名(2020年12月31日現在)
  • 記載情報は取材時(2021年12月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

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