住友ゴム工業株式会社 ソーシャルメディア分析ツールで市場の声を聴き、グローバルブランドを構築

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住友ゴム工業株式会社 経営企画部 プロジェクトメンバーの皆さん

世界のタイヤ業界トップ10に名を連ね、国内でも市場シェア2位を誇る住友ゴム工業。日本国内ではDUNLOPタイヤのメーカーとして知られていますが、成長戦略の柱として海外でのシェア拡大をめざす同社は、もう一つの主力であるFALKENのブランド構築を着々と進めています。しかし、言語の異なる地域や国々で効果的に認知度を上げていくためには、市場の肉声をリアルにとらえ、臨機応変に対応するマーケティング施策が不可欠。そのため、今回同社はクラウドベースのソーシャルメディア分析ツール「NetBase」を導入しました。多彩な分析ニーズに応える豊富な機能を持つこのツールは、膨大な数にのぼるネット上の口コミや画像を瞬時に抽出・分析、マーケティング施策の効果測定や競合分析に威力を発揮します。このツールの導入で大きな力となったのはISIDでした。

喫緊の経営課題、急務のブランディング

「2015年、それまでのブランド戦略が大きな転換期を迎えました」と話すのは住友ゴム工業経営企画部で主力ブランドFALKENのマーケティング戦略を立案する川野将宜氏。同社は長年、世界第3位のタイヤメーカー米グッドイヤー社と事業提携を結び、そのアライアンスを軸に欧米市場でのタイヤ販売を展開してきましたが、その年、16年続いたアライアンスを解消し、独自販路での販売を拡大することになりました。
もともと高い技術力による高品質なものづくりに定評のある住友ゴム工業。自社製品のブランディングにはそれほど力を入れてこなかったと川野氏は打ち明けますが、一方で、世界のタイヤ市場はASEANや韓国などアジアメーカーの猛追による価格競争が始まり、顧客の心をつかんで成長を続けていくためには、製品開発力ばかりでなく、熟慮されたマーケティングが必須となっています。そんななか欧米市場での独自販売を加速させる同社にとって、自社のタイヤブランドの確立は、喫緊の経営課題ともいえました。

リアルな市場分析、ソーシャルアナリティクス

マーケティングやブランディングの施策を効率的に実施していくためまず必要とされるのは、リアルな顧客動向の把握です。しかし、通常の市場調査では、ターゲットの実像はなかなか見えてこないと川野氏は指摘します。
「これまで年一回、世界約20カ国で定点観測としての市場調査を行ってきましたが、それだけでは大まかな全体像しか見えてきませんでした。たとえば、ヨーロッパのサッカーチームのスポンサーシップに大きな予算を投じブランドの指標が上がったとしても、それがどう機能して認知度アップにつながったのか、現地のタイヤユーザーは何に関心があって、どんな価値観にもとづいてブランドを評価しているのか、というところまではわかりません」
そんなとき川野氏が目をつけたのが、他部門で利用していたソーシャルアナリティクスツールでした。これはソーシャルメディアにあふれる口コミなどの情報から商品やブランドに関する投稿を抽出し、顧客動向の洞察に役立てるというもの。あいにくこのツールは自然言語解析の精度に課題があり、川野氏のめざす用途には合致しませんでしたが、ソーシャルメディアの口コミから市場のリアルな声を割り出すという考えに川野氏は可能性を感じます。
ちょうどそのころ、ISIDがより優れたソーシャルアナリティクスツールとしてNetBaseの販売を開始。国内各業界にその機能性とメリットを紹介するなか、住友ゴム工業にも提案が持ちかけられました。
「これこそまさに、求めていたものでした」と川野氏はその第一印象を語ります。「単に“タイヤ”というキーワードで投稿を抽出するだけでなく、“価格”“パフォーマンス”“静粛性”といった他のキーワードと組み合わせてクロス集計し、それを商品ごとに並べてネガティブとポジティブの比較をすることができるのです。しかも、抽出されるデータは、ほぼリアルタイムの市場の肉声です」

新しい気づき、グローバル市場洞察に威力

ソーシャルメディアの分析やインフルエンサーへの働きかけは、今後マーケティングの必須要件となります。NetBaseは、そのための強力な武器になってくれるでしょう


住友ゴム工業株式会社 経営企画部
川野将宜氏

2018年4月、川野氏らは経営企画部をはじめ国内の4部門にNetBaseを導入し、その効果を実感します。「たとえば、FALKENに関心のある方は飛行機好きが多いということが分かってきました。これは今までは定量的にはとらえられず、見過ごしてしまう情報でしたが、NetBaseから得られるこうした新しい気づきをもとにFALKENを取り巻く市場を洞察し、広告媒体の選定やメッセージの落とし込みをすることで、ピンポイントで適切なターゲットに訴求できるようになりました。また、海外拠点の担当者は、NetBaseの分析結果をもとに競合のマーケティングキャンペーンの動きを見ています。自社の施策の反響もすぐにわかるので、広告メッセージの改良にそれを役立てることができます。おかげでマーケティングのPDCAサイクルにスピード感が出てきました」
クラウドベースのソーシャルメディア分析ツールNetBase。その大きな特長のひとつは、高度な自然言語解析アルゴリズムです。俗語や略語、あいまいな表現からもポジティブ、ネガティブの正しい文脈を割り出し、正確な投稿抽出を行います。また、45カ国語に対応しているため統一的なグローバル展開が可能です。
情報を抽出するデータソースも多様で、Twitter、Facebook、Instagramはもとより、Amazon、楽天、Yahoo、価格ドットコムなどECサイトのユーザーレビューもデータソースとして扱うことができます。
分析機能も多彩に備え、口コミの定量推移、投稿者の感情や属性の割り出し、注目のトピックや特定人気サイトのモニタリングなど、さまざまな切り口で投稿を抽出することが可能。その分析結果は直感的なグラフィックで表示されます。
「データチューニングも特長のひとつです」と川野氏は補足します。「フィルタリング機能を使って投稿内容の絞り込みや深掘りが行え、分析結果をダッシュボードに自由に配置することができます。それを見れば、ブランドのモニタリングからマーケティングキャンペーンの効果測定、ターゲットの趣味嗜好分析など、市場や顧客の動向を瞬時に把握できます」

タイムリーなサポート、成長戦略としてのデータ活用

ISIDのサポートチームは、いざというときこちらの質問や疑問点にすばやく応え、細やかに支援してくれるので、とても心強いですね


住友ゴム工業株式会社 経営企画部
川野将宜氏

導入について川野氏は「NetBaseは、もともとクラウドベースなのでインフラ構築が不要です。また初期設定作業もさほど難しくないので、すぐに使い始めることができました」と話します。ただ、今後より高度な分析を行うためには、NetBaseが持つ豊富な機能を使いこなしていく必要があります。「その点でISIDのサポートチームは、いざというときこちらの質問や疑問点にすばやく応え、細やかに支援してくれるので、とても心強いですね」
消費者の多くが口コミを商品購入の判断材料にするこの時代、ソーシャルメディアをアクティブに活用する能力の必要性はますます高まっていくでしょう。住友ゴム工業の経営層は今回の成果を目にし、顧客動向のインテリジェンスにフォーカスしたチームの必要性を感じ始めています。「現在、テニスを皮切りに、スポーツ事業も含めたDUNLOPのブランド価値向上にも取り組んでおり、ソーシャルメディアの分析やインフルエンサーへの働きかけは、今後マーケティングの必須要件となります。NetBaseは、そのための強力な武器になってくれるでしょう」と川野氏は話します。
最後に直近の事例として川野氏は、先ごろウィンブルドンで準優勝したケビン・アンダーソン選手へのスポンサーシップについて話しました。「それまであまり知名度が振るわなかったアンダーソン選手ですが、大会史上2番目に長い試合を制し、決勝進出を果たしたことでSNSでの注目度が急上昇しました。そこで、彼の出身地の南アフリカ市場で、タイヤ事業での広告活用を指示したところ消費者から大きな反響があったのです。NetBaseを活用することで、スポンサーシップの価値の変動もそのように明確に把握することができます」
ヒト、カネ、モノに加え、データのマネジメントが企業の命運を左右する今日、ソーシャルメディアを含めさまざまな顧客情報を一元的に把握して事業にフィードバックする仕組みを持つことは、企業の成長戦略に欠かせません。「今後社内でその環境整備の機運が高まってきたとき、NetBaseを活用したシステム統合やインフラ構築でまたISIDの力をお借りすることになるでしょう」と川野氏は言葉を結びました。

NetBase画面イメージ

2018年10月更新

住友ゴム工業株式会社 会社概要

  • 社名住友ゴム工業株式会社
  • 本社兵庫県神戸市中央区脇浜町3-6-9
  • 創業1909年
  • 設立1917年
  • 資本金42,658百万円
  • 従業員数6,666名(2017年12月末現在)
  • 事業内容タイヤ事業、スポーツ事業、産業品他事業
  • URLhttps://www.srigroup.co.jp/
  • * 記載情報は取材時(2018年7月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

お問い合わせ
株式会社電通国際情報サービス 営業推進本部
TEL:03-6713-6134
E-mail : g-netbase-sales@group.isid.co.jp