ALife (人工生命)技術を用いて自然界の音の豊かさを表現する「Alternative Comfort」を東京・表参道で展示

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株式会社電通国際情報サービス

株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、代表取締役社長:名和 亮一、以下ISID) のオープンイノベーションラボは、株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:五十嵐 博、以下電通)と共同で、ALife(人工生命)技術を用いて音のニッチ仮説※1に基づいた自然界の音の豊かさを表現する体験展示「Alternative Comfort(オルタナティブ・コンフォート)」を、12月19日(土)から25日(金)まで、表参道で実施します。

「Alternative Comfort」は、生物が音のすみ分けを行い進化したとされる音のニッチ仮説に基づき、ALife(人工生命)技術を用いて自然環境にあるような複雑さを持つ豊かな音空間の自律的な生成と、その音が生み出す現象を波や光で表現するプロトタイプです。本展示による聴覚・視覚体験を通して、来場者がどのように感じるかを検証します。
本展示には、 ISIDと一般社団法人 ALIFE Lab. (本社:東京都渋谷区、共同代表理事:青木 竜太、以下ALIFE Lab.)が共同研究により開発した、周囲の音環境にはない周波数帯を遺伝的アルゴリズム※2により感知・発生させるサウンドスケープ※3生成装置の技術が活用されています。

ALifeとは、自然の生命に特有の振る舞いを示す人工的なシステムを構築し、シミュレーションをすることで、生物を構成する物質そのものに留まらず、その背景にある生命の成り立ちや仕組みといった、生命現象の原理を明らかにしようという試みです。「自律性」や「進化」などを生み出す「生命のOS」を見つけようとする活動であり、AI(人工知能)の限界を超える可能性を持つ研究領域として注目を集めており、ISIDは2019年よりALIFE Lab. と社会応用に向けた共同研究を続けています。

ISIDとALIFE Lab.はこれまでも、2019年12月に開催された電子音楽とデジタルアートの国際的な祭典「Mutek.jp(ミューテック・ジェイピー)」におけるサウンドスケープ生成装置のプロトタイプ展示や、2020年7月にモントリオールでバーチャル開催された人工生命国際学会「ALIFE 2020」において、その研究成果を発表しています。今回は電通の社内横断組織「デジタル・クリエーティブ・センター」協力の下、社会応用の検証を目的として「Alternative Comfort」を展示します。

展示概要

展示物
Alternative Comfort ~ALife Installed
展示場所
表参道COMMUNE「IKI-BA」 港区南⻘山3丁目13
展示期間
2020年12月19日(土)〜25日(金) 11:00 - 20:00

ISIDは今後も、ALIFE Lab.との共同研究・社会実装を通じて、自然環境や生物といった生態系を含めた持続可能な社会の実現に寄与してまいります。

オープンイノベーションラボ(イノラボ)は、先端テクノロジーを活用したサービス開発を世界に先駆けて手がけていくことを目的に、ISIDが2011年に設置した研究開発組織です。社会課題の解決に向けて、生活者の行動をデザインし、先端技術を活用した仕組みを実装するべく、国内外の企業や教育機関、スタートアップとのオープンコラボレーションを推進しています。現在は「街づくり・地方創生」「ヘルスケア」「モビリティ」「食・農業」「匠の技の伝承」などのテーマを中心に、プロトタイプ開発や実証実験を通じて、新たなソリューションの創出に取り組んでいます。

電通 デジタル・クリエーティブ・センターについて

デジタル・クリエーティブ・センター(DCC)はデジタル時代の人々の気持ちと行動をあらゆる「手法・技術・体験」を使って変化させることをミッションとしている電通の社内横断組織。本展示には、人間の「心地いい」のAlternativeを探求するための企画・調査および、それらを活かした戦略、ソリューション提案などを実施しているチーム「Alternative Comfort Research」が参画しています。

一般社団法人ALIFE Lab.について

ALIFE Lab.は、ALife研究者と他分野の研究者やアーティストなどとの共創促進を目的としたコミュニティです。2019年9月に一般社団法人化し、現在は複雑系科学/ALife研究者の池上高志氏(東京大学教授)とコンセプトデザイナー/社会彫刻家の青木竜太氏(ヴォロシティ株式会社代表取締役社長)が中心となり企業との共同研究やクリエイターとの共同プロジェクトを実施しています。今後はALife研究者との共創をさらに推し進めていく体制を構築していきます。

  • ※1
    音のニッチ仮説:生態音響学者バーニー・クラウスが、数千にもわたる世界各地でのフィールドレコーディングから生物の鳴き声には時間、空間、周波数的に重なりがないことを発見した。ことのとから、生物は音を棲み分けて共生し進化している仮説「音のニッチ仮説(The Acoustic Niche Hypothesis) 」を提唱している。
  • ※2
    遺伝的アルゴリズム:生物の遺伝・進化の過程を模倣して最適解を探索するための探索モデルあるいはアルゴリズムの総称。
  • ※3
    サウンドスケープ:カナダの作曲家マリー・シェーファーによって提唱された概念であり「音風景」と訳される。「個人、あるいは特定の社会がどのように知覚し、理解しているかに強調された音の環境」と定義されている。

参考資料

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展示に関するお問い合わせ先

株式会社電通総研
X(クロス)イノベーション本部 オープンイノベーションラボ 藤木、青木
TEL:03-6713-6098
E-mail:g-info-innolab@group.dentsusoken.com

本リリースに関するお問い合わせ先

株式会社電通総研
コーポレートコミュニケーション部 野瀬、赤瀬
Webからのお問い合わせ

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