若手同期対談

自分だけの成長の軌跡、これからのキャリア

(左) Koyama.K. 2013年入社 基幹理工学研究科 情報理工学専攻 卒
コミュニケーション IT事業部 マーケティングIT部 プラットフォーム開発グループ
(中) Matsumoto.K. 2013年入社 Interdisciplinary Studies 卒
ビジネスソリューション事業部 エンタープライズソリューション営業2部
(右)Yamashita.Y.  2013年入社 理工学研究科 電気電子情報工学専攻 卒
金融ソリューション事業部 DXビジネスユニット DXコンサルティング部

※所属部署は対談当時の名称です。

就職活動時にそれぞれが感じたISIDの魅力、入社の決め手は?

Yamashita  就活の軸は、グローバルと新規ビジネス。それは今も変わっていないかな。学生時代、バックパッカーでよく海外を旅していたこともあって、グローバルな仕事に就きたかったんだよね。実際、入社3年目まで担当していた大手金融機関のシステム開発では、海外プロジェクトも経験できた。

Matsumoto  私は大学がアメリカだったから就活も現地。ボストンで開催されたキャリアフォーラムで出会ったISIDの人たちは英語もバリバリ使っていて、すごくグローバルな印象だったな。そこも魅力だったけど、入社を決めたのは、やっぱり人。一緒に働きたいと思える人が、たくさんいたから。

Koyama  どんな人たちと一緒に働くかはとても重要だよね。僕は入社前にお願いして、自分が理想とする「30代前半で家族を持ち、技術者としてバリバリ働いている人」に会わせてもらったんだけど、仕事はもちろんプライベートでも一緒に何かしたいと思えるような魅力的な人だったよ。

Matsumoto  私は今、メディアコンテンツ業界の営業担当として、いろんなお客様と話すけど、ISIDは他のIT企業と違うってよく言われるよ。特に技術者のコミュニケーション能力が高いって。

Koyama  そうなんだ。確かに、今、大手製造小売業の基幹システムの設計開発から運用まで担当しているけど、技術者がお客様と顔を突き合わせて仕様を決めたりといったことは当たり前に行われてる。コミュニーション能力が問われる場面は多いかも。

Yamashita  あと、自ら手を挙げて仕事をしている人が多い印象だった。若いうちから仕事を任せてもらえる風土も感じたし、ここでなら主体的に働いていける、新しいことにもチャレンジできそうだって思えたのも惹かれた理由かな。もちろん何でもかんでも、やらせてもらえるわけではないけれどね。

Matsumoto  そうだね。私もずっと希望していたアメリカのサンフランシスコオフィスに、去年、短期だけど行くことができた。年次的には若いかもしれないけれど、あとで上司に理由を聞いたら、「ずっと行きたいと言っていたし、チャレンジさせてあげたかったから」と言ってくれて。そういうフラットな環境は、恵まれていると思う。

Koyama  すごいなぁ。ただ、就活の段階だと事業内容や実際の仕事は、正直やってみないと分からない面が多いよね。僕の場合は、例えばセキュリティシステムに特化した会社だと、その領域に対する興味を失った時の事を考えるとちょっと怖かった。一方でISIDは、金融機関や製造業をはじめ顧客企業の業界が幅広いし、提供しているソリューションもバラエティ豊かで、グループ企業と協業して新しいビジネスをできたりもする。ビジネスの多様性という観点も、魅力的だったな。

Yamashita  そうだね。超大手企業だと色々やってるけど、プロジェクトが巨大過ぎて、自分が関われる範囲が狭い気がしたし、ベンチャーだと限られたビジネスしかできない不安もあった。ISIDなら、若いうちから様々な経験ができて、新しいことにも積極的に挑戦できそうな気がしたよね。

「信じて野に放つ」、だから人は育つ。

Yamashita  金融ソリューション事業部には、「新規ビジネスを企画・立案して、研究開発する」誰でも参加可能な仕組みがあるんだけど、入社1年目でクラウドファンディングをテーマにした企画を出したんだ。配属された部署は大手銀行の基幹システム開発のプロジェクトだったから、普通に考えたら、その仕事を覚えることが先決なんだけど、上司も「おもしろいね」って言って、新規ビジネスにもチャレンジさせてくれた。

Koyama  部署を異動したばかりの時、十数人の技術者が並行していくつもの案件を抱えていたんだよね。そこでもっと技術者が働きやすくなるように、開発を効率化するようなツールとかルールの導入を上司に提案したら、あっさり「いいね、やってみよう」と言われて。導入した結果、開発効率が上がって、成果がでたんだけど、異動したばかりの若手のアイディアだろうと、いいと思えば採用してくれる環境があるよね。

Matsumoto  営業は特に独り立ちさせるのが早いかも。私の場合は、配属後2、3ヶ月くらいで、「ここからは一人でやってみたら」って。文系出身の私は、もともとITにすごく詳しいわけではなかったから、独り立ちしたいとは思っていたけれど、実際は不安もいっぱいだった。

Koyama  自分の仕事を本質的に理解するには、実際に「自分で考えて、やってみる」のが一番だという実感が先輩たちにはあるんだよね。もちろん野に放たれて、失敗することもある。でも、放置はしないでしょ。

Matsumoto  そうだね。その時も「次はどうするの?」とか絶妙なタイミングでフォローがちゃんとあった。結果、新規案件を受注して、独り立ちできる自信になったんだよね。先輩たちが自分のことのように喜んでくれたのも嬉しかったな。

Koyama  重要なプレゼン資料の作成を任されたことがあるんだけど、ある箇所が上司の期待していた品質に届いていなかったんだ。結局、間に合わなくて、その箇所は上司が差し替えたんだけど、その内容がものすごく分かりやすくて驚いた。自分で考えてやっているから、その凄さも分かったし、理解や吸収できることも違うんだと思う。

Yamashita  僕の場合も、まずは担当のプロジェクトに専念させるべきか、上司も悩んだらしいんだ。でも、会社の組織風土として、新しいビジネスや市場に挑戦する文化がある。だから、若手の意見やアイディアも真剣に聞いてくれるし、若いうちからチャレンジさせてくれているんだと思うな。もちろんうまくいかないこともたくさんあったけど、新しい技術を使ったビジネス開発の担当になった今、今までの経験はとても生かされているよ。

これからの僕ら、それぞれのキャリア

Matsumoto  産休や育休から復帰する人も多いし、在宅勤務やテレワークを活用しながら活躍している先輩もいる。もちろんハラスメントへの意識もすごく高い。女性も働きやすい会社だと思う。

Koyama  技術者にとっては、幅広い仕事がある、つまり多種多様な課題があるという環境は、ものすごく恵まれていると思う。インターネット上に技術情報は溢れていて、誰でもアクセスできるわけだけれど、それを実社会で活用して何が起こるのか、その知見はネットでは得られない。実際の案件を通じて、様々な技術の経験を積むことは、技術者として成長する上ではとても重要だと思うな。

Yamashita  この前、ある大手金融機関の役員の方にプレゼンする機会があったのだけれど、そこでは技術の話はしない。結局、僕らが求められているのは、お客様の課題に対して、どう解決し、どんなメリットを提供できるかということだと思う。

Koyama  もっと踏み込めば、お客様が言っている課題とは別の部分にも課題があって、そこを見つけられるか。そして解決できるかどうか。それで初めて価値がある、役に立ったとも言えるよね。

Yamashita  そう。結局、技術はあくまでも手段。お客様の言葉の奥にある機微を読み取り、気づいていないことすら汲み取る。そんな力が一番重要だったりするよね。ISIDにコミュニケーション能力に長けた人が多いのも、その理由からなんだと思う。

Matsumoto  この技術を追求したいというより、課題を解決したいっていうマインドを持った人が多いよね。それが「ISIDには、他社にはない観点からの本質的な提案を期待している」とお客様から言われる所以なのかも。

Yamashita  今後は数年の間に、今、取り組んでいるブロックチェーン技術を使った新規ビジネスを何とか成功させたい。その上でグローバルに通用するものに発展させたいと思っているんだ。昔はずっと先のキャリアまでイメージすることもあったけど、今はもうあまり意味がない気がする。世の中のブレイクスルーは予想できないわけで、もちろん今のブロックチェーンに固執するわけでもなくて。その都度、これだと思ったことにチャレンジしていきたい。

Koyama  今の上司は技術的な知識はもちろん、顧客折衝も本当に巧みで、ある意味すべてを一人で進めてしまえるような技術者なんだよね。だからスピード感がものすごくて、どんどん新規案件が舞い込んでくる。その様を一番近くで見てきたから、こんな風になりたいと心底思っているんだ。目標とする姿が目の前にいるのは、本当にラッキーだと思う。

Matsumoto  私もサンフランシスコで会った先輩が一人何役もこなすような人でびっくりした。グローバルビジネスは、特にスピード感が重要になることを実感したし、同時にとてもワクワクした。私個人としても、少しずつだけど、アメリカで繋がりのできた企業を社内のチームと連携させたりして、グローバルな仕事もできつつある。まだ女性で海外赴任している人はすごく少ないから、私がパイオニアになりたいなって思っている。これからも同期として、それぞれの思い描くキャリアを歩んでいきたいね。

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技術者対談

課題設定から関われる、だから面白いISIDの技術者

(左)Suzuki.T  2007年入社 環境情報学部卒
コミュニケーションIT事業部 ソーシャルテクノロジー開発部
あまり業界は絞らず、ITサービスを作っている仕事を志望して就活。学生時代からデザインやユーザー志向のモノ作りなどに興味があり、大学ではメディアデザインを専攻。ISIDには既存のSIerにはとどまらない可能性を感じて入社。
(右)Iida.M  2011年入社 総合人間科学部卒
コミュニケーションIT事業部 ソーシャルテクノロジー開発部
学生時代は心理学を専攻。物事の仕組みを考えたり、世の中の流れを分析したりするような仕事を目指して就活。ISIDで出会った社員は、自分自身の能力・スキル・特性を存分に発揮している個性的な人が多いと感じ、ここでなら個性的な仕事ができると思い入社。

※所属部署は対談当時の名称です。

誰も答えを持っていないテーマにチャレンジすること

Suzuki  クルマとバイク、両方のポテンシャルを併せ持つ都市型モビリティTOYOTA「i-ROAD」をきっかけに生まれたプロジェクト、OPEN ROAD PROJECT。TOYOTAだけでなく、広告のプロである電通やシステムのプロであるISIDなど様々な分野の専門家によるチームを結成し、試乗パイロットとして一般の方々にも協力いただきながら、プロダクトとサービスを組み合わせた形での新しい移動体験の開発に取り組むミッションでした。ISIDの中でも新しい形のプロジェクトだったように思います。

Iida  そうですね、私もそう思います。「i-ROADという全く新しいモビリティを使ったサービスを実現するためにはどんなシステムが必要なのか?」「i-ROADから取得できる走行データはどのように活用していけるのか?」 手探りの状態からのスタートでしたね。「こんなシステムをつくってください」と依頼を受ける仕事とは難易度の質が異なるプロジェクトでした。

Suzuki  プロジェクトのコンセプトは「都市の移動を、もっと自由に」。都市においてクルマを所有する人が少なくなってきている今、その一つの要因として「気軽に駐車できない」というものがあるのではないか。それならもっと気軽に駐車できる場所から創ってみるのはどうか。i-ROADの、バイクが停められる程度のスペースがあれば駐車可能というメリットを活かせないか。そんなアイデアを企画担当の方から聞いた時、すごくワクワクしたのを覚えています。

Iida  注意して街中を見ながら歩いていると、普通の車は停められなくても、i-ROADであれば駐車できそうなスペースは結構あるんだと気づかされました。そして、アイデアの実現方法を議論していく中で、空きスペースをi-ROAD用の駐車場として管理するシステムが必要不可欠だということになり、ISIDは駐車場管理システムとスマートフォンアプリの構築を担当することになりました。

Suzuki  ただマップ上で「ここに停められますよ」と教えればいいだけではなくて、アプリで駐車場の予約をちゃんとしてから現地に向かう人もいれば、駐車場の目の前でここに停めると決める人もいる。いろんな状況があって、いろんな使い方がある。「必要な機能は何か?」「使いやすいデザインは?」「今後機能が増えてもある程度耐えうるには?」そんなあらゆる仮説を受け止められる最適なUIにしなければならない。ノートにあーでもないこーでもないと書いては考え、考えては書いて設計していきました。

Iida  アプリとしての機能や見せ方は当然システムとも連動しているから、その都度、あらゆるデータから必要なデータだけを選別し、加工して、見せていく方法も考えなければならない。空車や満車といったデータは、もちろんリアルタイムで変化していくので、その制御や管理はどうするか。システム側の検討もかなり複雑でした。

Suzuki  ただ最初の設計を緻密に頑張ったことで、スムーズに利用できるシステムが実現できました。そして、プロセスを各画面にうまくまとめていく情報設計の作業は一筋縄ではいかないけど、私は好きなんだなぁと改めて実感しました。また、依頼されたシステムを納品したら終わりというわけではなく、お客様と議論し、生きたデータに触れ、システムを作り、分析して、さらにシステムの精度を高めていくという一連のプロセスが面白かったです。

Iida  分析では「誰がいつ、どこに、何時間駐車した」という駐車場利用のログデータや、i-ROADの走行データなど様々なデータを使って、「その場所を駐車場として稼働させた時に採算が取れるか?」について検討しました。ユーザーの利用ログを解釈し、駐車場ビジネスの可能性までも視野に入れて考えていくのは、もちろん難しいけれど、新しいビジネスモデルを作っている、誰かの役に立つシステムを作っているという手応えを強く感じました。ログデータから、ユーザーの行動を分析するような仕事は、ずっとやりたかった仕事なので、今回携わることができて良かったです。

Suzuki  あらかじめ定められた機能や設計書に忠実にシステムを作るのか、そもそもの課題から、サービスの使われ方やビジネスの仕組みまで突き詰めた上でシステムを作っていくのかでは、技術者としての役割も求められるスキルも異なると思います。そして「答えのないテーマ」についてゼロから考えていく仕事には、試行錯誤しながら新たなサービスやビジネスを生み出すやりがいがあると感じました。OPEN ROAD PROJECTは、まさに「答えのないテーマ」について考え、チーム一丸となって作り上げていった仕事でした。

ISIDが求める技術者とは?

Suzuki  私が技術者かと問われたら、自分としては「NO」かもしれない。私が思う技術者像は、コレという特定の技術分野を学び続け、突き詰めていく人。対して私は、お客様のやりたいことと、それを実現する開発チームの間を繋ぐ通訳のような存在として、プロジェクト全体をまとめてシステムを作り上げる人だと思っています。自分としてはサービス設計や情報設計に強みを持っていますが、それだけではシステムは完成しないので、他の強みを持つ社員や協力会社さんを巻き込んでチームを編成し、個々の得意分野の力を最大限活かしながらプロジェクトを完遂していく。実際ISIDの多くのプロジェクトではそういった立場で動く社員が多いように思います。

Iida  「技術者」って、どういう人なんですかね。例えば、私が以前所属していた研究開発部門には、「Javaなら任せろ!」といったスペシャリストが多くいました。確かにそういう特定分野に突き抜けた人たちは、誰が見ても「技術者」のイメージに合致するかもしれないですよね。私は、今の部門に異動してから、プログラミングを行う機会が減ってきているので、「果たして私は技術者なのか?」と思うこともあります(笑)ですが、プログラミングの割合が減った代わりに、「プログラミング以外のIT技術全般の知識」や「いかにして効率の良い開発プロセスを作るか?」などのスキルが求められていて、立場・役割が変化していくと共に、技術者として求められる知識やスキルも変わりました。プロジェクトを進めていくには、技術的な知見を持ちつつプロジェクトをまとめていくプロジェクトマネージャー、システム全体のアーキテクチャー設計を考えるアーキテクト、プログラミングを行うエンジニア...などなど様々な役割を持った人の共同作業が必要不可欠で、どの役割も欠くことができない。そういう意味でいうと、システム作りに携わっている人は、皆何かしらのスキルを持った技術者なんですかね?

Suzuki  そうとも言えるかもしれないですね。システムの完成に向かってプロジェクトをまとめあげていくのにも、やっぱりそれなりのスキルは必要ですので、その意味では私も「技術者」なのかもしれません。また、ITの会社にいる以上、最低限の「技術」知識やITの素養がなければ良い提案はできないので、突き詰めるのは難しいとしても、IT領域に関する勉強は続けていこうと思っています。例えばサービス設計や情報設計はシステムの使い勝手や品質に繋がってきますので、その知見を持ちながらプロジェクトをまとめていくのと、そうでない場合を比べると、最終的に出来上がるシステムに違いがでてくるのではないかと思うのです。

Iida  なるほど。直近のプロジェクトにおける自分の役割は2つあって、1つは、ベンチャー企業のように「突出した技術を持った人」と「ITの素地のない人」との間に立って通訳をして、共にビジネスを広げていくような役割。そのためには、「様々な分野の突出した技術を持った方々と専門的な会話ができるだけの土台を色々な分野で持っておくこと」と、「ビジネスモデルの作り方などのビジネスへの理解」が重要だなと思っています。もう1つは、複数の面白い技術をつなげてサービスを作り上げていく、技術と技術のつなぎ役。こちらは、「技術のつなぎ方」や「技術と技術の間を埋める力」が重要だなと思っています。最低限の「技術」知識やITスキルを持った上で、何をするのか?が問われているように感じています。

Suzuki  そう、ISIDは「ITで価値を創造する会社」だと思っています。そのために必要な技術が世の中になければ自社で技術自体の研究開発を行うこともありますが、基本的には既に世の中に存在している技術をうまく組み合わせて使っていく立場になります。お客様の本質的な課題は何なのか、それはどうすれば解決できるのかを的確に見極める力が大事で、そういった力を持っている人が求められているのではないでしょうか。そこでは「技術者かどうか」といった括りはあまり意味がないように思います。

Iida  それは確かにありますね。「お客様が目指すゴールに辿り着くための課題は何なのか?」を見極める力と、「その課題に対して、どういったIT技術が活用できるか?」を提案する力が必要だと思います。新しい技術も万能ではなかったりするので、既存の技術から新しい技術まで、技術の引き出しを増やしておいて、お客様の課題解決に対して、本当に役に立つ技術を見極めることが重要だなと思っています。社内を見渡すと一定レベルのIT技術はみんな持っているけれど、個々の得意領域やバッググラウンドはバラエティに富んでいる気がします。その「社員の個性のバラエティの豊かさ」は、お客様が抱える本質的な課題を一緒に考えて解決していく中で、個々人が創意工夫している結果なのかもしれません。あるプロジェクトが始まる時に、「この部署にお願いしよう」ではなく、「これはあの人が得意なのでは」と個人が浮かびやすいのはISIDらしいところなのかもしれないです。

Suzuki  確かに。クラウド技術にもかなり早期から目をつけて取り組んでいた人がいたし、FinTechについても数年前からFIBC (Financial Innovation Business Conference)を主催して業界内での議論を促したり、最近では日本初のFinTech集積拠点「FINOLAB」を開設したりと、先見的な取り組みをしている人たちがいますね。営業職と技術職と分かれてはいるけど、職種問わずお客様と直接対峙して生の課題に触れられるというISIDの環境が、そういった新しい取り組みに繋がっているのかもしれないですね。

Iida  私たちに求められている価値は書いたソースコードの量ではなく、コンサルティング、つまり課題解決の力なのだと思います。あえて言えば、課題解決する力が、ISIDの技術力の本質であり、ISIDでいう技術者とは、課題を解決できる人ということなのかもしれません。

Suzuki  もっと言ってしまえば、その課題解決の手段はITに限らず、なんでも提案してしまっていいのかもしれない。これからもお客様のビジネスや人々の暮らしが今よりもちょっとハッピーになるような、そんな仕事をしていきたいです。

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女性社員対談

人と会社を強くする、多様なワークスタイル

(左)Hiraoka.K. 1995年新卒入社 法学部卒
ビジネスソリューション事業部 グループ経営コンサルティング4部
プロジェクトマネージャーとして、会計などの基幹業務システムの提案から開発までを担っている。2児の母。育児休暇を2回経験し、育児休暇後1年間は週2日在宅勤務制度を活用した。
(中)Tanaka.Y. 2002年新卒入社 国際学部卒
管理本部 人事部
採用・教育領域を経験後、ワークスタイル変革・ダイバーシティ等をテーマとして組織開発に取り組んでいる。2児の母。育児休暇を2回経験し、現在は週2日在宅勤務制度を活用している。
(右)Miyanaga.K. 2008年中途入社 文学部卒
金融ソリューション事業部 グローバルアカウントビジネス第1ユニット 営業部 営業2課
主に金融機関担当の営業として、新規開拓、既存顧客の取引拡大など日々、提案活動を行っている。1児の母。2016年4月に育児休暇から現場に復帰し、現在は9時~17時で勤務している。

※所属部署は対談当時の名称です。

これまでのISIDでのキャリア

Hiraoka  入社以来、約20年間ビジネスソリューション事業部の技術者一筋です。2004年に最初の育児休業(以下:育休)から復帰しました。女性が多い部署ということもあり、その頃から育休を取得する人も徐々に増えて、2010年に2度目の育休から復帰した頃には、ほとんどの人が制度を利用していました。その当時から制度は整っていましたね。

Miyanaga  2008年に営業職として中途入社しました。入社して感じたのは、社員一人ひとりの話を聞いてくれるすごく優しい会社だということ。私も2014年から出産休暇、育休を取得しました。ただ、Hiraokaさんの部署とは違い、私の所属する営業部は女性が少ないんです。

Tanaka  私は人事部で社員の採用・教育に関わってきましたが、確かに部署ごとの人員構成には、多少ばらつきがあるかもしれませんね。全社的に見ると、私が入社した時点の同期で女性は2割ほどでしたが、最近では入社する男女比も半々くらいになってきています。子育て世代も増え、男性も育児に関わるようになってきました。会社としては、もちろんいろいろなバックグラウンドを持った人たちに活躍してほしい。では、果たしてこれまでの働き方や職場環境のままでいいのか。現在私は、組織開発に関わっています。組織開発と一言でいっても領域はとても広いですが、主に「女性活躍推進」や「ダイバーシティ」などのテーマを担当しています。今の業務に就いて、まず最初に取り掛かったことは現場社員へのヒアリングでした。

Miyanaga  私もヒアリングしていただきました。ちょうど2年ほど前に子どもが生まれる直前でしたね。

Tanaka  当初は女性が抱える悩みを解決しようという思いが強かったのですが、進めていくうちに女性だけの問題ではないということがわかってきました。

Hiraoka  同じ頃、私の事業部でも問題意識が顕在化してきていました。育休から復帰すると時間の調整のつきやすいポジションや仕事に就く人が多いのですが、長い目で自分のキャリアを考えた時に不安を感じる人もいるようでした。上司や周りの人たちの配慮に感謝しつつも、負い目のようなものを感じてしまう人もいたり。事業部内でヒアリングやアンケートをしてみると、本人は頑張りたい、上司は頑張ってほしいという思いはあるけれど、少しコミュニケーションが不足しているようでした。

Tanaka  出産や育児のある女性は時間的な制約が明確で、必然的にワークライフバランスをとらなければと考えます。一方で明確な時間的制約のない人の状況はより複雑でした。早く帰れるなら帰った方がいいとは誰もが思っている。けれど、社内外を含めたチームで仕事を進めるという業務特性もあり、自分だけ早く帰るのではなく、チームみんなが早く帰れることを望んでいました。つまり個人の働き方だけではなく組織全体、仕事のプロセスまで見据えて検討しなければ本質的な改善はできないことが分かりました。そこで2016年2月に全社横断の「ワークスタイル変革タスクフォース」が立ち上がりました。

全社横断「ワークスタイル変革タスクフォース」

Tanaka  ワークスタイル変革タスクフォースは、問題意識を持った社員自らが声をあげ、その声を会社が尊重して動いています。様々なバックグラウンドを持った社員たちが、自分たちの手で働きやすい環境を作り上げ、多彩な分科会を開催し、知識やスキルを増やしたり、社員同士で課題を共有し知恵を出し合って解決策を考えるような機会を増やしたりといった活動を日常的に行っています。

Miyanaga  2016年4月に育休から復帰しましたが、休みに入る前に比べて、男性の帰社時間も早くなっていて、びっくりしました。周りの意識の変化を感じますね。気負って頑張らなきゃと復職直後は思っていたのですが、保育園へのお迎えもあるし以前と同じようにはいきません。すると「助けられることはある?」「抱え込まないでね」と声をかけてくれる。一人じゃないと思えて本当にありがたかったです。

Hiraoka  私も1度目の育休明けで、以前のように仕事をやりきれるのか不安でした。でも、上司がお客さまに対して、彼女にはこういう制約があるけれど、ちゃんとやりきれると思っています。もし何かあれば私が必ずフォローしますので安心してくださいと宣言してくれました。とても嬉しかったですね。当時はまだ意識や配慮にも個人差があったと思いますが、全社的にも少しずつそういった風土が醸成されつつあるように感じます。

Miyanaga  こちらからも発信していこうと思えるようになりますよね。例えば保育園で風邪が流行っていることを周りに早めに共有して、もしもの時はお願いねと伝えておけば、お互い心の準備ができます。以前だったら、何とかして両親に子供を頼めないかとか自己解決しようとして悩んでいたかもしれません。

Tanaka  私の場合は、自分以上に引っ張ってくれる上司の存在がありました。子どもがいるからと自分から仕事を少しセーブしていたのですが、もっとできるよとうまく乗せてくれて。気づいたら、たくさんの新しい仕事に挑戦していました。

Hiraoka  ただ人によって意識のばらつきがあってはいけないですし、働き方を見直すには現場レベルで現実的でなければ意味はないですよね。既に男性社員の育休取得推進やテレワーク勤務対象者の拡大などの取り組みも行われており、多様な働き方を前提にした社内インフラの整備も進んでいます。これらの施策がより現実的で、現場の社員が利用し易いものになるためには「ISIDが全社的にこうした働き方を推奨していきます」とお客さまやパートナー企業も巻き込んで進めていくという意思表示が必要なのかもしれないです。これからの課題は、そのあたりにもあるのでしょうね。

ワークスタイルの変革が、企業とひとりひとりの未来を切り拓く

Miyanaga  どうしても定時ではお迎えに間に合わないので、始業時間を早めさせてもらったことがあります。制度を超えた部分でもちゃんと考えてくれて、本当に助かりました。ただ逆に言えば、制度にはまらない状況というのはたくさんあるとも思いましたね。

Tanaka  この1年間、全社アンケートを実施し、また入社2年から6年目までのほぼすべての若手社員と座談会もやりました。インプットはかなりできたと思います。これからは集まった声をどのように制度・インフラ・風土などに反映させていくか、アウトプットの段階ですね。

Hiraoka  マネジメント層に入ってくる世代も、子育て世代が増えています。共働きで家事や子育ても分担しなきゃという実感もあって、今日は保育園のお迎えなのでと業務を定時で切り上げて帰る男性社員もいる。このあたりがどんどんマネジメント層に入ってくると変革にも拍車がかかってくるでしょうね。

Tanaka  特に若い世代には、さらなるスキルアップに時間を充てたり、社外でも多様な経験をするために、限られた時間で効果を出すよな引き締まったワークスタイルを望む声が多かったです。限られた時間の中で、質を高め成果をあげる。本来は厳しい話な訳で、ワークスタイルを変革するということが決してゆるいことではないというのを理解しているのでしょう。

Hiraoka  家族と一緒にいる時間を犠牲にするのは違うし、だからと言って仕事を妥協するのも違う。育児や介護に限らず、各々事情や要望も異なるわけで、それぞれがいいバランスになってほしい。仕方ないと諦める組織にはなりたくないですから。

Miyanaga  私の部署では、子育て中の女性の営業はまだ少ないです。なので、道を切り拓いていきたいですね。私だからできた、ではなく、工夫すれば誰でもできるよ。そんな働き方を確立したいですね。社員一人ひとりの意識や声で、多様なワークスタイルを生み出すことができる。それが、ISIDらしさになり、強さに繋がっていくのですから。

Tanaka  優良な子育てサポート企業として厚労大臣による「プラチナくるみん」の認定や、女性活躍推進法に基づく優良企業の「えるぼし」認定といった一定の成果は出始めています。
社会全体として「働き方」に注目が集まっていますが、これからの時代は、企業が「制限」を「強み」に変えられるかが重要だと思います。制限があるから、創意工夫し、仕事の仕方が変わる。イノベーションを起こすキッカケであることに企業全体として向き合えるが、鍵だと思います。ISIDは向き合い、そして動き出しました。ワークスタイルの変革にこそ、会社の未来はあると私たちは思います。

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ISIDとFinTech

FinTech

スタートアップと一緒に
金融の未来をつくる
ISIDとFinTechの、
今までとこれから

誰もやったことのない仕事。ISIDには、そんな仕事がたくさんあります。それは形を残す前に終わってしまうことも多いのですが、何かをきっかけに転換期を迎え、数多くの人を巻き込む大きなうねりへと拡がることがあります。私たちにとっては、FinTechへの取り組みがまさにそう。いまやFinTechスタートアップの登竜門と言われるようになったピッチコンテスト「FIBC」。そして日本のFinTechといえば、真っ先にその名が挙げられる場所の一つ、「FINOLAB」。ほんの数年前まで日本に存在しなかったFinTechのコミュニティを、なぜ私たちが生み出すことができたのか。それは、社内はもちろん、社外も含めた多くの仲間たちが、それぞれの立場で、誰もやったことのない仕事に挑んできたからに他なりません。ここでは、FinTech領域で私たちがこれまでやってきたこと、積み重ねてきた挑戦、そしてそこに関わってきた社員たちを、少しだけご紹介します。

変革の兆しを、肌で感じるところから始まった

FinTechは、ファイナンスとテクノロジーを組み合わせた造語。ITを使って、これまでにない全く新しいビジネスモデルの金融サービスをつくり出すスタートアップ企業や、これに関連した業界を指す言葉です。もう説明も要らないほど知られてきましたが、日本で急激に注目されはじめたのは2015年の春頃のこと。テレビや新聞の報道をきっかけに過熱したFinTechブームもすっかり一段落し、いまでは大手金融機関とFinTechスタートアップのコラボレーションが当たり前になってきました。

私たちがFinTechの動向に着目したのは、およそ10年前。まだ日本でFinTechという言葉が全く知られていなかった頃のことです。きっかけは、2007年にニューヨークで開かれた小さなイベントでした。今でこそ、世界最大規模のFinTechイベントとして知られるFinovateも、初開催のこの時の参加者はわずか数十名程度。ここに日本から唯一の参加者として足を運んだことが、私たちとFinTechの出会いでした。

もともとFinTechは、米国でITベンチャーがテクノロジーを使って利用者のための金融サービスを作り始めた、アンチ金融機関ともいえる動きです。2008年のリーマンショック以降、金融機関からIT業界に人材が流出したこともこの動きを加速させた一因と言われています。私たちはちょうどその頃から、毎年Finovateに参加し、そこに集う人々と交流しながら、FinTechが欧米市場でどのように受け入れられ、成長してきたかを肌で感じとってきました。

その後、世界のFinTech投資額は年々拡大し、欧米では大手金融機関が協業やM&Aを通じて先進的なFinTechサービスを自社に取り込んだり、有望なスタートアップが巨額の投資を集めて成長ステージに移行する例が続出するなど、ビジネスエコシステムが瞬く間に形成されていきました。英国では官民が連携してスタートアップの起業や成長を支援する枠組ができ、それが国としての金融競争力にもつながっていったのです。

FinTechスタートアップの登竜門、FIBC

こうした世界の潮流から、日本の金融業界が取り残されていく危機感。2012年、私たちが日本初となるFinTechのピッチコンテスト「金融イノベーションビジネスカンファレンス(FIBC)」を立ち上げた理由はここにありました。「金融のスタートアップが、この日本から数多く育っていける場をつくろう。」日本ではまだ、参入障壁の高い金融領域は起業家から敬遠され、スタートアップが数えるほどしかいなかった頃のことです。FIBCは、この国にFinTechのエコシステムを生み出すための、私たちの最初の挑戦でした。

FIBC2017 登壇企業
FIBC2017 登壇企業

FIBC公式サイト

手探りで立ち上げたFIBCも6回を数え、規模も年々拡大。これまで86社93サービスが登場し、スタートアップの登竜門とも言われるようになりました。FIBC登壇・受賞を機に大きな飛躍を遂げた企業も多く、2014年に大賞を受賞し、その後東証マザーズへの上場を果たしたマネーフォワードはその代表格と言えるでしょう。今ではFinTechのイベントが国内でも数多く開かれるようになり、「場づくり」という役割は徐々に薄れてきたように見えるかもしれません。でもFIBCを続けてきたなかで私たちがこだわってきたことは、おそらく他のイベントにはない特徴でしょう。

コンテストに応募できるのは、ローンチから2年以内、あるいはローンチ前の新しいサービスだけ。1社7分間のピッチでは、その場でサービスのデモを見せることがルール。事前に全応募者と面談し、サービスの革新性や経営者の資質などから、これはいける、と思えるスタートアップだけに登壇してもらう。FIBCが彼らの事業拡大につながるよう、イベント前夜にはビジネスマッチングのミートアップを開くなどの工夫を凝らす。これらはFinovateに代表される海外のFinTechイベントのスタイルを取り入れたもので、FIBCを単なる展示会ではなく商談の場にすることを強く意識しています。

そしてもう一つ、一貫してこだわり続けてきたのは、運営スタイルです。FIBCの運営ポリシーは、集客や収益を目的にするのではなく、日本にFinTechの市場をつくるための場であり続けること。そして、業界育成のために必要なことは何かを発信し続けること。だからこそ、その想いに共感してくれる社内外の方たちと一緒に、企画から当日運営までのほぼ全てを自分たちで行ってきました。ISID社内からも、毎年30~40名の社員ボランティアが参加しています。イノベーションが何をもたらすのか、それは現場に居なければ感じ取ることができない。一人でも多くの社員がこの場に立ち会うことで、変革を傍観するのではなく起こす側に踏み込んできてほしい。だからどんなに大変でも、手作りの運営にこだわっています。

2016年からは、オープニングから表彰まで全てのプログラムを英語で行うスタイルに一新。これもまた多くの葛藤を乗り越えた果ての決断でしたが、これを機に海外からの注目度が一気に高まり、翌2017年には過去最多となる29社のうち半数以上が海外からの登壇に。名実ともにグローバルイベントとなっています。

少し前の記事ですが、FIBC立上げメンバーの立花千香が、金融イノベーションとFIBCについて語った、こちらもぜひご覧ください!
ウエブ電通報「金融イノベーションを動かすのはベンチャー企業だ!」

日本初、FinTechのコミュニティ&スペース「FINOLAB」の挑戦

FIBCの運営を通じて築いてきたのは、スタートアップとの関係だけではありません。金融、グローバル、法規制、セキュリティなど各領域の専門家として活躍しながら、同じように日本の金融業界への危機感を感じていた方々が、私たちの想いに共感し、初開催の頃から支援してくれていました。良きアドバイザーとして、頼れる相談相手として、ある時からはFIBCの審査委員として。彼らの高い専門性と志は、スタートアップにとっても私たちにとっても、大きな支えでした。

こうして徐々にコミュニティが形になっていった頃、いくつかの新しい出会いに恵まれ、ようやく日本で始まったFinTechブームも追い風となり、私たちは次の段階に歩を進めることになりました。2016年2月、三菱地所・電通・ISIDの協業事業として、大手町に日本初となるFinTechのコミュニティ&スペース「THE FINTECH CENTER of TOKYO, FINOLAB」(以下FINOLAB)を開設したのです。

大手町に開設された「FINOLAB」
大手町に開設された「FINOLAB」

FINOLAB公式サイト

FINOLABは、私たちが数年かけて形づくってきたFinTechのコミュニティをさらに拡大し、金融分野のオープンイノベーションを加速させるためのリアルな場としてスタートしました。それまでスタートアップの相談役を買って出てくれていた有識者メンバーも、同時期にFINOLABを本拠とする一般社団法人FINOVATORSを立ち上げ、個人有志によるプロボノ集団としてスタートアップへの支援を本格化。当初は1年間という期限付きの実験プロジェクトとしてスタートしたFINOLABですが、予想以上の反響を得て、2017年には規模を拡張してセカンドフェーズに突入しました。2017年12月現在、国内外から参画するスタートアップ会員は45社を数え、彼らと共同プロジェクトを展開する企業会員には、みずほフィナンシャルグループなどの金融機関はもとより、富士通、サッポログループ、中部電力、共同印刷といった多様な業種の大手企業9社が名を連ねています。

一般社団法人金融革新同友会FINOVATORS公式サイト

また、Stone & Chalk(シドニー)やStartup Bootcamp(ロンドン、シンガポール他)など、海外の著名なFinTechアクセラレーターとのパートナーシップが築けてきたこともあり、国内だけではなく世界各国から、金融・経済政策を担う要人や大使館関係者などが、毎週のようにこの場を訪れるようになりました。FinTechに関わる人々の間で「日本のFinTechを知りたいなら、まずFINOLABへ」という認知が徐々に広まってきていることを、日々肌で感じています。

時々、FINOLABで最も成功したオープンイノベーションの事例は何ですか、と聞かれることがあります。どれにしようか迷うほどの選択肢の中から、私たちはあえてこう答えることにしています。「それは、ここFINOLABの運営そのものです。」FinTechを形づくるコミュニティと、その活動拠点となるスペース。電通グループと三菱地所という、業態もビジネスモデルも全く異なる企業のメンバーが、同じ思いを共有できたからこそ実現したプロジェクトがFINOLABなのです。それだけに、道のりは平坦ではありませんでした。それぞれが周囲を説得し巻き込みながら、誰もやったことのない仕事に挑み続けてこなければ、生まれなかった場所です。

私たちの次なる目標は、このFINOLABを、世界の主要なFinTechハブの一つとして広く認知される場所にすること。アジアはもちろん全世界から、成長性の高いスタートアップや企業が集まり、最先端のテクノロジーと多様なアイデアが混ざり合って化学反応を起こしていく、そんな場所にしたい。またその逆も同様で、日本のスタートアップが世界各地で活躍できるよう、支援できる場所でありたい。その目標に向けて、今も様々なプログラムがものすごいスピードで計画され、展開されています。毎日が目まぐるしいほどの変化の連続。スタートアップと一緒に仕事をする上では当たり前のこのスピード感も、従来のやり方の延長では考えられなかったことです。この先も、まだまだ道なき道を疾走する日々が続くことでしょう。

私たちは、“誰もやったことのない仕事”から生まれた会社。常に「次へ」と向かう視点と行動力こそが、私たちの存在意義であり、DNAなのかもしれません。

FINOLAB立上げ・運営メンバー、伊藤千恵のインタビュー記事も、ぜひご覧ください!
ウエブ電通報「FinTech~社会を変えるそのビジネスインパクト」

伊藤千恵

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製造業向けビジネスでの挑戦

製造業向けビジネスの特徴

モノづくりからコトづくりへ
これから起きる大きな変革に向け社会に欠かせない。

株式会社電通国際情報サービス 吉本 敦 取締役 常務執行役員

1980年京都工芸繊維大学機械工学科卒。精密機械メーカ、自動車メーカを経て1991年ISIDに入社。以来、CAD・CAM・CAE・PDMといったITのみならず、モデルベース開発などの開発プロセスそのもののコンサルティングやソリューションの提供を通じ、一貫して製造業の開発力向上に取り組んできた。2001年にiTiDコンサルティングを設立し、同社社長に就任、2008年にISID取締役に就任し、現在に至る。

Industry 4.0、Industrial Internet、スマートファクトリー・・・。ここ最近、皆さんもきっとどこかで見たり聞いたりしたことのある単語だと思う。しかし、それがモノづくりや産業界全体、社会にどのような影響を及ぼすものなのかは、まだイメージしづらいというのが本音ではないだろうか。電通国際情報サービス(ISID)は、技術やサービス、ソリューションを もって、その大きな変革をリードしていく存在だ。これまでの歩み、これからの展望と共に次代がどう変わっていくかを吉本 敦 取締役に聞いた。

モノづくりを変える革新的な取り組みは始まっている。

現在、製造業を取り巻く環境は、世界中で大きな変化を迎えつつあります。最も注目されているのは、ドイツが国家戦略として推進している「Industry 4.0」。その名が示すのは「第4次産業革命」であり、IoT(Internet of things)を軸として、生産工程のデジタル化・自動化・スマート化を高めるプロジェクトです。

工場内のセンサーや設備、あらゆる機械をインターネットで接続し、工場全体を効率的に稼働させる「スマートファクトリー」の実現が目的であり、自動車メーカーはもとより、電子機器のメーカーや、IT・通信企業などが開発に取り組んでいます。また、アメリカでは「Industrial Internet」と呼ばれる試みが本格的な動きを見せています。 こちらは製造業以外に、エネルギー、ヘルスケア、公共、運輸にまで範囲を広げていてその活動は「Industrial Internet Consortium」という組織が主導。設立メンバーには、あのゼネラル・エレクトリック社(GE社)も名を連ねています。

同社のグループで、航空関連の分野を担うGE・アビエーション(日本語で航空を意味する)は、かつてGE・エアクラフト・エンジンズという社名だったのですが、航空機のエンジンを売るだけではなく、安全な運航のサポートや機材のメンテナンスなど、付随するあらゆるサービスを提供する企業を目指すという姿勢を新社名に込めたのだそうです。

実際、GE・アビエーションはエンジンの状態をセンサーでモニタリングしており、故障の予知や、燃費を向上させる操縦法のアドバイス、部品や機材の揃っている空港でメンテナンスを効率的に行える運航ルートの提案まで実施しているほど。収益面で見ても、こういったサービス業務がかなりの割合を占めています。

これこそ「Industrial Internet」の本質を語っているエピソードであり、製品をモノとして提供するのではなく、サービスとして提供するサービタイゼーションの先駆けでもあったのです。環境の変化に伴い、製造業自体もモノづくりから、コトづくりへとシフトしてきているといえるでしょう。

デジタルエンタープライズの 実現を推進する体制へ

もちろん、私たちISIDもこういった環境の変化に伴い新たな戦略を進めています。2016年1月から始まった中期経営計画において、エンジニアリング領域を対象とする事業セグメントのビジョンに「デジタルエンタープライズの実現」を掲げています。

現在、アメリカでは、ビッグデータなどの情報の集約・分析、そこから導き出されたデータを基にしたシミュレーション・予測をサイバー空間上で行い、そのフィードバックをフィ ジカルな世界で活用する「サイバーフィジカルシステム (CPS) 」の導入が進められていますが、その根幹となるのは、先ほども触れた「スマートファクトリー」。 CAD/CAE/PLMなどのシステムに蓄積された設計情報と、工場における製造工程、品質、在庫、リソースなどの実績情報を高度に連携させ、自律的に生産を最適化する、次世代のモノづくり環境です。

そして、「デジタルエンタープライズ」とは、CPSの技術や環境を利用して、その企業が提供する価値や自社の業務効率を飛躍的に高めること。 ISIDではサービタイゼーションへの対応も視野に入れ、エンジニアリングのプロセスはもとより、会計や人事などの基幹業務を含めたシームレスな情報連携を実現するソリューションの提供にも取り組んでいます。

2015年10月に製造業向けIoTプラットフォームの提供でPTC社と提携したことを皮切りとして、現在までには、3月にアメリカのサービスマックス社と販売代理店契約を結び、 製品の保守・メンテナンスといったフィールド業務を支援するクラウドサービス「ServiceMax」の取り扱いを開始。同社の日本法人と共に、国内におけるマーケティング活動を展開しています。

7月には、国内製造業向けにPTC社と共同でパッケージ化したソリューション「PTC SPM LIGHT」の提供を開始。これは、消耗品など高回転のサービスパーツ管理に特化し、 在庫推移に基づく需要予測や発注計画の自動化を実現するものです。マネジメントシステムの構築を従来よりも安価かつ短期間で行える上、クラウドでの提供なので、専任のシステム管理者がいなくても導入できる点が強みです。加えて「デジタルエンタープライズ」の推進を図るため、社内の体制も整備。「スマートファクトリー」の普及に向け、コンサルティングやメソッドの提供からシステム構築・運用までを総合的に支援していく専任組織「DER推進室」を7月1日に設置しました。

また、ドイツの「Industry 4.0」で中核的なメンバーであるシーメンス社のソフトウェア事業を担うシーメンスPLMソフトウェアとは、設計開発の分野で強固なパートナーシップを築いてきた歴史があり、ISIDは世界でトップランクの販売代理店でもあります。今後はさらなる連携強化を背景として、モノづくりとコトづくりのシステム構築支援を積極的に展開していく予定です。
こうしてISIDは、来たるべき変革に備えて、あらゆる方向から準備を整えています。

新たな産業革命を支える基盤は歴史が裏打ち

ここで少しだけISIDの歴史をお話ししておきましょう。前身であるTSS(タイムシェアリングサービス)局が、電通の東京本社内に創設されたのは1971年のこと。TSSとは、アメリカとヨーロッパに置かれた巨大コンピュータセンターのリソースを、GE社の国際間ネットワークを利用して全世界の顧客に提供するサービス。名称は「MARKⅠ」といい、商用TSSとしては民間初で、極めて高額で大型なメインフレームしかなかった時代に電話回線と端末を用意するだけで、コンピュータを利用できる画期的なものでした。

電通とGE社の合弁でISID が設立されたのは1975年。 すでにTSSは「MARKⅢ」へ進化しており、翌年には製造業向けとして、機械設計の構造解析ソフトウェアの提供を開始しました。

1982年にはCAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの専門会社であるアメリカのSDRC社(現:シーメンスPLMソフトウェア)と業務提携を結び、販売を開始。今では当たり前のCAEソフトを紹介したのも国内初でした。

併せて、販売促進のための拠点、CAEテクノロジーセンターを開設。1985年にはCAE事業部が新設され、金融システム事業、情報通信事業と並ぶ大きな柱として育っていきます。

私がISIDに中途で入社したのは1991年。ここで大きな転換点を迎えることとなります。これまで主力だった 「MARKⅢ」のサービスが終わりに近づいていたのです。コンピュータの急速な普及や、CAEの浸透、3DCADを導入するケースも増えつつありました。

そこで、ISIDはモノづくりの原点に立ち返ることになりました。従来、ソリューションの中心はソフトウェア・アプリケーションでしたが、手もどりの多いプロセスにおいてこそ、お客様に支持されるようなソリューションが提案できるのではないか・・・と考えたのです。

1991年にISIDはITI社と業務提携し、ITI社のコンサル ティング、技術支援サービス、ITI社が開発した異なるCAD/PDM間でのデータ交換ソフトウェアやQFD(品質機能展開)ソフトウェアを提供するようになります。

そして2001年、私が部長の時、新たな事業として、上流工程の業務プロセスの改善や、3次元設計をベースにしたシミュレーション技術の活用で試作・設計見直しをゼロに近づ けるコンサルティングやソリューションを手がけたい旨を会社に提案。それを実現するため、ITIとの合弁でiTiDを設立し、私は社長として出向しました。

製造業向けのエンジニアリングをミッションに、工程の「見える化」や「整流化」に取り組んできましたが、2005年からは 現在のISIDのエンジニアリングソリューションの柱 「iQUAVIS」の原型である、製造業向け製品設計・開発業務支援システム「iPRIME NAVI」の企画開発に着手。コンピュータシミュレーションの多角的な活用によって開発を進めるMBSE(Model Based Systems Engineering)のはしりでもあり、前例がないため、自分たちで基本から学んでいきました。ISIDに戻るのは、2008年。それまでの間、iTiDを成長させてこられた経験は、私にとって大きな財産となりました。こんな事を許してくれたISIDには今でも感謝しています。

その後はISIDで「iQUAVIS」を含めた、製造業全般へのソリューションに携わっていくことになります。
現在、「iQUAVIS」は各種製造業の分野で導入実績を重ねてきていますが、ただ単に企業の製品開発を支援するだけでなく、自動車業界の例のように、業界全体の結びつきや技術 革新の後押しを含めて、国際競争力の向上にも貢献しています。黎明期からMBSEに携わってきた自分としては、このような成果が出ていることをとても嬉しく思っています。

次代に向けた 有効なソリューション提供を目指して

「Industry 4.0」や「デジタルエンタープライズ」、そして「スマートファクトリー」の実現で、製造業におけるビジネスの流れが大きく変わることはいうまでもありません。モノづくりのプロセスそのものが、様変わりしていくことになるでしょう。

なにしろ、IoTや、インターネット上のサービス機能の連携を利用したIoS(Internet of Service)、CPS、機械同士の通信を行うM2M(Machine to Machine)などによって、サイバー空間上で複数の工程や工場をフレキシブルに組み合わせ、最も効率のよいプロセスを構築することが可能になるのです。

そうすると、例えば、A工場に支障が起きれば、B工場で生産するという切り替えも容易になります。

受注時だけではなく、製造直前の仕様変更にも対応でき、工場などの生産設備 が互いに仕様の確認を行いつつ、プロセスの再構成が可能になる自律的な生産システムが実現できるのです。

もちろん、情報・ネットワーク・サイバー空間を用いたマス・カスタマイゼーションも可能になります。一点モノ、いわゆるワンオフという製品でさえも手間をかけずに利益が出せるようになるのです。となれば、世界中の何万人もが単品を注文することになるかもしれません。従来のような量産によるコストの低減化で利益を出すスタイルとは全く別であることがおわかりいただけるでしょう。

と同時に、日本の産業界を守ることにもつながっていくでしょう。これまでは、コストを重視するあまり、国内のリソースを使わずに海外の製造拠点に軸足を置く企業が少なくありませんでした。少子高齢化とも相まって、優れた技術を持つ企業が廃業したり、倒産したりといった結果を招いています。ドイツやアメリカでも同様で、「スマートファクトリー」の実現に躍起となっている背景には、自国の製造業の空洞化を防ぐ意味合いも含んでいるのです。

しかし、機器や設備、情報の連携にはSoS(System of Systems)という概念が重要になってきます。システムとシステムが有機的に結びつくと、新たな価値が生まれるという概念です。今や、カメラで撮影した画像を、PCやインターネット経由で遠方の家族と共有することは当たり前ですが、それをもう一歩進めて、ITに強くないおじいちゃんやおばあちゃんが、テレビをつけたら遠く離れた孫の運動会をリアルタイムで見られて、かつ話しもできるという感じでしょうか。仕組みを知らなくても冷蔵庫や洗濯機が使えるように、何気な くシステムとシステムの連携を使えることだと言えるかもしれません。

高度交通システムなどはSoSの最たる例で、信号や踏切、自動走行車などの異なるシステムが精緻に結びついた上でなければ成立しません。SoSが「Industry 4.0」や「デジタル エンタープライズ」の成功の伴を握っているといえるでしょう。

その点、ISIDはこの課題解決のために有効なソリューションを提供できると考えています。 先に話に出た「iQUAVIS」は、例えば「軽量化すると燃費は良くなるが耐久性が低下する」といった相反する事象の解決に向けた支援機能を持っています。すでに多くの自動車 メーカーで主要な機構・部品の設計に活用され、メカ設計や制御設計など、従来は別々に行われていた製品開発初期の検討プロセスを可視化させ、検討精度を大きく向上させました。 そのノウハウがSoSの実現に大きく役立つと私たちは考えています。

これから応募される皆さんに望むこと

繰り返しになりますが、製造業は大きな激動の時代を迎えています。まさに産業革命前夜のような期待と不安の入り混じった時期だと思います。だからこそ、チャンスも少なくないのではないでしょうか。あらゆる面で、一歩先んじていることが、大きな意味合いを持ってくるように思います。製造業を支え続けてきた歴史。常に先進の情報技術を扱ってきた誇り。
そして、これからの時代の扉を開くサービスやソリューション。

それが私たちISIDのアドバンテージであると考えます。そして、常に忘れてはいけないのが進取の精神。これから応募される皆さんにも、ぜひそれを持っていて欲しいと願います。

どこよりも先駆けて、新たな事業をスタートするため、技術やアイデア探しに世界を飛び回り、今は未完成かもしれないけれど、いずれ社会に役立つ何かを見つけてくることこそが、ISIDの使命といってもいいでしょう。もし見つからなければ、自分たちの手で作ればいいんです。「iQUAVIS」はまさにそれでした。

今後の10年間は、あらゆる産業で、これまでよりも目まぐるしい変化が訪れることと思います。しかし、それを黙って見ているのではなく、自らがその先を行くような挑戦者であってください。そのような人材を、私たちISIDは歓迎します。そしてサポートを惜しむことはありません。意欲を持って応募される方には一人でも多くお会いしたいと思っています。

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