グローバル&グループ経営をサポートする

IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

STRAVIS ストラビス

株式会社 電通国際情報サービス

  • お問い合わせ

ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 実録:今日からできる働き方改革! 〜

昨今、日本では国をあげて働き方改革が叫ばれています。弊社におきまして も、働き方改革に関して、会社単位で就業規則や評価制度などさまざまな制 度改革を検討、実行しようとしています。
それはそれでじっくり腰を据えて進める必要がある重要な取り組みですが、 それとは別に、現場レベルですぐに取り組める改革もあると私は考えていま す。
実際、私の所属しているグループでは自分たちで様々な施策に取り組み、 2016度下期には前期比較で売上高・利益額がほぼ同額の中、平均残業時間の 25%削減を実現しています。
今回は、その施策の中から効果があったものについて皆さまと共有したいと 思います。我々の業種特有の箇所もあるかとは思いますが、経理ご担当者様 におかれましては、制度対応や経営層の要求が年々厳しくなる中、限られた リソースでの対応を求められている状況かと思いますので、そんな皆さまの 一助になれば幸いです。

まず簡単な経緯ですが、私のグループは社内の働き方改革施策パイロット部 門に選定されたことをきっかけに、2015年秋に働き方改革の検討を始めまし た。その取り組みの中で、私たちにとっての働き方改革を次のように定義し ました。
『同じ質・量の成果をより少ない時間で達成する。
そして、削減した時間を育児、自己啓発、余暇に使う。』

このときに行った取り組み自体は成功とはいえませんでしたが、その後も自 分たちで働き方改革について試行錯誤を続け、昨年効果が目に見えて実感で きるようになってきました。
その中で特に効果が高かったと思われる以下3つの施策をご紹介します。

  • ビジネスチャットツールの導入
  • 事務派遣の採用
  • パワーランチの導入

具体的な説明に入る前に、話を分かりやすくするため、私のグループとその ビジネスについて簡単に紹介いたします。
私のグループは、OracleEBSというERPパッケージをお客様に導入することを 生業としています。案件を受注するとプロジェクトを立ち上げ、その案件の 特性に合ったコンサルタントをアサインします。全てを自社リソースのみで カバーできない場合、外部のパートナー会社と協力してプロジェクトチーム を組成します。外部の方を含めると、昨年度は平均で数十名程度がグループ の仕事に従事していました。これらの要員の人件費が主な原価になります。 作業場所は主に自社のプロジェクトルームですが、打ち合わせやテストで お客様先に伺うこともよくあります。グループマネージャは部長が兼務して おり、私はマネージャ補佐兼プロジェクトマネージャ、その他プロジェクト マネージャ少数、残りはメンバ・パートナの方々といった構成です。

ビジネスチャットツールの導入

ビジネスチャットツールについては、昨年7月にプロジェクトメンバーの コミュニケーションを円滑にする目的のもと導入しました。皆になるべく気 軽に利用して欲しいものの、込み入った議論に使用して余計に時間をかける のは避けたいとの思いで、
運用ルールは「批判的なコメントしない!議論・討論は直接顔を合わせて!」 だけにしました。
実際運用を開始すると、コミュニケーションが取りやすくなったとメンバー の評価は上々でした。皆さまもチームで仕事をされているときに、会話でき ればすぐに返事がもらえるような、ちょっとした確認事項があるときに、 その人が外出中、他の人と話中、なんか忙しそう…などの理由で、なかなか 話ができないことがあるかと思います。これが複数人と共有したい話となる と、なおさらタイミングが限られてくると思います。そういった時に、ビジ ネスチャットは相手の場所や状況、人数に関係なく、話しかけることができ、 通知がいくので、相手の都合がよければすぐに返事をもらえます。
後で確認しようと思っていたのに忘れていた、なんてこともなくなります。 プロジェクトマネージャである私の立場から見ても、各チームリーダが確認 してくることに対し、移動中、移動先に関わらず、すぐに指示出しできるよ うになったことなどから、チームの生産性向上に大きく貢献していると実感 しています。

事務派遣の採用

事務派遣採用については、高単価なコンサルタントであるメンバーおよび パートナの方々が行っている定型的な作業を切り出し、本来やるべき専門的 な作業に時間を割いてもらうことを目的として、昨年6月に導入しました。 各種申請作業、定型的な資料作成、資料印刷、備品管理等、必ずしもコンサ ルタントが実施する必要のない作業を引継ぎ、マニュアルを作成、サービス 化するという活動を継続して頂いています。事務派遣の方には、月次でどん な作業にどれだけ時間を使ったかを報告してもらっており、この作業内容を そのまま庶務チームのサービスメニューとしてメンバーに公開しています。 事務派遣の分で、コンサルタントの残業時間を削減、あるいは更なる付加価 値を生みだす時間に使えているこということになります。コストとしてもコ ンサルタントの作業時間削減により充分賄えています。この施策も生産性の 向上に大きく貢献しているといえます。

パワーランチの導入

パワーランチとは、もともとは権力者が集まって行うランチミーティングの ことを言ったそうです。今ではランチミーティングそのものを指しているよ うですが、ここでは元来の意味合いで使用しています。私を含む各プロジェ クトマネージャの数名が、向こう半年程度の計画を精緻化するという目的で、 週1回・2時間弱のランチミーティングを行い、今後の要員計画や、さまざま な施策の検討を行う活動をこの半年間に行っています。働き方改革について もこのミーティングの中で効果を分析し、施策を磨き上げてきました。
中でも、特に時間を割いていたのが要員計画です。人材が資本である我々の ビジネスにとって、今の労働力不足の中、優秀な人材を集めてくることは最 優先事項の一つだからです。このパワーランチの中で要員計画を精緻化し、 いつ、どのような要員が必要となるかを各パートナと継続的に共有しました。 これにより、パートナーから良質なチーム体制が供給され、プロジェクトの 成功に大きく寄与しました。これはパートナーにとっても、効率的に人材を 活用できるようになるため、Win-Winの関係を築けているといえます。
その他のプロジェクト間を跨ぐような共通的な課題についても、この場で方 針を決定していますが、これらの計画や方針が、このパワーランチにてスピ ード感を持ってまとまることにより、グループ全体の生産性の向上に大きく 貢献していることは間違いありません。

私のグループではこれからも新たな施策を試していく予定です。次は、リー ダー層の時間を奪っている会議のやり方についてルールを作る予定です。
私の個人的な意見としては、働き方改革は、メンバーが「限られた時間を有 効活用したい!」と本気で思えるかどうかが一番の肝だと思います。
私のグループでは皆で削減した時間を、子供と過ごしたり、ビジネススクー ルに行ったり、英会話教室に行ったり、趣味を楽しんだり、それぞれ有効活 用しています。
だからこそ、更なる削減を目指し、新たな施策に前向きに取り組むことがで きるのだと思います。

◇ 担当:五島 圭祐(ISID/コンサルタント)

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 企業の中長期的成長を阻害する会計処理シリーズ『第6弾:リース取引のオフバランス処理』 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

リース取引の会計基準は2007年に改正され、ファイナンスリースは、資産と して会計処理することになりました。

しかしリース契約1件当たりのリース料総額が、300万円以下の取引について は、資産として計上しなくてよい(いわゆる、「300万円ルール」)という 適用指針が出されています。

この300万円ルールにより、ファイナンスリースの多くが資産計上されていな いのが、今の日本企業が作成する財務諸表の実態です。

そもそもリースというのは、物件を「買って使う」のではなく、リース会社 から「借りて使う」取引です。
「買ってもいない」のに、どうして資産として計上しなければならないので しょう。「買っていない」とうことは、法的な所有権がないのです。
所有権がないものをどうして資産として計上しなければならないのでしょう。

それは企業にとっての「資産」とは、それを「売る」か「使う」かして、い ずれお金になる可能性があるものだからです。

企業は「資産」を最大限に利用して、お金を最も効率的にかせぐことが重要 であり、経営者はここに最も重大な任務を持っていると言えるでしょう。

この「資産」は、「将来お金を稼ぐために使う」という意味では、「買った もの」であれ、「借りたもの」であれ、同じように稼ぐことに役立つものだ ということです。

経営者は、稼ぐために必要な「資産」を、「買ったもの」だけをきちんと管 理して、「借りたもの」の管理を無頓着に扱うと、十分な稼ぎが得られなく なったり、無駄なものを借りるなどして、稼ぎ方が非効率になったりします。

別に「借りたもの」を資産計上しなくても、きちんと管理すればよいのです。

しかし、日本企業は往々にして、「資産として計上しなければきちんと管理 しない」という習性があるようです。

耐用年数到来時に簿価を1円だけ残すという「風習」は、その一面を物語って いると思います。意味がありませんね。

「資産として計上しなければきちんと管理しない」ということを前提にする と、稼ぐために重要な資産を借りた場合にも、資産として取り扱っておかな いと、稼ぎたいときにはモノがない、ということになりかねません。

また、リース取引は「借りる」という性質上、「金利」についても注意が必 要です。

稼ぐためにあるモノ(300万円以下)が必要だけれど、手持ちの資金がない場 合、
 (1) お金を借りてモノを買うか
 (2) リースでモノを借りるか
という選択になるでしょう。

(1)のお金を借りてモノを買った場合、固定資産と借入金を計上することにな ります。(2)のリースでモノを借りる場合、資産も負債も計上されません。

経営者が「無借金経営」を標榜する場合、お金は借りたくないので、リース で調達することになります。

しかし、リース料には金利が含まれているのです。
なので、「無借金経営」を標榜する経営者がリース取引をしていると、その 経営者は、「会計無知」といわれても仕方がありません。

下手をすると、銀行からお金を借りた方が金利は低いことも十分にありうる のです。

企業活動をする上で重要なモノは、「買っても借りても資産計上する」とい うことが、経営者には必要な観点でしょう。

「会計処理がめんどうだから資産計上しない」という経理部門の怠慢を是正 できるのは、このような観点を持つ経営者なのだと思います。

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

STRAVISに関する資料をご希望の方は、資料ダウンロードページよりダウンロードできます。
資料ダウンロード
STRAVISの機能や導入に関して詳細を知りたい方はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
お問い合わせ

関連情報

  • 多様な業種・規模のお客様がSTRAVISで課題解決されています。

COPYRIGHT INFORMATION SERVICES INTERNATIONAL-DENTSU, LTD.