IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション
ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。
すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。
目次
個人的に気になっているのは、米国基準適用企業にとっては積極的にIFRSを導入するインセンティブは一層働きにくい状況になったということです。
最近のIASBとFASBとの協議が難航している状況を見ると、本当に今後IFRSに一本化できるのだろうかという疑問の声もあり、米国基準適用企業がIFRSに移行しないのであれば日本としてIFRSに移行するスピード感はだいぶ遅くなるのではないかと感じています。
さて、現状IFRS対応のプロジェクトを進めている会社では2015年3月期をター
ゲットとしているケースが多いと考えられますのが、今回のことで大なり小な
り計画の見直しが必要になります。
その場合、どのようなアプローチが考えられるのか、いくつか例を示してみたいと思います。
こんにちは、公認会計士の中田です。
このコーナーでは、私の著書である『わかった気になるIFRS』の巻末に紹介している『IFRS質問箱』に実際に投稿された質問とその回答を中心に、このメルマガ読者の皆さんからいただいた疑問点や、ISIDのコンサルタントがお客様からいただいたご質問なども交えてご紹介しています。
学習レベルにはバラツキがあり、いろんな部署の方からのご質問があります。これまでみなさんが持たれた疑問と比べることも、意味があるはずです。
また、これまでどこにも公表されていない貴重なQ&Aですので、どうぞご期待ください。
今回は、前回掲載したコンポーネント・アカウンティングについて読者からいただいたご質問を取り上げます。
私共の会社はゼネコンという仕事柄、建物に関しては通常より深く考えています。建物に関して言えば、物理的には例えば鉄筋造だと60年くらい耐用しますが、その間に、エレベーターを新しくするとか空調を取り換えるなど、設備関係の更新をおこないます。同じように、内装関係も20〜30年毎にやりかえる(改装する)ことが常です。
「建物」単位で減価償却しますと、これらの「内装」も「構造体」と同じ単位で償却することとなってしまうのですが、「構造体」と「内装」を同じくくり(単位)で償却しても構わないのでしょうか?(税法ではそうなっています)
個人的には、税法で機械装置関係が細かく分かれているのと同程度にするものと考えると、通常の事務所ビルは税法の考え方も加味して「構造体」「内装」「設備」「構築物」の4つ、または現実的な改装(部分除却や認識の中止)も視野に入れると「構造体」「外装」「防水」「窓ドア建具」「内装」「設備」「構築物」の7つ程度に分けておくことが必要ではないかという印象を持っているのですが、細かく考えすぎでしょうか?
IAS第16号第13項に、まさしく「建物の内壁」が例としてあげられています。
また、「航空機」の「室内装飾」もあげられています。そして、これら「取替えのために」取得されるものは、取替費用の発生時に有形固定資産の帳簿価額に認識し、取替えられた"構成部分"の帳簿価額は、認識を中止し、未償却残高を全額費用処理することを求めています。
第43項以降のコンポーネント・アカウンティングの規定は、この"構成部分"の区分を受けていると考えられますので、同一の建物内で取替えられる室内装飾や内壁などは、建物本体とは別個の構成要素として取り扱って、個別に減価償却をすることになるでしょう。したがって、御社で、構成要素をいくつにするか(4つなのか7つなのか)は原則的には、減価償却方法や耐用年数が異なるものごとに、すべて区分する必要があることになります。ただし実務的には、重要性がない構成要素まで区分して処理を行うベネフィットが誰にもありませんから、以下の手続きで決定するのが良いと思います。
(1)御社の営業部門やメンテナンス部門が利用している内規やマニュアルなどで建物の内装や装飾などについて、取替えの目安となるものを明示している文書があるかどうかを調査し、確認する。
(2)(1)の文書があれば、その文書に記載されている区分を参考にして、実際の取替期間を分類し、集計する。なければ、現場部門に実態を把握できそうな情報を提供してもらい、実際の取替期間を分類し、集計する。
(3)集計の結果、重要性があるものだけを、別個に管理する"構成部分"とする。
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