グローバル&グループ経営をサポートする

IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

STRAVIS ストラビス

株式会社 電通国際情報サービス

  • お問い合わせ

ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 「SAP S/4HANA」導入におけるUX(利用者体験)向上のポイント 〜

<背景>
iphoneのヒット代表されるように、昨今話題のUX(利用者体験)を考えること が、これからのイノベーションには欠かせないという話をよく聞きます。
業務用ソフトウェアの業界では、昔から採算性や技術制約に重点を置き、利用 者にとっての価値を軽視してきた、あるいは経済的、技術的にそうせざるを得 なかったということがあり、必ずしも利用者にとって使いやすいものではあり ませんでした。システム導入プロジェクトが失敗した原因のうち、20%は利用 者のシステム使用方法に起因していたという調査もあります。

UXという言葉を聞いた時、多くの方はアプリケーション、または画面やその使 いやすさをイメージされるのではないでしょうか?そして良いUXは、そのITの 利用者に対して良い体験を提供することに限定して考えるのではないでしょう か?しかし、UXという概念それ自体は、ITだけではなく、物やサービスを顧客 に提供する際にも言えることです。
つまり、UXをITだけのものとして考えるのではなく、ITの利用とITを利用する ことで顧客に提供されるモノやサービスも含めて考えることが、これからのイ ノベーションの1つの要素になってくると考えられます。別の言い方をすれば、 利用者に寄り添ったITを実現することはUXの一部であり、本来はITで実現する ビジネスに関連する全てを、顧客の体験を中心に考えることが、イノベーショ ンを起こす上で必要な考え方ではないでしょうか。

<「SAP S/4HANA」導入におけるUX向上のポイント>
今回は、ERPのデファクトスタンダードである「SAP S/4HANA」導入によるUX向 上のための1つのツールとして「SAP Fiori」を紹介いたします。SAP Fioriの 特長は、以下の3点です。

1. 直観的なインターフェース
利用者の役割と業務フローに応じて機能を細かく切り分けることで、シンプル 化が図られています。そのように機能を切り分けることで、入力項目数やボタ ン数は最小化され、システムに初めて触れた方でも、何を行えば何が起きるの かが一目で分かるようになっています。
また、データのビジュアル化が図られています。例えば、ある特定の製品の在 庫・入庫・出庫予定を把握するための画面では、数値のみにではなく、グラフ 表示することで状況を直感的に把握できるようになっています。この画面では 在庫の状態が把握できるだけでなく、在庫の不足を察知し、それに必要となる アクションをシステムが提案してくれる機能もあり、アクション実行による結 果をシミュレーションとして表示することもできます。

2. 業務分析と業務処理の融合
従来は、業務分析ツール(OLAP)と業務処理アプリケーション(OLTP)は異な るシステム上に存在し、それぞれでUIも異なっていました。しかしSAP Fioriで は、業務処理を実行するためのアプリケーションに加え、業務に関するさまざ まなKPIを分析、監視するアプリケーションも用意されています。これにより、 変化する業務KPIをリアルタイムで確認し、異常値が見つかった場合にはシステ ムをまたぐことなく、それに対処するための業務処理を行うことが可能となっ ています。
従来型の分析用アプリでは、条件を指定して実行し、結果を得るタイプが多い ですが、指定する条件よっては意味ある答えは得られません。何度か条件を変 えて実行を繰り返すことになります。SAP Fioriのアプリの1つの例として、債 権管理のレポートである未消込明細の入金期日分析や、入金期日超過明細残高 による得意先未消込明細分析などに相当するアプリがあります。このアプリは 起動するとまずグラフが表示されます。そこから直感的に気になったところを 掘り下げていきます。例えば、得意先別や会社コード別に絞り込んだり、特定 の得意先に対する債権明細管理から伝票情報へドリルダウンしたりと、自由度 の高い調査・分析が行えます。さらには、必要があれば入金消込処理画面へジ ャンプし、そのまま業務オペレーションを実施できます。まさに「業務分析と 業務処理の融合」を体現したアプリの1つです。

3. モバイルデバイスからのシステム利用
モバイルデバイスの進化、普及の拡大は目を見張るものがあります。これはモ バイルデバイスのUXの優位性を証明していると言えます。モバイルデバイスの 普及が加速する一方、PCとマウスという組み合わせが相対的に減ってきていま す。それに伴い、エンタープライズアプリもコンシューマーアプリに近づきつ つあります。従来のエンタープライズアプリは、慣れた方には使いやすいのか もしれませんが、初見の方にはとっつきにくく、一定のスキルを要し、誰もが すぐに使えるものではありませんでした。一方、コンシューマーアプリに近い ということは、シンプルで直感的なアプリケーションであり、誰でもすぐに使 えることを意味します。
SAP Fioriは、まさにこの直感的でシンプルな標準UIとして開発されたものです。 SAP Fioriはレスポンシブデザインと呼ばれる技術を採用し、同一のコードでPC、 タブレット、モバイルといったあらゆる画面サイズに自動的に対応し動作します。 それにより、モバイル利用による業務効率の向上はもちろん、開発時の生産性 も大幅に向上します。また、デバイスは異なってもコードは同一であるため、 すべてのデバイスで共通のUIを通じてアプリケーションを利用することができ るので、迷うことなくすぐに利用することが可能になります。

このように、SAP Fioriは「直観的なインターフェース」、「業務分析と業務 処理の融合」、「モバイルデバイスからのシステム利用」を通じて、必要なも のが、いつでも、どこでも、共通のUIで提供される、非常にシンプルなシステ ム利用の形を提供しています。
SAP Fioriがもたらす「利用者が業務を遂行しやすい仕組み」により、今まで の制約で行っていた付加価値の少ない業務を軽減し、付加価値の高い業務にシ フトすることで、結果として顧客が経験する質の向上を促すこと、つまり、本 来のUX向上を実現することが可能になると考えています。

<ISIDのSAPビジネスへの取り組み>
新たな次世代デジタル基盤であるS/4HANAの登場により、企業の基幹システム も大きな変革を迎えました。SAP S/4HANAの持つ最大限のパフォーマンスを、 お客様のビジネスイノベーションに活かせるよう、弊社でも支援をさせてい ただきます。

担当:赤尾 光一(ISID/コンサルタント)

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 決算日の4〜6ヶ月後での株主総会開催の動き 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

決算日が3月末であろうと12月末であろうと、全上場企業のほとんどが、決算 日の3ヶ月後に株主総会を開催しています。例えば、3月決算企業の場合は、ほ とんどが6月下旬に株主総会を開催しています。

この「3か月後開催」について、もっと後ろ倒しにしようという動きがありま す。例えば、3月決算企業であれば、7月下旬などに開催させようということで す。定時株主総会は、決算日の3ヶ月後に開催することが「当然」のように受 け止めている経理マンは多いと思います。

しかし、今やこの「当然」は崩壊しています。少なくとも法制度的には、3ヶ 月よりももっと後に、定時株主総会を開催することができるようになっている のです。

1. 会社法
まず、会社法ですが、3月決算企業であれば3月31日が決算日ですが、日本の上 場企業では「決算日」=「議決権基準日」が慣例となっていました。 この日に名簿に載っている株主が総会に参加し、議決権行使できるのが「議決 権基準日」です。
会社法では「議決権基準日」(決算日ではない)から「総会開催日」までの期 間を3か月以内と規定されています(会社法第124条)。
しかし、「議決権基準日」を「決算日」とする規定は、会社法にはありません。 したがって、定款を変更して、「議決権基準日」を4月末や5月末にしてしまえ ば、定時株主総会を7月や8月に開催しても、会社法上は全く問題ありません。

2. 開示制度
例えば3月決算の会社が7月に株主総会を開催する場合、議決権行使基準日は決 算日とは異なる日となります。従来、有価証券報告書及び事業報告では、「決 算日」(事業年度末)の「大株主の状況」及び「上位10 名の株主の状況」を 記載するように規定されていました。
したがって、「決算日」と「議決権基準日」が異なる状況になると、「議決権 行使のための株主の確定」とは別に、大株主の状況等の「開示書類に記載する ための株主の確定」をしなければなりませんでした。
この点で、上場企業の事務負担が増加するおそれが指摘されていました。 そこで、2018年の企業内容等開示府令(1月26日)及び会社法施行規則(3月26 日)の改正で、有価証券報告書及び事業報告における「大株主の状況」等の記 載時点が、「決算日」から、原則として「議決権行使基準日」へ変更されまし た。これらの改正の適用日(施行期日)は公布日からですので、3月末決算の 企業はすでに適用することができる状況になっています。

3. 税制
日本は確定決算主義ですので、株主総会で承認された決算書を、税務申告書に 添付する必要があります。税務申告書の提出期限は、決算日の翌日から2か月 以内というのが「原則」です。
ただし、従来から、事前に税務署長に届けるなどして、申告書の期限を「延長」 することができていました。従来の「延長期間」は、1ヶ月しかありませんで した。「原則:2か月」+「延長期間:1か月」で、決算日の3か月後に提出す ることができていました。
このままでは、定時株主総会を決算日の3か月後よりも後に開催すると、税務 申告書の提出遅れになってしまいますので、平成29 年度税制改正により、 「延長期間」を「1か月」から「4か月」とするように改正されました。
これにより、最大で、「原則:2か月」+「延長期間:4か月」で、決算日の6 か月後に提出することができるようになりました。
例えば、3月決算企業の場合であれば、9月末までに定時株主総会を開催して、 税務申告書を提出するような対応ができるようになったわけです。
ちなみに、昨年、一般社団法人日本CFO協会が実施したサーベイによると、延 長期間が4か月に変更されたことを知っている経理マンは、半数程度しかいら っしゃいませんでした。

4. 四半期決算との関係
例えば、3月決算企業が、決算日の4か月後に定時株主総会を開催するとしたら、 7月下旬になります。まさに、第1四半期決算の真っ最中!!です。 四半期決算作業の真っ最中に、株主総会の想定問答集に関与したいと考えてい る経理マンは皆無でしょう。ちなみに、欧米の企業の多くは、定時株主総会を 第1四半期の後に開催しているのが実態です。
日本企業の定時株主総会の開催時期は、世界的な比較で言えば、「異常なほど」 早すぎるのです。まさに、「日本の常識、世界の非常識」ですね。

5. 「総会の開催日を後ろ倒しにしましょう」と、誰が言いだすか?
ここまでの話で、株主総会開催日を後ろ倒しにすることについて、「法制度的 には」問題ないということは理解していただけたと思います。しかし、この 「後ろ倒し」は「義務」ではありません。「任意」です。
したがって、おそらくこのままでは、企業にとってほとんどメリットが感じら れない「後ろ倒し」を実行しようという動きを見せる企業は、非常に稀な存在 になると推測できます。つまり、「誰も後ろ倒しなんてしない」ということです。

ここで、注意すべき「動き」が出てきました。
日本公認会計士協会(JICPA)の動きです。この問題としては「伏兵」ともい うべき存在ですね。

この「動き」を具体的に説明します。2つあります。
まず1つ目は、2017年8月25日に、「開示・監査制度一元化検討プロジェクトチ ームによる報告「開示・監査制度の在り方に関する提言−会社法と金融商品取 引法における開示・監査制度の一元化に向けての考察−」」という文書が公表 されました。

この提言では、有価証券報告書と事業報告・計算書類の「開示」とともに「監 査」も一元化する検討の中で、3つのシナリオを提言しています。
そして、3つ目のシナリオこそが、最終目標ともいうべき内容となっています。

この「シナリオ3」は、金融商品取引法と会社法の両法令の開示要請を満たす 「一組の」開示書類を、決算日の3か月以内に作成し、招集通知に添付すると 同時に金融庁に提出し、その1か月後に定時株主総会を開催するという内容の 説明が図示されています。これが1つ目の動きです。

そして、2つ目です。年が明けて今年、2018年2月16日には、「会長声明」とい うことで、JICPA関根愛子会長の名前で、文書が公表されています。
文書の相手先は、「会員」つまり上場企業などの会計監査を実施している監査 法人や公認会計士です。以下、関係する部分を抜粋します。

「会員各位におかれましては、(中略)一体的開示への対応は会社の任意とな りますが、個々の会社における適切・適時な開示の在り方や株主総会日程・基 準日の合理的な設定に向けて、平成 30 年3月期以降の開示書類の記載内容の 共通化について、会社とご検討いただくようお願いします。」
つまり、株主総会日程は、企業の任意だけれどももっと合理的に設定するよう、 上場企業を監査している監査法人が、監査クライアントに働きかけるように依 頼しているということです。
これもいわゆる「ソフト・ロー」を駆使した動きだと感じています。
そもそもJICPAがここまで「しつこく深く」関わる問題なのか、という疑問を持 つのは私だけでしょうか?



メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

STRAVISに関する資料をご希望の方は、資料ダウンロードページよりダウンロードできます。
資料ダウンロード
STRAVISの機能や導入に関して詳細を知りたい方はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
お問い合わせ

関連情報

  • 多様な業種・規模のお客様がSTRAVISで課題解決されています。

COPYRIGHT INFORMATION SERVICES INTERNATIONAL-DENTSU, LTD.