IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション
ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。
すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。
目次
◇担当:岩崎 亮太(ISID/コンサルタント)
こんにちは、公認会計士の中田です。
このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。
今回も企業会計基準委員会(ASBJ)が今年7月に公表した企業会計基準公開草案第61 号「収益認識に関する会計基準(案)」(以下本公開草案)について触れます。
このコラムでは、本公開草案を理解することがとても難しいということを再三に言ってきました。その原因の一つが、条文の「流れ」です。
以下は、第16項から第70項までの目次です。
2.収益の認識基準
(1)契約の識別
(2)契約の結合
(3)契約変更
(4)履行義務の識別
(5)履行義務の充足による収益の認識
3.収益の額の算定
(1)取引価格に基づく収益の額の算定
(2)取引価格の算定
(3)履行義務への取引価格の配分
本公開草案では、収益を認識するためには、5つのステップの手続きを経ることを要求しています。第14項です。第14項で示されている5つのステップは以下です。
(Step1) 顧客との契約を識別する
(Step2) 契約における履行義務を識別する
(Step3) 取引価格を算定する
(Step4) 契約における履行義務に取引価格を配分する
(Step5) 履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する
この5つのステップと目次の関係は以下です。
2(1)〜(3)が、Step1。
2(4)が、Step2。
2(5)が、Step5。
3(1)〜(2)が、Step3。
3(3)が、Step4。
つまり、目次でのStepの順番は、1→2→5→3→4なのです。
なぜ、条文はStepの順番に並んでいないのでしょうか。
Stepの順番に条文を作成してくれた方がわかりやすいのに・・・。
これは、本公開草案が、IFRS第15号の丸呑みをしてしまったことが主な原因だと思います。この条文の不可解な並び順も、IFRSの概念フレームワークを正しく理解していれば、不思議にも思わずに理解できると思います。
日本の会計基準を理解するために、IFRSの概念フレームワークを理解する必要があるなんて、納得できませんね。
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