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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 『シンガポール取引所の四半期開示見直し』 〜

2018年第一回目の経理財務メルマガです。本年もよろしくお願い致します。

さて今回はシンガポールからのニュースを題材にして書きます。
私達はテレビや新聞そしてインターネット等で会計に関するニュースを入手しておりますが、日本で取扱われる出来事の多くは国内に関するものです。
ただ、海外の出来事にも目を向けてみると、日本の課題がよりはっきりと認識できます。

■シンガポール取引所 決算、四半期開示見直し

「シンガポール取引所(SGX)は11日に上場企業に課している四半期決算の開示ルールの見直しを検討すると発表した。

年4回の開示義務を年2回に軽減したり、開示が必要な項目を減らしたりする案を検討。開示ルールを簡素化する世界の取引所の流れに対応する狙いだという。

SGXはまず、四半期決算制度を維持するかどうかを検討する。仮に四半期決算の維持を決めた場合も、開示を義務づける対象企業を現在の時価総額7500万シンガポールドル(約63億円)以上から、1億5000万シンガポールドル以上に引きあげるなど、負担軽減策を検討する。市場関係者から意見を集め、2018年後半から新制度を導入する。

SGXが開示制度を見直すのは、中小企業などから情報開示にかかるコストが重いとの不満が高まっているためだ。SGXは、他の取引所に比べ開示負担が重い状態が続けば、有望なベンチャー企業が他に上場する事態を加速しかねないと判断した。」(1/12付日本経済新聞から一部抜粋)

シンガポールは国土面積が小さく(東京23区とほぼ同じ)、人口も約600万人とリソースが限られているからこそ徹底した効率化を追求しています。この開示の見直しも早期に実現されるのではないかと思います。日本でも数年前から四半期制度の開示見直しについて議論されていますが、多少簡便化が実現したものの、いまだ大きな進展はありません。普段、上場企業の経理部の方とお会いしていますが、年4回の決算開示は、コスト・人材にとって過度の負担になっていると感じます。
とはいえ、日本ではしばらく現在の四半期開示制度が維持される様子なので、業務の標準化、システム化を進めて負担の軽減を図っていくことが求められるでしょう。

連結決算の業務負荷に課題をお持ちの方がいましたら、ISIDの営業担当にご連絡をいただければと思います。

◇担当:寺村 航(ISID/シニアコンサルタント 公認会計士)

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 得意先との契約に新会計基準は影響を与えるか 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

前回に引き続き、企業会計基準委員会(ASBJ)が今年7月に公表した企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」(以下本公開草案)について触れます。

今回は、会計処理だけでなく、営業部門にも影響を与えかねない「契約」の取扱について解説します。

本公開草案24項に以下の規定があります。

「同一の顧客(又は顧客の関連当事者)と同時又はほぼ同時に締結した複数の契約について、次の(1)から(3)のいずれかに該当する場合には、当該複数の契約を結合し、単一の契約とみなして処理する。

  • (1) 当該複数の契約が同一の商業的目的を有するものとして交渉されたこと
  • (2) 1つの契約において支払われる対価の額が、他の契約の価格又は履行により影響を受けること
  • (3) 複数の契約において約束した財又はサービスが、第29項から第31項に従うと単一の履行義務となること」
複数の契約を単一の契約と「みなして」処理するのです。
したがって、(1)から(3)のいずれかに該当する取引について、「契約書を複数に分けてはいけない」とか「契約書を一つにしなければならない」ということを要求しているわけではないのです。
あくまでも、「会計処理」の要求であって、「契約実務」への対応を求めているわけではありません。

しかし、IFRSを先行適用している企業では、営業の現場に対して得意先との契約書の作成実務を、会計基準に準拠するよう指示している企業があります。これは大変なことです。
営業部門だけではなく、得意先にも負担を強いることになるからです。

経理部門が会計基準の内容や趣旨を適切に理解していないと、営業部門や得意先に対して、不要な対応をさせることになりかねないのです。
さらに、経理部門での理解を誤らせている原因に、監査法人が関係しています。

公認会計士でも、本公開草案を理解することは難しいので、きちんと理解しないまま、監査の関与先に対して、「24項の(1)から(3)のいずれかに該当する取引の契約書は、一つにまとめるよう、営業部門に指示してください」という指導(アドバイス?)をしているのです。
繰り返しますが、本公開草案は会計処理を定めているのであって、契約実務にまでは言及していないのです。会計基準は会社法や民法ではないのですから。

ただ、気をつけなければならないのは、契約実務を変えずに、複数の契約書で対応していくのは良いのですが、以下の状況を営業部門から経理部門に伝えられる体制は必要になると思います。

  • (a) 24項の(1)から(3)のいずれかに該当する取引があるかどうか
  • (b) 「ある」場合には、どの契約書とどの契約書が該当するのか
  • (c) 値引きや返品条項を含む契約書があるか
  • (d) 「物品の販売」と保守サービスやカスタマイズ作業など「一定の期間にわたるサービス提供」が組み合わされていないか
などです。

このような情報がないと、新しい会計基準の要求を満たす「売上計上」はできないので、営業部門との打ち合わせは早めにし始めた方が良いと思います。

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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