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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 「配賦」を取り決める基準とは? 〜

私は管理会計システムの導入に携わっておりますが、管理部門の経費の配賦機能を開発することがよくあります。
そこで、今回は「配賦」について取り上げます。

まず、「配賦」とは何でしょうか?
配賦と聞いてピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。国語辞典では「個々に割り当てること。」とあります。つまり、直接自分で使ったものではない経費をよそから割り当てることが配賦になります。
管理会計の世界では、部門や事業の業績評価のためにこの配賦を用います。売上が上がる部門や事業・製品に管理部門の経費(販管費)を配賦し、事業別や製品別の営業利益を計算します。
あくまで割り当てですので、いくら割り当てるかはルールを決めて実施します。

配賦基準について

配賦は、前述の通り割り当ての為、特定のルールで金額を計算します。配賦のルールを配賦基準、配賦基準で使用する割り当ての比率を配賦率といいます。配賦基準として一般的なものは、売上高の比率で配賦を行う売上高比基準、売上総利益の比率で配賦を行う売上総利益比基準等が挙げられます。売上高 や売上総利益の比率で配賦するので、たくさん稼いでいる部門や事業により多く割り当てられます。実際、管理部門の経費は売上や売上総利益で回収する必要があるので妥当性があります。また、主力の事業により多く負担してもらうという点で、それ以外の事業からは不満が出難いということもあるかと思います。
他に、人員数比基準というものもあります。部門に在籍する人員数の比率で配賦を行います。管理部門の提供するサービス(給与計算、経費精算等)を受けるのは個々の社員なので部門の人員数に応じて負担すべき、というのが論拠になります。人が増えればその分、管理部門からの割り当ても増えることになるため、安易に人を増やすことを防止する効果もあります。
一般的には、複数の配賦基準を併用して配賦を行っているかと思います。新規の事業の場合、人員数比だけで配賦してしまうと、大きく赤字となってしまい、業績評価のしようもなくなってしまう為です。

配賦金額について

配賦金額は配賦された側ではコントロールできません。売上高比で配賦を行っているのであれば、売上を小さくすれば配賦金額は小さくなりますが、それでは本末転倒です。そうではなく、配賦元の金額である管理部門の経費が小さくなれば、本当の意味で配賦金額が小さくなります。配賦された金額に 納得できない場合は、配賦元の金額について適正かどうか確認、議論するとよいかと思います。配賦はそのための情報でもあります。
また、管理部門の経費が大きくなると配賦金額が大きくなるというのは確かに問題なので、月次の業績評価においては予算の配賦金額をそのまま用いることがよくあります。その場合は、管理部門の経費の実績が予算を超えたとしても、配賦には影響せず、管理部門の責任として管理部門にそのまま残ることになります。
逆に、予算よりも実績を抑えることができた場合は、管理部門の利益として残ることになります。これによって管理部門の業績評価も行います。

配賦の詳細化について

最近は、システムを動かすサーバーの性能が向上し、より詳細なレベルへの配賦ができるようになりました。一昔前なら、何万種類という品種に管理部門の経費を配賦すると、計算に数時間かかるなど使いづらいものでしたが、今では数分〜数十分程度の時間で計算されるようになっています。これによ り、品種レベルの営業利益の分析や業績管理などが簡単に行えるようになってきています。
ただし、管理会計の目的は意思決定のための情報提供です。意思決定のレベルが個別の品種ではなく、もっと大きい単位(ビジネスユニットや戦略的ビジネスユニット等)であれば、そこまでの配賦に留めておくべきです。
配賦の単位を細かくするほど、分析に時間がかかる、配賦のシステム設定が煩雑、等々無駄な時間やコストがかかるので注意が必要です。

配賦は万能でも絶対でもありません。あくまで特定のルールに基づいて計算され、割り当てられたものです。目的や意義を考えながら会社にあったやり方を検討いただけたらと思います。

◇ 担当:沖 貴之(ISID/コンサルタント)

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 連結決算の現場の状況 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

「企業の5割近く『決算担当者の能力に不安』」

こんな見出しの記事が、7月23日付の日本経済新聞朝刊に掲載されました。日本CFO協会のサーベイ結果を受けた記事です。

上場企業約1500社の財務部門の2割弱が回答し、大半が売上高1000億円以上の回答です。

「うちは上場していても中堅以下だから、人材不足もしかたない。」とあきらめている企業も少なくないと思いますが、売上高1000億円以上の大企業でも、5割近くが能力も人数も不足を感じているのです。

日本CFO協会のサイトには、より詳しいサーベイ結果のレポートが掲載されています。このサイトを参照すると、以下のような状況がわかります。

(1) 連結決算担当は、2名から5名が約6割を占める
(2) 大規模企業の人材面での最大の課題は、「人事ローテーションに伴い業務やスキルが定着しない」であった。
(3) スキル向上に向けた取り組みとしては、以下の項目がトップ3であった。

 i) 業務引継ぎによるスキル伝授(OJT)」(70%)
 ii) 担当者による自己学習(自己啓発)」(67%)
 iii) 監査法人のセミナーや研修会への参加」(66%)

つまり、ほとんどお金をかけていない。

連結決算担当者のスキルアップのためには、やはり無料のセミナーや自己学 習だけでなく、有料の研修会や講座を利用できる状況を作ることが重要にな ってくると思います。
「お金をかけず、少ない人員で乗り切るのがお前の仕事だ!!」などと言わ れている経理部長には、今回の日本経済新聞朝刊の記事が、少しは役に立つ のではないでしょうか。

「うちだけじゃないんです。大規模の企業でも人員とスキルが不足していて、 決算発表内容に不安を覚えるほどの課題として認識されているのです。 そして、教育やシステム対応などの予算をつけ始めているんです。」 ということを主張する材料にはなるように思います。

そして、近い将来、決算の現場はさらに「質的」に重くなっていきます。 制度に準拠した開示にとどまらず、ビジネスモデルや非会計情報との関連付 けを、有価証券報告書で開示する義務が、もうそこまで来ている状況です。 有価証券報告書が「量」から「質」に変化することが確実な状況で、今の決 算現場の体制で乗り切れるかどうかを、今のうちに検討しておかないと、開示 制度の変化にはタイムリーに対応できないでしょう。

メルマガ事務局より

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いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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