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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 そのシステム化、必要ですか? 〜

あるお客様で、データの分析が大変で困っているとの相談を受けました。
Excelでデータ分析を行っているのですが、中身を見てみると1つ(1行)のデータに対して分析項目が50以上もあり、分析する以前にこの項目を埋めていくのが相当な骨折りだろうと感じたわけです。
更に、この(横に)膨大なデータソースを元にピボットグラフを作成しているのですが、分析しているのは50項目のうち10項目程度なのです。

思わず確認しました。「グラフで分析していない項目は不要では?」
お客様は答えました。「ええ、不要なんです。ただ、社内で規定されたフォーマットでずっとこれをしているので変えられないのです。」
この返答は、私にはこう聞こえました。「全く必要はないのだけれど、このフォーマットに合わせるためだけに膨大な情報をExcelに入力し続けるのです。」

データを適切に分析するためには、適切な分析項目を設定し、分析結果から問題を明らかにする必要があります。そもそも50という項目設定がデータの傾向 を見るのに適しているのか、という議論もあるわけですが、それは置いておいたとして、使わないデータを入力し続けることの意味はほぼない、むしろ無駄 といってもよいでしょう。

“YAGNI”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
”You ain't gonna need it” 簡単にいうと、「ほんとに必要なの?」ですね。もともとはあるシステム開発手法(エクストリーム・プログラミング)の中で 生み出された考え方ですが、コンセプトは以下の通りです。

「後で使うだろうという予測の元に作ったものは、実際には10%程度しか使われない。したがって、それに費やした時間の90%は無駄になる。」(Wikipedia)

人間は未来の出来事を知ることはできない。だから、せめてできる限りの予想をして未来に備えよう。プログラマやSIerがこういった考えに陥ることはよく 理解できます。しかしながら、不確定な未来を予測し、もしくは真の目的を見失ったまま作り込まれた機能は、実際にはそのほとんどが使用されずただの骨 折り損となる、という悲しい結末を迎えるのです。

さて、話を戻し冒頭に紹介したお客様の例ですと、データを作るという手段が目的化し、分析し問題を解消するという最終目標を達成できずに困っていた、 ということになります。
全社フォーマットと言われているものの利用状況を調査し、本当に必要な項目に限定(Excel不要列削除)することが第一歩でした。入力項目が格段に削減 された分、内容も精査され正しくデータを収集できるようになった上、データの傾向も明確化されてきました。あとはこの結果をもとに対応策を検討し、手 を打っていくだけです。ここまではExcel以外のシステムは介在しません。

システムコンサルを生業としている人間が言及するのもおかしな話かもしれませんが、システムを導入することは目的ではなく手段の一つです。
最終的に業務フローや役割分担、取り扱うデータ内容を見直すことで、目的を達成することも多いはずです。まず、目的は何なのかを関係者間で共有し、 それを達成するための方法を十分検討することが重要です。
その際にはぜひ“YAGNI”というキーワードを心に留めておいていただければ幸いです。

◇ 担当:西尾 朋美(ISID/コンサルタント)

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 監査法人の努力不足 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

3月14日に開催された、金融庁金融審議会のディスクロージャーワーキンググループの会議に提出された資料が、金融庁のサイトにアップされています。

その中で、小畑良晴委員(経団連の経済基盤本部長)が提出した資料では、以下のような記載があります。

「現状、監査時間が不足しているという認識はない。JICPA には、監査の品質を高め、監査の効率化のためにIT 投資に努める、監査人の人材教育に時間を割くなどの奮起を求めたい。」

また、逆瀬重郎委員(日立製作所財務統括本部顧問)が提出した資料でも、以下のような記載があります。

「監査人サイドが、十分な監査時間はともかく、ピーク作業の解消を求めるのであれば、監査実務効率向上のために、作成者が経営上当たり前に行ってきた IT やIT 人材の活用及び投資などの経営努力をどのように実践し、取り組んできたのかその実態をまず開陳すべき筋である」

どうも、監査法人の作業について、効率化などの改善努力が不足しているという認識をもっている人は、少なくないように感じられます。

そして、特に監査業務にもっとITを活用すべきだという点で二人の委員の意見は一致しているようです。

最近の監査の実態について、私はきちんと把握していませんが、どうやらいまだに手作業が多く、非効率な作業をしているようです。

また、決算日前にできる監査手続きを、わざわざ忙しい決算作業期間中に実施している状況も変わっていないようです。
ISIDが、監査業務の現状分析を行って、大幅に効率化するプロダクトを開発してくれないかな、などと考えたりしました。

メルマガ事務局より

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いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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