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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 「財務会計システムの統合化・クラウド化に向けて」 〜

現在、ほとんどの企業で財務会計システムが導入されていますが、その導入されている財務会計システムが担っている役割、システムに保持する情報の量や種類・持ち方は、実に様々であるように思えます。

最近の傾向である、システムのクラウド化やグループ統合化、さらにアウトソースを考えるにあたり、この多様化・複雑化が障壁となっているのではないかと筆者は考えます。

ここでは原点に返って、財務会計システムの本来の役割は何か、多様化しているのはなぜなのか、統合化・クラウド化するためには何が必要なのか、について筆者の考えを一例としてご紹介させていただきます。

財務会計システムの本来の役割

元々の財務会計システムの役割は、財務会計帳簿の電子化、すなわち財務会計の記録を電子的に行い、記帳業務や帳簿保管を効率的に行うことです。

そのために必要な情報は、勘定科目・貸借・金額・記帳日・転記日など必要な情報は限られており、最低限の情報のみを持つのであれば、財務会計システムはそれほど多様化しなかったのではないかと考えます。

多様化している財務会計システム

それでは、上記に記載した本来の役割に加えて、どのような役割が担われているのでしょうか。大きく分類すると以下のようなものがあります。

 A)売上・利益等の業績を測定するために必要な情報の保管
    例:取引先分類、販売地域など

 B)原価・経費の内訳を分析するために必要な情報の保管
    例:製品情報、原価の内訳情報、経費の用途など

 C)社内の業務プロセス上必要な情報 
    例:資産の保管場所、所管部門、一時的な中間勘定など

その他、税務や内部統制に必要な情報もあります。

上記はいずれも、財務会計帳簿上は必ずしも必要なものではないものの、財務会計仕訳や元帳に記録されていることが有益という理由で、情報を持たれていることが多くなっています。どこまでの情報を持つかは、システムを導入する際の、その時々の事情によって、決まっているのが実態です。
  
上記のような追加的な情報が、どのようにシステムで持たれているかは、大きく以下のように分類されます。

 1)勘定科目コードとして表現されている
    例:勘定科目名_追加目的、8桁中下2桁で表現など

 2)記帳の際の追加のコードとして表現されている
    例:部門コード、製品コードなど

 3)仕訳の適用などの文字情報として記載されている
    例:適用に経費の使用目的を、定型的な文言として記録
  
上記の、情報の分類(上記A,B,C)が、どのように保管(上記1,2,3)されているかで、各財務会計システムが組み合わせ的に多様化しているのが現状です。

統合化、クラウド化するにあたり必要なこと

上記のように多様化した現状を踏まえて、グループ内のシステムを、情報の粒度を揃えて統合化することや、あらかじめ用意されたクラウド上の情報基盤に移行するにあたって、必要と思われることを記載します。

 (a)勘定科目やその他コード体系の統一
   本来の会計的な意味のある勘定科目を残して、現状の勘定科目に埋め込まれている付随情報は、別のコードとして切り出して整理する。

 (b)システムの役割分担の整理、非システム化
   会計システムとして直接必要でない情報は、システムから外出しすることを検討する。特定の部門のみ必要な情報や、一時的な情報はあえてExcelに戻すなどをすることも検討する。

 (c)元帳のDWH化
   上記(a)、(b)を実施した上で、会計的な意味のある情報(勘定)に加えて、業績評価や分析等に必要な情報を、元帳のキー項目として管理する。

実際にお客様の話を伺っていると、言うは易し、で非常に時間と労力がかかる話です。実現するには、かつてのERP導入の際のビックバンのようなイベントも必要かと思います。
せっかくシステムで保持している情報も、捨てなければならないこともあります。
しかし、情報を整理することは、システム面以外にも様々なメリットもあるかと思いますので、時間をかけて将来の統合化やクラウド化に向けた準備をすることも有益ではないかと筆者は考えます。

◇ 担当:菅田 裕之(ISIDコンサルタント/米国公認会計士)

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 CFOが業績を高める5つの方法 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

2015年4月6日に発行された『週刊経営財務』(No.3207)の「海外会計トピックス」で、「CFOが業績を高める5つの方法」というタイトルの記事が掲載されました。

これは、アメリカの"cfo.com"に掲載された記事を、日本の公認会計士である飯田信夫氏が紹介したものです。

元の記事を書いた人は、クリスチャン・カンパーニャ(Christian Campagn)という、アクセンチュア戦略におけるCFO及び企業価値のためのマネージングディレクターです。

この記事では、まずアメリカではCFOに求められていることが、従来の財務会計中心から経営そのものにシフトしてきていることを指摘しています。

そして、その期待(経営そのものへの参加)に答えるための方法として、以下の5つをあげています。

 1. 戦略の整合(Align Strategy)
 2. 業務運営方法の変換(Transform Operating Models)
 3. 業績の管理測定(Manage and Measure Performance)
 4. デジタル化の推進(Embrace Digital)
 5. 先進的な財務能力の開発(Develop Advanced Finance Capabilities)

1の「戦略の整合」は、戦略策定にあたって、経営資源配分の優先順位づけやリスクの評価に整合性を保つことです。

2の「業務運営方法の変換」は、価値を創出するために、業務を「迅速」かつ「柔軟」なものにして、規模を適切に拡大・縮小することです。

3の「業績の管理測定」は、従来の単なる「管理会計」ではありません。
これは非会計情報を中心とする「先行指標」を読み解き、「遅行指標」である「業績(財務情報)」を全社的観点で理解して、経営意思決定に役立てるよう、影響力を行使することです。

4の「デジタル化の推進」は、投資効率の優先順位づけをしながら、デジタル技術を積極的に活用することです。

5の「先進的な財務能力の開発」は、CFOの職務は「財務」を中心とはしながらも、企業全体にとって何が必要なのかを見抜く能力が要求されています。
そして、今後のCFOにはさらに「財務」という領域では直接的には要求されてこなかった項目、例えば「特定のビジネスプロセス、価格設定及び貿易振興に関する知識」や「コミュニケーション能力」などが、求められるだろうとのことです。

上記の内容を読まれたISIDメルマガの読者のみなさんは、どのような感想を持たれたでしょうか。

以下のようなつぶやきが聞こえてきそうです。

「CFOが『経営戦略の整合性を保つ』なんて、想像もできない」
「CFOに『柔軟かつ迅速な』組織に変えていく責任を持たされてもできっこない、あるいは困る」
「業績管理は、過去の結果をきちんと集計することであって、『非財務情報の動きから業績の将来予測をする』なんて、不可能だ」などなど・・・。

このようなことをつぶやかれる方は、「最高財務責任者」のことはわかっても「CFO」のことはわからないでしょう。

そもそもアメリカの法制度に組み込まれている「CFO」という役職は、CEOやCOOの片腕として、「経営意思決定に参加する人」です。「ナンバー2」の地位にあたると言われています。

しかし、日本の「最高財務責任者」の発言力や影響力は非常に小さく、営業担当役員や開発担当役員に指示を出したり、納得できるまで説明させるような地位はない場合が非常に多いと言われています。

「ああそうですか、アメリカと日本では、CFOの役割や地位が違うんですね。それで、何か問題でもあるんですか?」と半ば開き直る方もいらっしゃるかもしれません。

これが大問題なのです。

日本企業では、役員レベルで「数字に強い人」や「数字が読み込める人」が非常に少ないと言われています。
その結果、発言力が大きい「数字に弱い人」による経営が行われるため、利益は出ていても、利益率が低いままの状態が続いているのではないでしょうか。

ですから、「数字に強い」皆さんが、「財務」の領域から飛び出して、今回ご紹介した記事に挙げられている、「経営をグイグイ引っ張るほどの能力」を身に着けていってほしいのです。

そうしないと、日本企業の持続的な成長は、政府や官庁がいくら介入してきても、実現しないのではないかと心配しています。

【参考】
今回ご紹介した記事(原文英語)のサイトは以下です。
ぜひご自分で理解してください。
http://ww2.cfo.com/business-planning/2015/03/5-ways-cfos-can-enable-high-performance/

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以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

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g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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