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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 会計領域におけるビッグデータとは 〜

先日、公認会計士の方々の勉強会にて、お話をさせて頂く機会を頂きました。

講演のテーマは、「会計領域におけるビッグデータ」というものです。

私が業務として、いわゆる BI を実現するソリューションの開発と導入に携わっていることから、これまでに構築支援した会計データの収集分析システムの事例や、お客様の課題、そして会計におけるビッグデータとはなにかということについて話して欲しいというご要望を頂いた次第です。

実際に業務で使用される分析画面や、帳票のデモも交えてご紹介させて頂いた所、非常に活発な質疑応答や意見交換があり、公認会計士ならではのご意見も頂きました。私個人としても得るものが多く、有意義な会となりました。

ただ、事前に内容を検討していた際には、講演内容と要望されたテーマとの整合性に関して一抹の不安があったのも事実です。
「ビッグデータ」という言葉は、今や IT 業界のみで使用される専門用語ではなく、一般の方が目にするテレビ番組やコマーシャルでも使われる言葉となっています。一方、便利な流行語(いわゆるバズワード)となっている部分もあり、その言葉の意味するところははっきりしないものでもあります。

ビッグデータという言葉については、様々な定義があります。
3V (大量データ【Volume】、更新頻度【Velocity】、多様性【Variety】)の特性をビッグデータの特徴として説明する例が多いのですが、ビッグデータという言葉を前に人々が期待することは、これまでの技術では扱えなかった規模の量、スピード、複雑な情報を、最新の IT 技術によって解析し、様々な便益を生み出すということではないでしょうか。

具体的にビッグデータと呼ばれる情報は、インターネット上の大量のコンテンツやTwitter 等 SNS 上で刻一刻と更新される情報、あるいは GPS を利用した人々の動態情報や我々の身体に関して得られるセンサーデータ等、データ量でいうとペタバイトクラスの多様なデータを扱うものが挙げられます。

ところが会計データを見てみると、そのデータは比較的形式が整えられており、データ量も上述の大量データ比べるとなんとも小さなものといえます。
果たして会計データをビッグデータと言って良いのか、という疑問が頭をもたげてくるのです。

おそらく会計システムや業務システムのデータを収集するだけでは、いままでBIと呼んできたしくみと大差がない、ビッグデータなどと大言するような画期的な違いがないというのが事実だと思います。

仕訳伝票を中心とした単体会計システムから、企業の業務を支える販売、生産、在庫や人事などのシステムを統合した ERP システムが普及してから既に 20〜30年が経ちます。ERP は業務情報を会計データと統合管理できるといいう面で画期的な部分があったものの、販売や移動、購買伝票より先にある情報の扱いはなかなか進んでいません。

例えばCRMやSFAに登録される見込情報やカスタマーボイス、ワークフローで登録される稟議の情報、マーケティング部門が収集する製品/商品のレピュテーション、競合の情報仕向地域ごとの市場規模やカントリーリスク、ビジネスの遂行で必要となる情報はシステムの内外に大量にあり、かつその形はまさに多様です。

もし会計領域におけるビッグデータという物があるのであれば、会計に関する情報と上記のようなビジネス、経営判断に必要な様々な情報を関連付け、業績の変動の要因や、今後の見込の変動についての情報を提示してくれる。そんな仕組みになるのではないでしょうか。

昨今、国内外のERPベンダーは、新たな世代のERPについてのコンセプトを発表しています。そこにはまさに、これまでのERPの前提をくつがえし、ビッグデータを業務に統合する試みが見られます。

Googleをはじめとする消費者向けのITの世界では、先進的なや機械学習、超並列処理といった技術の開発が進み、実際に使用されています。そういった最新の技術革新が業務システムの領域に適用され、数年後には当たり前のように会計データとビッグデータを有機的に結合させ、分析・活用できる世界が待っているのかもしれません。

◇ 担当:池本 仁(ISID コンサルタント)

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 IFRSの適用動向:米国基準を採用している企業について 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

IFRSの適用動向:米国基準を採用している企業について

現在、日本の有価証券報告書に、米国基準で作成した連結財務諸表を掲載している企業は、27社です。

2011年には33社でしたが、住友商事などの商社5社とリコーがIFRSに変更したことで、6社減りました。
そして、日立製作所と東芝が、正式にIFRSへの変更を表明しています。

その他にも、以下のような動きがあります。
(1) 本田技研:2012年8月に、2015年3月期からIFRSに変更するとの日本経済新聞の報道がありました。
(2) ソニー:減価償却方法を定率法から定額法に変更されています。
(3) 日本電産:有価証券報告書では、IFRSへの対応をかなり本格的に進めている旨の記載がされています。

このように、米国基準を採用している企業がIFRSに変更する理由で、正式に公表されている表現としては、「グループ全体で会計処理を統一し、グローバル連結経営を進化させる」というものです。

しかし、このほかにも以下の理由があると思われます。
(1) SECに提出する資料の作成工数が、他の基準で作成するよりも大幅にかかる。
(2) 内部統制に係る基準として、日本基準よりもUS-SOXの方が格段に厳しい。
(3) 米国以外の国の企業がSECに提出する財務諸表について、米国基準ではなくIFRSで作成することが認められた。

上記の理由は、現在米国基準で連結財務諸表を作成する企業にとっても、ほとんどあてはまると思います。

さらに、気になる動きがあります。

現在日本は、IFRSの任意適用を拡大することに躍起になっています。

その流れの中で、2014年12月15日に開催された金融庁企業会計審議会の会計部会で、委員の岡田譲治氏(IFRS財団評議員であり、三井物産(株)代表取締役副社長執行役員 CFO)が、当日欠席しながらも、わざわざメモを提出し、以下のような意見を示しています。

<以下、「岡田委員提出メモ」(2014年12月15日)より抜粋>
任意適用の促進という観点からは、SEC 登録を行っていない企業の米国会計基準適用を認める特例の見直しは有効な手段となり得るのではないかと考えます。
SEC 登録・米国上場を行っている企業に米基準適用を認めることは一定の合理性があるものの、米国当局の規制対象外となる場合については、IFRS 任意適用促進の観点からも、当該特例の見直しについて議論していく必要もあるのではないかと考えます。
<抜粋以上>

つまり、米国に上場もしていない企業に対しては、日本の有価証券報告書に、米国基準で作成した連結財務諸表を掲載することを認める「特例」は廃止し、IFRSの任意適用促進につなげたらどうかという意見です。

このメモについて、同じ会計部会で、熊谷五郎臨時委員(みずほ証券(株)企画グループ・経営調査部上席研究員で、IFRS諮問会議のVice-Chairs(副議長))が、以下のような発言をしています。

<以下、企業会計審議会会計部会議事録(2014年12月15日)より抜粋>
岡田様の意見書を見ましても、米国基準をどうするかというのが1つ論点になってくるかと思います。日本としてIFRSの任意適用を拡大していくということが、1つ国策として打ち出されている中で、米国の基準を我が国の会計制度の中でどう扱っていくのかということも、この会計部会で議論していただけたらと考えております。
<抜粋以上>

ちなみに、現在米国基準で作成した連結財務諸表をそのまま有価証券報告書に掲載している企業は、以下の7社です。(カッコ内はSEC登録を廃止した年)
(1) TDK(2009)
(2) クボタ(2013)
(3) マキタ(2013)
(4) ワコールホールディングス(2013)
(5) パナソニック(2013)
(6) 小松製作所(2014)
(7) コナミ(2015予定)

SECの登録を廃止する理由は、米国市場での取引量が激減している割には、提出資料作成工数とUS-SOX対応工数が膨大であることのようです。

今後の企業会計審議会での議論の流れによっては、少なくとも上記7社は米国基準での決算はできなくなる可能性が出てきます。
その際に、日本基準にするのか、JMISにするのか、あるいはピュアIFRSにするのか、決めなければならないでしょう。

そして、残る10数社は、今後も米国基準で連結財務諸表を作成し続けることになるでしょうか。

ここ数年でその趨勢ははっきりすると考えています。

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