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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 グループ連結経営実現への壁 〜

最近、経理業務を始めとした本社機能をグループ会社間で標準化、共通化、更にはシェアード組織化しようという課題を改革テーマに掲げている企業が増えているようです。その理由として大きくは次の3つがあると考えます。

  • 収益を伸ばすのが難しい状況で、経営者の目がコスト削減に向いている。
  • 有スキル人材が枯渇し、業務の属人化 and/or 品質低下が起きている。
  • これまでの自律(放任)主義の結果、子会社に目配りできていなかったことによる問題の顕在化。

いずれも喫緊の対応が必要だと思いますが、企業によって改革のスピードに差があると感じます。取り組みが進まない主な原因と対策を列記すると以下のようになりそうです。

原因1

経営者はコスト削減をしたいが、そのためには組織の統廃合や人員整理が前提になり、現場からの反発が確実なため踏み切れない。

対策1

経営者が企業存続に必要であるとの信念を持ち、強い意思を持って人員整理も含めた改革方針を打ち出す。

原因2

現場にとっては業務の属人化や品質低下の問題が深刻だが、対応には増員やシステム構築などのコストを伴うため経営者の受けが悪く、却下される。

対策2

現場の部門長が業務品質等の定性的な効果と現状放置した場合のリスクを粘り強く経営者に訴えかけ、説得する。

原因3

グループ規模がある程度大きくないと人件費やシステムコストの削減効果が限られており、また、全社で仕組みを統一することそのもののメリットは金額換算しづらいため、投資対効果でNGの判断が下される。

対策3

経営者が企業グループとして体を成すためには仕組みの統一がMUST条件であるとの認識をもち、金銭的な判断だけによらず意思決定する。

いずれの対策も言うは易く・・・で、そう簡単ではないですが、特に、いつの頃からか何事も金額換算しないと判断できなくなってしまった日本企業にとって、2または3のパターンで取り組みが進む可能性は低いでしょう。結果として改革を進められるのは1のパターンである場合が多い気がします。

でも、本当にそれだけでよいのでしょうか?

以前、欧州の大手メーカーの日本法人をコンサル支援させていただいたことがあります。その際に感じたのは、会社の成り立ちや法人格の違いにはお構いなく、グループ本社が決めたルールやシステムを有無を言わさず子会社に適用させるという強靭な意思でした。現場からは不満の声も出ていましたが、グローバルで仕組みを統一することのメリットを、証明の必要もない一種の公理のようなものとして捉えている感がありました。

これは理屈ではなく、企業グループとしての「生き方」という思想の違いなのだと思います。

個人的な意見ですが、歴史的に言葉も考え方も文化も異なる多民族社会を経験してきた欧州の人々と、同質性の高い民族集団の中で以心伝心でうまくやってきた日本人とでは、集団統治におけるルールやインフラ統一への切迫感が全く違うのではないかと思います。

会計ビッグバンにより企業の決算情報が連結主体に変わってから10年以上経過し、制度上の外見はグループ連結経営がすっかり定着した感もありますが、企業の内実は全く追いついていないというのが実状かもしれません。

確かに製品開発など、日本人のすり合わせ能力が強みを発揮する分野もあるでしょう。しかし、グループ連結経営、殊にグローバルでの企業統治ということになると、これまでの自律+すり合わせ方式の統治スタイルではうまくいかないのではないかという感触があります。これはやり方として馴染む馴染まないではなく、受け入れざるを得ない現実ではないでしょうか。

今後、上記の2や3のパターンで改革を進める日本企業が増えてこないと困ったことになると思います。結局は経営者の考え方次第ということであきらめてしまうのかも知れませんが、経営者に意識改革を促すのも現場部門の大切な役割ではないかと思うのです。

◇ 担当:藤原啓之(ISIDビジネスコンサルティング ユニットディレクター)

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中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 企業会計基準委員会(ASBJ)でのちょっとした疑問 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

企業会計基準委員会(ASBJ)でのちょっとした疑問

平成25年7月25日に開催されたASBJの議事要旨が公表されています(会員限定)。

審議事項は、以下の4項目でした。

1.基準諮問会議からの報告
2.リース会計専門委員会における検討状況
3.IFRSのエンドースメントに関する作業部会の設置について
4.企業結合(ステップ2)の検討

議事要旨を読んでいてひっかかったのは、「4.企業結合(ステップ2)の検討」の内容です。

ある委員から、「今回の改正により当期純利益の表示が変わることについて、実務上の混乱を避けるために、(中略)しっかりと周知を図るために結論の背景等に記載してはどうか。」という発言がありました。
これに対して、事務局から「ご指摘の点については「公表に当たって」など、会計基準以外の他の適切な箇所での記載を検討していきたい」という回答がありました。

財務情報の中でも、もっとも重要な指標の一つである「当期純利益」の表示が変わるというのに、それが結論の背景に記載されないのはとても不思議です。
「ある委員」から指摘があるのに、「あえて」基準の中では触れない形にするのですから。

この部分だけに限らず、今回の企業結合会計基準の変更については、実務的にどうすればよいのかきちんと明示されない形になりそうです。
たとえば、支配を喪失しない持分減少の場合、子会社株式を売却した際に発生した売却損益は、すべて「資本剰余金」になり、その売却損益から算定される法人税等についても、資本剰余金で調整することになりますが、設例等は「あえて」明示しない方向で検討されているようです。
ややこしい論点の多くが、基準では明示されないような感じです。

連結決算実務に混乱が発生しそうでとても心配しています。

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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