グローバル&グループ経営をサポートする

IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

STRAVIS ストラビス

株式会社 電通国際情報サービス

  • お問い合わせ

ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 「多様化するITプロジェクト」 〜

ここ1〜2年、業務システムの検討時にモバイル(携帯、スマホ、タブレット)の相談を受けることが多くなってきました。
営業現場からのニーズであったり、経営層からの指示であったり、検討の背景は様々ですが、ビジネスニーズ、投資、セキュリティのバランスをとった企画が必要となってきています。

企業の情報システムの動向

大企業では基幹システムは整備され、経営分析、モバイル対応といった分野に取り組んでいる企業が多くなってきています。また、海外小規模拠点のシステム化、システムの統一といった取り組みも増えてきています。
一方、中堅企業は基幹システムの整備に積極的で、国内・海外を合わせ、短期間低コストで基幹システムの整備、統一を一気に進める企業が増えてきています。
基幹システムのクラウド化も当たり前になってきており、企業の選択肢は増える一方、情報システム全体のマネジメントは複雑になってきており、情報システム要員が少ない企業では対応に苦慮する企業が増えています。
以下では、企業グループ全体におけるグローバルのITプロジェクトのマネジメントの観点に触れたいと思います。

多様化するITプロジェクトをどうマネジメントするか?

1.基幹システム、2.経営分析システム、3.モバイル、4.クラウドに加え、海外拠点システムと、多様化するプロジェクトをマネジメントしていかなければならない部門は、情報システム部門だけでなく、経営企画、海外統括部門、経理と多岐にわたります。
情報システム部門がシステム全体の支援を実施するのは当然ですが、各業務のグローバルオーナを決定し、オーナのリーダーシップの元、グローバルでの推進体制を構築していくことが必要になってきます。

1.基幹システムは海外統括部門や、事業別の統括部署がオーナとなり、各拠点の業務リーダの積極的な協力を元に企画していく必要があります。
例えば下記のような選択があります。

 A.各拠点主導で現行業務を踏襲する
 B.会計はグローバルで基準を統一し、販物は現行業務を踏襲する
 C.会計も販物もグローバルでビジネスプロセスを統一していく

導入方針の選定は、各企業の海外子会社の特性(日本主導で立ち上げた拠点か、現地企業との合弁かなど)を考慮し、検討していくことが重要です。

2.経営分析システムは経営企画や連結担当部門がオーナとなり、グローバルでの分析軸、各拠点での分析軸の整理の為に、各拠点へのヒアリング、検討依頼などを取りまとめていく必要があります。
ここで重要なのは、本社で必要な情報と、各拠点での業績評価指標が異なるという点です。グローバルの評価指標と各拠点の評価指標を整理し、統一すべき部分と各拠点の自由に定義出来る部分を明確にしていく必要があります。IFRS対応と合わせてグローバルでの業績評価指標を整理・統一するというのも進め方のひとつかもしれません。

3.モバイルによる営業業務改革などは、営業統括や海外統括部門がオーナとなり、情報システム部門も主体的に参画し、グローバルでのインフラ構想を含めた検討が必要です。特にネットワークが施策全体の障害になることも多々発生します。
各国のネットワーク事情や、制限事項を事前に確認した上で、システム全体の構成を決定する必要があります。

4.クラウドの適用には、利用する業務の特性と各クラウドサービスの特徴も考慮した検討が必要となってきます。
24H365日稼働させる必要がある業務システムは、時間課金のクラウドサービスの方が自社でサーバを持つより割高になってしまう可能性があります。
一方、月に一度、数日しか使用しない連結決算システムなどは、アマゾンWEBサービスのようなオンデマンドで利用できるクラウドの方がコスト低減には役立ちます。
クラウドインフラ事業者やクラウドサービスを提供する各社の特徴、コスト、セキュリティへの対応、SLAの把握など、比較するのは大変ですが、こんなはずではなかったということにならないように、会社、業務の特性にあったサービスを選定する必要があります。

上記のような各取組施策は、オーナ、取組体制も大きく異なってきますので、各施策の全体整合を取りまとめる役割も必要です。
このような取組は、言うは易く行うは難しで、強力なリーダシップの元に取り組まないとなかなか前に進んでいきません。

これからグローバルでのシステム化に取り組んでいく中堅企業などでは、全体の青写真を描き、各施策のオーナの選任、全体整合性の取り纏め役の選任をし、トップ主導での実行力のある推進体制をどう築くかが成功の鍵となってくるでしょう。

◇ 担当:歳納 太郎(ISID グループマネージャー)

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 企業結合会計基準改正からうかがえるIFRSへの方向性 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

企業結合会計基準改正からうかがえるIFRSへの方向性

平成25年1月11日企業会計基準委員会(以下ASBJ)は、企業会計基準公開草案第49号(企業会計基準第21号の改正案)「企業結合に関する会計基準(案)」(以下「公開草案」)を公表し、集められたコメントに対して、現在ASBJで審議の真っ最中です。

ASBJは、企業結合に関する会計基準等について、ステップ1とステップ2とに区分して見直しを行うこととしており、ステップ1については平成20年12月に完了しています。

ステップ1の主な改正項目は以下でした。
 1.持分プーリング法の廃止
 2.取得企業の決定方法
 3.株式交換での取得原価の算定方法
 4.段階取得における取得原価の処理
 5.負ののれんの処理
 6.企業結合で取得した開発費

このステップ1の改正により、企業結合会計は、IFRSに大きく近づきました。

しかし、まだ近づけられなかった項目があります。
ステップ1で対応できなかった主な項目は以下です。
 1.少数株主持分の取扱い
 2.取得関連費用の取扱い
 3.暫定的な会計処理の取扱い
 4.のれんの償却
 5.支配喪失時の取扱い
 6.全部のれん方式の採用

このうち、今回の公開草案で改正しようとしている項目は、以下の3つです。
 1.少数株主持分の取扱い
 2.取得関連費用の取扱い
 3.暫定的な会計処理の取扱い

この改正内容を説明するのが今回の目的ではありません。

問題は、今回のステップ2でも見送られた項目です。
それは、以下の3項目です。
 1.のれんの償却
 2.支配喪失時の取扱い
 3.全部のれん方式の採用

これら3点を先送りした理由として、「合意形成が十分に図られておらず、対応に相当な時間がかかる」ことがあげられています。

したがって、今回のステップ2での改正が完了してもなお、上記3項目について将来さらなる改正が行われる可能性が高いと受け止めるのが素直な受け止め方だと思います。

しかし、私はそうではないと考えています。

つまり、企業結合会計基準の改正は、今回のステップ2で終わってしまうという考えです。

では、先送りされた上記3項目はずっとこのままIFRSとの会計基準差として残り続けるのでしょうか。
そうではありません。

「IFRSを改正して日本基準に近づける」のです。

すなわち、例えば、現在のれんは非償却で減損処理しか認められていないIFRSの規定について、非償却を廃止するか、償却処理の選択提供を認めるような改正を行うのです。

このためには、IFRS財団に発言力をもち、IFRSを改正する手続きに大きな影響力を持つ必要があります。
したがって金融庁はこれまでも、IASBに理事を送り、IFRS解釈指針委員会、IFRS財団にメンバーを送り込み、さらには、モニタリングボードでは、金融庁みずからメンバーとなり議長まで務めているのです。
最近では、ASAFのメンバーも送り込んでいます。

みな、IFRSを日本で受け入れやすい会計基準にするためです。

「日本で受け入れやすい」と聞けば、最近聞いたことがありますね。

そうです。
日本版IFRS(J-IFRS)です。

企業会計審議会では、J-IFRSの意義について、「あるべきIFRS」を示すことになるといわれました。

つまり、のれんの償却など、今後IFRSを日本がどうしたいのかという全体像をJ-IFRSというワンセットの会計基準を示すことで、世界から日本がどうしたいのかを理解されやすくする効果を期待しているのです。

今回の企業結合会計ステップ2で重要な論点を見送った「意図」として、私はこのように考えているのです。

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

STRAVISに関する資料をご希望の方は、資料ダウンロードページよりダウンロードできます。
資料ダウンロード
STRAVISの機能や導入に関して詳細を知りたい方はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
お問い合わせ

関連情報

  • 多様な業種・規模のお客様がSTRAVISで課題解決されています。

COPYRIGHT INFORMATION SERVICES INTERNATIONAL-DENTSU, LTD.