グローバル&グループ経営をサポートする

IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

STRAVIS ストラビス

株式会社 電通国際情報サービス

  • お問い合わせ

ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 経営管理指標としてのIFRS 〜

IFRSを適用するにあたり、IFRS、日本基準のどちらを経営管理指標とするか検討が必要になると思います。今回はそれぞれの特徴を考え、いずれの基準を採用すべきか考察したいと思います。

1.IFRSを経営管理指標にする
IFRSを単なる制度対応ではなく経営課題としてとらえ、IFRSで経営管理する考え方です。次のようなメリットがあると考えられます。

  • 連結上の開示数値と整合性を持った予実管理ができる
  • 事業のグローバル化へ対応しやすい
  • IFRS対応を課題解決の機会に活用できる

2.日本基準を経営管理指標にする
あくまでもIFRSは制度対応として割り切り、経営管理はこれまでと同じく日本基準で行います。次のようなメリットがあると考えられます。

  • IFRS適用時の現場の混乱を回避できる
  • 業務変更を最小限に抑えることができる
  • システム投資を抑えることができる

個人的な見解ですが、IFRSで経営管理を行うべきと考えます。金融庁審議会の話では、連単分離の方向で進んでおり、この流れでは、連結は国際的に認められるIFRS、単体は国内の制度対応としての日本基準となると考えられます。事業活動や資金調達が国際化する中、経営管理もIFRSで実施することで適切な意思決定ができると考えられます。

また、企業会計審議会の「IFRS に関する欧州調査出張(フランス・ドイツ・EFRAG)調査報告書」によると、IFRSを内部管理目的に使用することで、リスクコントロール、企業管理の見直しといった観点からの企業管理の現代化が図られた、海外子会社の業績評価、管理を共通のベースに基づき行えるようになり、マネジメントの理解、内部統制も向上することとなった、等のメリットがEUの先行事例に見られます。

IFRSで経営管理を行うにあたっては、留意点がいくつか考えられます。

留意点1:ダブルスタンダードを避ける
IFRSを経営管理指標として使用した時点から、日本基準は制度対応のための数値と割り切ってしまう必要があります。2つの数値が出てしまうと、どちらも分析したくなりますが、あくまでもIFRSの数値で予実比較、業績評価を行うべきです。意思決定に使用する数値が2つあると、意思決定が歪む可能性が考えられるためです。そのためには、経営層から現場までIFRSで経営を行うことを意識づける必要があります。なお、日本基準を制度対応として割り切るための対応方法ですが、「IFRS に関する欧州調査出張(フランス・ドイツ・EFRAG)調査報告書」によると、単体財務諸表を内部管理目的としてIFRSで作成している場合、自国基準による単体財務諸表は年度末に決算修正を加えることで作成している会社もあり、日本においても、同様の方法で対応できるのではないかと考えられます。

留意点2:基準間差異を理解しておく
上記1と一見矛盾するように見えますが、IFRSと日本基準の差異の原因は理解しておく必要があります。特に、IFRS適用直後に重要になります。IFRSの数値が日本基準の数値となぜ違うのか理解しておかないと、誤った意思決定を行う可能性があるためです。IFRS適用までに、経営層から現場まで教育を実施し、IFRSへの理解を深める必要があると考えます。一旦、IFRSでの経営管理が軌道に乗った後は、基準間差異を意識する必要はなくなるのかもしれません。

 

◇ 担当:藤井一夫(ISIDコンサルタント/米国公認会計士)

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 金融庁が調査研究を委託した『オックスフォード・レポート』  〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

金融庁が調査研究を委託した『オックスフォード・レポート』

我が国経済社会に対するIFRSの影響について、早急に広範囲な調査を行う必要があるということから、金融庁は、オックスフォード大学に調査研究を委託し、そのレポートが「日本の経済社会に対するIFRSの影響に関する調査研究」というものです。

以下のサイトに公表されています。
http://www.fsa.go.jp/common/about/research/20120614.html

217ページもあるレポートなので、時間がないとなかなか目を通せないものです。
しかし、読み始めると、財務報告の作成者である企業の財務担当役員や経理部長、アナリスト、IASBのスタッフなど、関連する人々へのインタビュー内容は生々しく、IFRSを適用しても、透明性や比較可能性が高まることに多くの人々が疑問を持っていることが浮き彫りにされていて、面白いと感じられます。

今回は、その中で興味深い提言がありましたので、ご紹介します。

それは、「監査業務の国際的な開放」です。
182ページに記載されています。

これは、従来のわが国の財務報告の国際対応が、会計基準を中心に行われてきましたが、他の関連諸制度や組織を含めて、戦略的に企業活動や経済活動の発展につなげる工夫が必要であるということで、その例として「監査業務や公認会計士業務全体を国際的に解放する」という提言が行われています。

その効果は、「安価で質の高いサービスを企業に提供できるようにする」とされています。
その具体的な例として、「英語とIFRS に精通し、しかも安価なインドの勅許会計士を積極的に導入する」ことが示されています。

私はこの部分を読んだ時に、インドよりも中国の方が現実的だと思いました。
中国では公認会計士が、30万人を超え増え続けています。
彼らは、中国語だけでなく、英語にも精通していると予想され、同じ漢字文化の中で、日本語も修得しやすいので、3ヶ国語を使いこなす公認会計士になりうると思います。
そして、彼らが、日本の監査報酬が相当高額であり、また、日本で活躍している公認会計士のコンサルティング報酬も相当程度高額であることから、魅力的だと感じれば、日本に進出することを考えてもおかしくはないでしょう。

日本の企業としても、日本人公認会計士と同等の品質で監査やコンサルティングをしてくれる、相当程度安価な中国公認会計士がいれば、すべてとは言わないまでも相当程度、中国公認会計士に依頼することは想像に難くありません。

さらに、日本と中国は、韓国を加えて、今年5月に「日中韓投資協定」がすでに締結されるなど、TPPやFTAなどに向けて、自由化が促進されて行くでしょう。

そうなると、「監査業務の国際的開放」は、案外早い時期に実現する可能性があるように思います。

今でも日本の公認会計士業界は、人が余っている厳しい状況ですが、今後はますます厳しい状況になると予想されます。

逆に監査やコンサルティングを依頼する企業としては、中国やインドの会計士の品質を見極めて、偏見や先入観を捨てて対応していけば、上場コスト、業務改善、会計システムの導入、アジアへの進出調査などを、従来よりも相当低コストで実現できるようになるでしょう。

公認会計士 中田清穂氏のホームページ
http://www.knowledge-nw.co.jp/

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

STRAVISに関する資料をご希望の方は、資料ダウンロードページよりダウンロードできます。
資料ダウンロード
STRAVISの機能や導入に関して詳細を知りたい方はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
お問い合わせ

関連情報

  • 多様な業種・規模のお客様がSTRAVISで課題解決されています。

COPYRIGHT INFORMATION SERVICES INTERNATIONAL-DENTSU, LTD.