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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 業務のシンプル化、標準化 〜

近年、経理部門を始めとした計数管理部門の業務負荷は、より高くなっていく 傾向にあるといえます。その背景としては以下のようなことが考えられます。

  • 1. 事業環境の変化

  •    グローバル化の進行、市場ニーズの多様化など
  • 2. 強制力を伴う制度変更

  •    IFRS対応など会計基準の変更、四半期開示、内部統制など
  • 3. 社内的な要請

  •     管理サイクルの短縮化、情報の精緻化など

このような変化への対応は喫緊の経営課題であるはずなのに、現場ではなかな か思うように対応が進まないというジレンマがあるように感じます。その要因 のうち、多くの会社に共通するものとして次の2点があると思います。

  • 1. 変化に対応できる有スキル人材が不足している。
  • 2. 恒常的なコスト削減要請のもとでシステム対応予算が確保できない。

現在の状況でこれらの阻害要因がすぐに解消されることは考えづらいですが、 だからといって何もしないでいると、いずれ業務が立ち行かなくなる危険があります。

そこで、現場レベルの活動として、今、考えれられる打ち手の一つが、 業務のシンプル化、標準化への取組みではないかと思っています。それは、

  • 1. 人が増えないなら業務を効率化して対応余力を作る必要がある。
  • 2. 業務の複雑化、属人化がスキル移転を難しくし、人材育成を妨げている。
  • 3. 業務要件の肥大化やローカルルールの乱立がシステムコストを増大させ、新たなシステム投資に踏みきりづらくなっている。

といった実情があるからです。

具体的なアプローチとして、以下のような取組みステップが考えられます。

  • 1. 現状業務の棚卸しをおこない、取組み優先順位をつける。
  • 2. 現在の業務内容の把握をおこない、属人化やブラックボックス化している部分があれば、その中身を明らかにする。
  • 3. 各業務処理や帳票等について、誰が、何のために必要なのかといった意味づけを問い直す。
  • 4. 上記の結果にもとづき、必要な作業と無くせる作業を選別する。
  • 5. 新たな業務要件や改善事項をふまえ、業務の標準形を定義する。

4.の無くせる作業の例として、例えばシステム内でデータの整合性が担保されているので不要になっているはずの確認作業が、過去からの慣習で残っているような場合があります。また、担当者が相当な時間をかけて作成している集計資料が、実は後続のプロセスでは殆ど使われていないという場合もあります。

このような整理が出来ていると、いざ、システム構築をおこなう際の対応が容易になるだけでなく、標準業務を前提としたスリムなシステム導入をおこなうことで、導入後の運用、保守、更新や将来的な横展開まで含めたシステムトータルコストの低減につながることも期待できます。

ただし、最初はあくまで現場レベルでの取組みですから、全ての業務領域に対して一度に手をつけようとすると、活動自体が破綻する可能性があります。まずは改善効果がもっとも高いと見込まれる業務から取り組むこと、そして、無理のない範囲で継続的に取組んでいくことがポイントです。

また、業務を整理していく際、最終的に誰がジャッジするのかをあらかじめ決めておくことも重要です。ここが曖昧になっていると、検討メンバー同士が遠慮しあって、結局、現状に流されてしまうということが起こってきます。

更に、将来、再度見直しをかけるときに備え、各業務処理や帳票等の意味づけを可能な限り明文化しておくことも有用でしょう。今いるメンバーが異動や退職などでいなくなった時に、せっかく検討した結果がブラックボックス化してしまうことを避けるためです。 

◇ 担当:藤原啓之( ISIDコンサルタント / IFRS Certificate )

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 連結決算担当者にとっての「連単分離」  〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

連結決算担当者にとっての「連単分離」

最近の金融庁企業会計審議会の議事録や、企業会計基準委員会(ASBJ)の審議内容から判断すると、どうやら「連単分離」になる可能性が非常に高まっていると感じます。

例えば、2012年3月12日に発行された『週刊経営財務(No.3056)』に、包括利益に関するASBJでの審議内容が掲載されています。

その主な内容は以下の2点です。

   (1)包括利益について、個別財務諸表の本表で任意でも表示することを認めない方向性
   (2)包括利益について、個別財務諸表の注記でも求めない方向性

このような「連単分離」は、連結決算業務の観点から見ると、どのような問題があるでしょうか。

まず、子会社や親会社の単体決算担当者は、個別ベースの会計基準に準拠した個別財務諸表を作成することに加えて、以下のどちらかの作業が必要になります。

   (1)「連結ベースの会計基準に準拠した個別財務諸表」も作成する。
   (2)「親会社連結担当者が個別ベースの会計基準に準拠した個別財務諸表を連結ベースの会計基準に準拠した個別財務諸表に
        作りかえるための情報」も作成する。

上記(1)と(2)のどちらで対応する企業が多くなるでしょうか?

私は(2)での対応の方が多くなるように思います。
その根拠は、子会社や親会社の単体決算担当者にとっては、連結ベースの会計基準で個別財務諸表を作成する、制度上の義務がないからです。
親会社からのトップダウンでの依頼がスムーズに浸透する連結企業グループでは、制度上の義務がなくても、(1)での対応をしてもらえるでしょう。
しかし、なかなか依頼を聞き入れてくれない子会社が多い連結企業グループでは、制度上の義務がないのに、依頼したところで対応してもらえないことが多いのです。

実は、2000年の会計ビッグバンの際に、日本の会計制度に「税効果会計」「時価会計」「退職給付会計」などがほぼ同時期に導入されたときに、子会社ではこれらの会計基準には十分対応できないので、親会社連結担当者の負担が 激増するのではないかと心配しました。

しかし、意外なことに、子会社で「税効果会計」「時価会計」「退職給付会計」に準拠した個別財務諸表を作成できたケースがほとんどでした。

いろいろ聞いてみると、その原因は、「税効果会計」「時価会計」「退職給付会計」などの会計基準が、「個別財務諸表を作成する上でも要求されるものだったから」という理由が最も大きいものでした。

「そもそも“制度上”御社で必要な作業なんです」という「錦の御旗」があったと言えるでしょう。

しかし、これから迎える「連単分離」の会計制度には、この「錦の御旗」がないのです。

そうなると、包括利益のみならず、今後予想される「開発費の資産計上」「のれんの非償却」「退職給付会計における未認識項目の負債計上」、 さらには「収益認識」「リース」などについて、単体ベースと連結ベースで、別々の取扱いになるようであれば、連結担当者の負担がかなり増える可能性が高くなるのではないでしょうか。

今後は、ASBJの各審議項目の進展に注意しながら、子会社の個別財務諸表には 反映されないことを想定して、連結決算業務の効率化や収集方法のあり方など について対策を検討し、十分な準備をしておくことが望まれます。

さらに、連結担当者であっても、個別ベースの会計基準の内容や取扱いにも 精通する必要があることにも注意することが望まれます。

なお、上記は、日本の会計基準に関するものであり、IFRSに関連するものではありません。

したがって、今後IFRSの任意適用を検討したり、強制適用の対象会社に該当す ることとなる場合には、さらに複雑かつ難易度の高い問題になることも留意す べきと思います。
公認会計士 中田清穂氏のホームページ
http://www.knowledge-nw.co.jp/

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