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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜IFRSプロジェクト、やめるか続けるか〜

既に大きなニュースとなっていますが、金融相がIFRS適用に関するコメントを公表しました。
大きなポイントとしては以下が挙げられます。

 

  • 1)2015年3月期の強制適用はない
  • 2)強制適用の決定から5-7年程度の準備期間を設ける
  • 3)米国基準の使用期限は撤廃する

 

 

 

 


個人的に気になっているのは、米国基準適用企業にとっては積極的にIFRSを導入するインセンティブは一層働きにくい状況になったということです。

最近のIASBとFASBとの協議が難航している状況を見ると、本当に今後IFRSに一本化できるのだろうかという疑問の声もあり、米国基準適用企業がIFRSに移行しないのであれば日本としてIFRSに移行するスピード感はだいぶ遅くなるのではないかと感じています。

さて、現状IFRS対応のプロジェクトを進めている会社では2015年3月期をター ゲットとしているケースが多いと考えられますのが、今回のことで大なり小な り計画の見直しが必要になります。

その場合、どのようなアプローチが考えられるのか、いくつか例を示してみたいと思います。

 

 

  • 【継続案】
→任意適用を選択し、現状の計画に基づきプロジェクトを進める

ほぼ現状の計画通りで継続するのであれば、任意適用を選択することが必要になると考えられます。

準備だけは2015年3月期に向けて進めておき、開示するかどうかは決めない、というのでは仮に強制適用時期が2018年3月期となった場合には3年も並行期間が延長されることとなり負荷が大きいためです。

遅かれ早かれIFRSになるのだから今のうちにやっておいた方が良いと考える会社にとっては、今までの成果を最大限に活用する意味でも有効なアプローチと言えます。

 

 

  • 【中断案】
→一旦プロジェクトを中断し、強制適用の判断を待って再開する

あくまでも強制適用に合わせるということであれば、強制適用決定後でも十分な期間が確保されるということですので決定まで待つことになります。

基準や状況は日々変化しますので、今までの検討結果が再開の時にそのまま使えないと考え、一旦「捨てる」という覚悟を持つことが必要になります。

 

 

  • 【折衷案 その1】
→経営および業務改善的な(IFRSに直接関係しない)取り組みを継続する

今までのIFRSプロジェクトの取り組みの中で再認識された経営管理上の課題や業務改善テーマ等もあると思います。

例えば、
IFRSベースの決算プロセスを構築しなければならないが、その前に今のプロセスを効率化・スリム化しないととてもIFRS対応を行えないことが分かった、あるいはIFRS対応を検討していく中でなぜこの業務をやらなければならないのか理由がはっきりしないものがあった、ということは各社にあると思います。

そういった部分に着目し、IFRS対応には直接関係ないが、今できることは今のうちにやっておくという考え方は有効と考えられます。



  • 【折衷案 その2】
→IFRS対応としてやるべき作業をじっくり時間をかけて行う

一口にグループ会計方針書を作るといっても、特に兼務体制の場合は一時期に集中して作成することは困難なため、現状かなり無理なスケジューリングでプロジェクトを進めている例も多いと思います。

そこで、ターゲット時期を後ろに倒して、期間に余裕をもって取り組むという考え方はあると思います。

但し、基準や動向は日々変わりますので、時間をかけて対応するという場合は継続的にキャッチアップすることの負荷(オーバーヘッド)も考慮する必要があり、単純に期間が長くなったからといって今の負荷をそのまま期間配分できるとは考えない方が良いと思います。


担当:桑原正博( ISIDコンサルタント )



<関連情報>

実録!!IFRS Q&A 公認会計士 中田清穂
〜コンポーネント・アカウンティング(続)〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは、私の著書である『わかった気になるIFRS』の巻末に紹介している『IFRS質問箱』に実際に投稿された質問とその回答を中心に、このメルマガ読者の皆さんからいただいた疑問点や、ISIDのコンサルタントがお客様からいただいたご質問なども交えてご紹介しています。

学習レベルにはバラツキがあり、いろんな部署の方からのご質問があります。これまでみなさんが持たれた疑問と比べることも、意味があるはずです。
また、これまでどこにも公表されていない貴重なQ&Aですので、どうぞご期待ください。

今回は、前回掲載したコンポーネント・アカウンティングについて読者からいただいたご質問を取り上げます。

ご質問

コンポーネント・アカウンティング(続)

私共の会社はゼネコンという仕事柄、建物に関しては通常より深く考えています。建物に関して言えば、物理的には例えば鉄筋造だと60年くらい耐用しますが、その間に、エレベーターを新しくするとか空調を取り換えるなど、設備関係の更新をおこないます。同じように、内装関係も20〜30年毎にやりかえる(改装する)ことが常です。

「建物」単位で減価償却しますと、これらの「内装」も「構造体」と同じ単位で償却することとなってしまうのですが、「構造体」と「内装」を同じくくり(単位)で償却しても構わないのでしょうか?(税法ではそうなっています)

個人的には、税法で機械装置関係が細かく分かれているのと同程度にするものと考えると、通常の事務所ビルは税法の考え方も加味して「構造体」「内装」「設備」「構築物」の4つ、または現実的な改装(部分除却や認識の中止)も視野に入れると「構造体」「外装」「防水」「窓ドア建具」「内装」「設備」「構築物」の7つ程度に分けておくことが必要ではないかという印象を持っているのですが、細かく考えすぎでしょうか?

回答

IAS第16号第13項に、まさしく「建物の内壁」が例としてあげられています。
また、「航空機」の「室内装飾」もあげられています。そして、これら「取替えのために」取得されるものは、取替費用の発生時に有形固定資産の帳簿価額に認識し、取替えられた"構成部分"の帳簿価額は、認識を中止し、未償却残高を全額費用処理することを求めています。

第43項以降のコンポーネント・アカウンティングの規定は、この"構成部分"の区分を受けていると考えられますので、同一の建物内で取替えられる室内装飾や内壁などは、建物本体とは別個の構成要素として取り扱って、個別に減価償却をすることになるでしょう。したがって、御社で、構成要素をいくつにするか(4つなのか7つなのか)は原則的には、減価償却方法や耐用年数が異なるものごとに、すべて区分する必要があることになります。ただし実務的には、重要性がない構成要素まで区分して処理を行うベネフィットが誰にもありませんから、以下の手続きで決定するのが良いと思います。

(1)御社の営業部門やメンテナンス部門が利用している内規やマニュアルなどで建物の内装や装飾などについて、取替えの目安となるものを明示している文書があるかどうかを調査し、確認する。

(2)(1)の文書があれば、その文書に記載されている区分を参考にして、実際の取替期間を分類し、集計する。なければ、現場部門に実態を把握できそうな情報を提供してもらい、実際の取替期間を分類し、集計する。

(3)集計の結果、重要性があるものだけを、別個に管理する"構成部分"とする。


公認会計士 中田清穂氏のホームページ
http://www.knowledge-nw.co.jp/

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』事務局

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