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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜IFRSの今後の改訂スケジュール〜

IFRSの今後の改訂スケジュールについて、3/28付で発表された最新のプロジェクト計画表では、当初は本年6月までに完了予定としていた4つの重要プロジェクト(金融商品、リース、収益認識、保険契約)について、審議会での決定と投票は6月中に済ませるが基準公表は本年下半期になるとのアナウンスがされていました。

これについて、6月中に投票まで済ませるのだから7月には改訂基準が公表されるものと予想していたのですが、IASB議長のディビッド・トゥイーディー氏は最近の対談のなかで、プロジェクト計画表を更に2、3ヶ月延長する旨の発言をされているようです。

ちなみに3/28付のプロジェクト計画表でアナウンスされているスケジュールは以下の通りです。

・2011年4月に公表予定

  • 連結
     IAS27号の置き換え、非連結企業に関する開示
  • 財務諸表の表示(OCIの表示)
  • ジョイントベンチャー
  • 退職後給付
  • 公正価値測定

・2011年後半に公表予定
  • 金融商品
     減損、ヘッジ会計、資産と負債の相殺
  • リース
  • 収益認識
  • 保険契約

・未定(2011年6月以降に検討再開)
  • 財務諸表の表示
    IAS1号およびIAS7号の置き換え
  • 資本の特徴を有する金融商品
  • 排出権取引
  • 非金融負債
  • 法人所得税

仮に前述の4プロジェクトの公表が2011年末まで遅れた場合、当該プロジェクトだけでなく、2011年6月以降に検討再開予定とされているその後のプロジェクトも更に延期となることが予想されるため、各企業が現在進めているIFRS検討作業への影響が大きくなる可能性があります。近日中にIASBから新たな進捗レポートが発表されるようなので、その内容に注意したいと思います。


※追記 本メルマガ配信直前にIASBが新たなプロジェクト計画表を発表したとの情報が入りました。それによると、連結、財務諸表の表示(OCIの表示)、ジョイントベンチャー、退職後給付は5月に基準公表、金融商品は2011年Q3(7-9月)、リース、収益認識、保険契約は2011年Q4(10-12月)をターゲットに基準公表する予定になっています。懸念したように、その後のプロジェクトについては2011年後半までは検討作業に戻れないであろうと記されています。

IASB プロジェクト計画表
http://www.ifrs.org/Current+Projects/IASB+Projects/IASB+Work+Plan.htm

担当:藤原啓之( ISIDコンサルタント / IFRS Certificate )



<関連情報>

実録!!IFRS Q&A 公認会計士 中田清穂
〜マネジメントアプローチによる開示の注意点(続)〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは、私の著書である『わかった気になるIFRS』の巻末に紹介している『IFRS質問箱』に実際に投稿された質問とその回答を中心に、このメルマガ読者の皆さんからいただいた疑問点や、ISIDのコンサルタントがお客様からいただいたご質問なども交えてご紹介しています。

学習レベルにはバラツキがあり、いろんな部署の方からのご質問があります。これまでみなさんが持たれた疑問と比べることも、意味があるはずです。
また、これまでどこにも公表されていない貴重なQ&Aですので、どうぞご期待ください。

今回は、マネジメントアプローチによる開示の注意点(続)について取り上げます。

ご質問

マネジメントアプローチによる開示の注意点(続)

マネジメントアプローチでの開示がおこなわれると、投資家は経営者の采配の良し悪しを評価しやすくなると思われますが、正しく評価してもらうためには企業側としてどのようなことに気をつけて注記を作成すればよいでしょうか。

回答

ビジネスは不確実性を伴うものです。だからこそ、財務報告の作成にあたっては見積りを伴う部分が発生することが避けられないのです。財政状態計算書(貸借対照表)や包括利益計算書(損益計算書)などの各勘定科目で表示されている金額には、多くの見積もりが含まれています。したがって、IFRSでは、この見積もりをどのようにして行ったのかを開示する必要があり、その項目数が膨大なのです。

以上は、会計的な観点からの解説ですが、これを経営的な観点から説明すると以下のようになります。

ビジネスは不確実性を伴うものです。不確実性には、リスクもあればチャンスもあります。経営者は、自分の会社(グループ)がどのようなリスクにさらされていて、どのようなチャンスを目前にしているかをきちんと把握して評価する必要があります。そして、リスクを回避して、チャンスをものにできるように経営者として判断し、指示していく必要があります。それが利益の獲得につながり、キャッシュを増やす能力を高めることになるのです。

経営者がどのようなリスクやチャンスが、どのくらいあるか、これを表現したものが、財政状態計算書(貸借対照表)の資産や負債です。そして、実際にリスクを回避してチャンスをものにした結果が、包括利益計算書(損益計算書)に表現されるのです。ただ、財政状態計算書(貸借対照表)や包括利益計算書(損益計算書)は経営者の判断や活動の結果を表現しますが、その判断や活動の内容までを知るだけの情報がありません。それを補うのが注記情報です。

したがって、注記情報は、ただの追加的な情報だという意識を捨てて、財政状態計算書(貸借対照表)や包括利益計算書(損益計算書)などの基本財務諸表と注記情報を合わせて一人前の情報なのだという意識を持つことが重要です。
そうしないと、経営者が真剣にリスクとチャンスに向き合っているということが、正しく評価してもらえなくなるでしょう。

経営者が真剣にリスクとチャンスに向き合っているということをうまく表現することが、今後の注記情報作成実務においては重要なポイントになると思います。


公認会計士 中田清穂氏のホームページ
http://www.knowledge-nw.co.jp/

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』事務局

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