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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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このたびの東日本大震災でお亡くなりになられた多くの方々に衷心よりお悔み申し上げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と、被災地の一日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。

ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。 すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 スパイラルアプローチのすすめ 〜

今回はプロジェクトの進め方についてお話したいと思います。

ちょっと話はそれますが、システム開発の方法論として代表的なものに、「スパイラルモデル」というものと「ウォーターフォールモデル」というものがあります。

前者のスパイラルモデルは要求仕様が完全には決まらない状態でプロトタイプ(試作品)を作成し、それを評価・改善し、次のプロトタイプを作るということを繰り返して、スパイラル(らせん)的に完成させていくアプローチです。都度プロトタイプを作成しますので、相応の負荷がかかりますし、結果的には無駄な部分も生じる傾向があるようですが、不確定要素の大きいシステム開発案件には向いているとされています。
後者のウォーターフォールモデルは要件定義、開発、テストといった工程を水が流れるように順次進めていくアプローチで、直線的にゴールを目指しますので仕様が明確な場合は高い効率性が期待できますが、反面仕様変更等により手戻りが生じた場合のリカバリーは大変です。

IFRSプロジェクトに当てはめた場合どちらのアプローチが適切でしょうか。

1〜2年で短期集中的にIFRSの任意適用による開示を目指すという場合は、ウォーターフォール的なアプローチが適しているかもしれません。

一方で、強制適用に合わせるというスタンスの企業の場合、現状は基準や適用時期も明確でなく、不確定要素が非常に大きいという状況を考えると、ウォーターフォール的に進めることは困難と考えられます。

そのような企業にはスパイラルモデルに準じたアプローチ、すなわちIFRS財務諸表を一つの成果物と見立て、この試作を繰り返すことで最終的には開示に耐えうるIFRS財務諸表を作成できる態勢を整えるという進め方を「スパイラルアプローチ」としてお奨めしています。

「スパイラルアプローチ」を採用する場合、途中段階のゴールイメージ、いわばマイルストーンをどう設定するかが重要になってきます。マイルストーンの設定方法としては、関与部門や会社に着目した方法が考えられます。

まず手始めにプロフォーマFSと呼ばれる試算ベースのIFRS財務諸表をプロジェクトメンバーで作成し、その次に経理担当者を交えてより精度の高いものを作成し、最終的には関連業務部門、グループ会社も含めていくという具合です。グループ会社を、国内、海外等のいくつかに分類することも有効です。

またこれ以外にも、基準の変更が予定されていない安定的な基準から順次対応するといった、基準に着目したマイルストーンの設定もあると思います。

様々な切り口を組み合わせて自社に合った中間ゴールを設定しておくと、ブレを少なく最終的なゴールに向かっていけるのではないでしょうか。

担当:桑原正博( ISIDコンサルタント )



<関連情報>

実録!!IFRS Q&A 公認会計士 中田清穂
〜 マネジメントアプローチによる開示の注意点 〜 

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは、私の著書である『わかった気になるIFRS』の巻末に紹介している『IFRS質問箱』に実際に投稿された質問とその回答を中心に、このメルマガ読者の皆さんからいただいた疑問点や、ISIDのコンサルタントがお客様からいただいたご質問なども交えてご紹介しています。

学習レベルにはバラツキがあり、いろんな部署の方からのご質問があります。これまでみなさんが持たれた疑問と比べることも、意味があるはずです。また、これまでどこにも公表されていない貴重なQ&Aですので、どうぞご期待ください。

今回はマネジメントアプローチによる開示の注意点について取り上げます。

ご質問

マネジメントアプローチによる開示の注意点

IFRSでは注記情報などで、経営者がどのような情報に基づいてどのような意思決定をしたかというマネジメントアプローチでの開示が多く求められると聞いています。

そうなると管理会計の内容が外に出てしまうことで同業他社にリサーチされてしまい、競争上、不利になってしまうことはないかという懸念がありますが、これについて何かアドバイスはありますでしょうか。

回答

財務諸表利用者の意思決定に役立つように、事実をきちんと開示することは、IFRSの概念フレームワークにおける基本的な質的特性です。そのような質的特性を満たすことと、企業機密の漏えいを防ぐことはトレードオフの関係にあります。

ここで重要なことは、企業機密が同業他社にリサーチされて、かえって企業の利益を損なうことは、財務諸表利用者の意図にもそぐわない場合があるということです。これは、コストとベネフィットの関係として、概念フレームワークで議論されている課題です。財務諸表を作成・開示する場合のコストとその開示から得られるベネフィットを比べた時に、ベネフィットの方が大きくないと意味がないのです。
したがって、企業機密の漏えいから発生する損害と、その開示によって財務諸表利用者の意思決定に及ぼす影響を比較して、対応を決定するという高度な判断が必要になります。その結果、企業機密の漏えいから発生する損害の方が大きいという理論武装ができれば、開示を回避することを会計監査人等に主張できると思います。

ただ、財務諸表に開示しなくても、いずれわかってしまうものは積極的に開示してしまうという対応方法も検討する価値はあるでしょう。また、IFRSをすでに適用しているEU企業の開示例を参考にして検討していくという対応方法も有効だと思います。


公認会計士 中田清穂氏のホームページ
http://www.knowledge-nw.co.jp/

イベント・セミナーのご案内 



==【 イベント出展のご案内 】==========================================
 「クラウド コンピューティング EXPO 春」に出展を予定しています。
 http://www.cloud-japan.jp/ja/
 ■会期:5月11日(水)〜13日(金)
 ■会場:東京ビックサイト
 ■主催:リード エグジビション ジャパン株式会社

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このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
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いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』事務局

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