トヨタ自動車北海道株式会社様

業務ごとの個別システムを「POSITIVE」で統合し、
現場管理者と人事部門の運用管理にかかる工数の大幅削減に成功

トヨタ自動車北海道株式会社(以下、トヨタ自動車北海道)様は、トヨタ自動車の「北の戦略拠点」として、自社で製造した部品を国内工場をはじめ、北米、中国、東南アジア、オーストラリア、南アフリカなどへ供給しています。また、トヨタグループの成長に伴って事業を拡大し、設立から20年のうちに従業員数は3,000人を超えました。

同社では人事管理業務の運用負荷の増大に伴い、人事系基幹システムの刷新を検討。複数のパッケージシステムを比較検討の末、「POSITIVE」を採用しました。

業種 自動車部品メーカー
導入パッケージ POSITIVE (統合HCMソリューション)
導入パートナー 鈴与シンワート株式会社 別ウィンドウで開きます

導入背景

業務ごとの個別システムにより、運用の負荷が増えていた

トヨタ自動車北海道様では、これまで人事・給与は中堅企業向けのパッケージソフト、就業管理は自社用に開発したシステムと、各業務を別々のシステムで運用していましたが、その連携機能は芳しいものではありませんでした。そのため、複数のシステムに人事情報を登録せねばならず、運用の負荷が増えていた、と総務部人事課 給与・厚生係の横山偉司氏は話します。

ほかにも、パッケージソフトの基本機能が少なく、会社の成長に合わせてアドオン(個別開発)を多数開発していたため、法制度や人事制度の変更があるたびにシステム改修が必要になっていました。また、自社用に開発した就業管理システムは入力内容のチェック機能が少なく、結果として人事部門が1件ずつチェック・手直しを行っていました。11万件の勤怠データを約8人でチェックしていたため、毎月160時間以上の作業工数がかかっていたのです。

こうした問題に加え、別々のシステムに人事情報が分散していたため、必要な情報を簡単に抽出できない、という問題も抱えていました。そこで、これらの問題を解決し、現場や人事部門の生産性を向上させるため、人事システムの刷新を検討することにしたのです。

トヨタ自動車北海道株式会社
総務部人事課
給与・厚生係
横山偉司氏

選定のポイント

製品の機能・拡張性、ベンダーの業務理解度などから総合的に選定

現場管理者および人事担当者の生産性向上を目的にシステム更改の検討を開始。重複していた入力業務を廃止するため、人事・給与・就業のシステムを統合すること。システム・バージョンアップなどの際に、利用端末へのモジュール配信・管理にかかる工数を減らすため、全機能をWeb対応にすること。紙ベースでの申請・承認作業を電子化し、誤申請の防止やチェック工数を削減するための仕組みを構築することなどを要件とし、さまざまな統合人事システムを比較検討したというトヨタ自動車北海道様。選定時に評価したポイントについて横山氏は次のように振り返ります。

当社の業務要件をちょうどいい形で実現できるか、システムに不慣れな方も少なくない現場ユーザーの使い勝手を向上させるため高い拡張性を持っているか、10年間の運用も含めて総額コストが妥当であるかという視点でシステムを比較しました。また、ベンダーについてはスケジュールも含めて主導的にシステムを導入してもらえるか、人事業務に対して理解度が高いかを中心に検討しました。その結果、総合評価が最も高かった電通国際情報サービスの『POSITIVE』を選定したのです。

稼働までのプロセス

ベンダー主導により、スケジュールの遅れなくプロジェクトが進行

トヨタ自動車北海道様は、新統合人事システムの導入プロジェクトとして2010年11月に開始、2012年12月に本稼働という、約2年間のスケジュールを設定しました。ちょうどこの時期に職能資格や賃金カーブの見直しといった人事・賃金制度の抜本的な見直しを迫られていたため、プロジェクトのスケジュールをあえて長期間に設定したそうです。

制度改定と同時並行でシステム導入プロジェクトを進める必要があったので、難しいマネジメントだったと感じています。しかし、ベンダーの主導によるプロジェクトマネジメントにより、スケジュール通りに本稼働させることができました。

新制度の概要が決定するのを待つ間に、Fit&Gap分析や現行業務分析を実施して、「POSITIVE」の標準機能で実現できる業務とアドオンが必要な業務を切り分けました。さらに、新制度の内容を加味しながら、システムの要件を検討。その後、苫小牧で実施した総合的なテストを経て、無事に本稼働を迎えることができました。

導入システムイメージ

現場ユーザーが使いやすく、生産性・品質が向上する仕組みを実現

人事、給与、就業の統合システムを「POSITIVE」の標準機能で実現。現場のユーザーが入力する機会が多い勤怠情報の入力画面に関しては、長年慣れ親しんだ画面デザインの継承や、入力時に品質を確保するための仕組みを数多く導入するため、アドオンにしました。視覚的に情報が判断でき、できるだけ入力ミスを抑制するインターフェースにすることにより、現場のユーザーが使いやすくて、かつ生産性・品質が向上する仕組みを実現できました。

導入後の効果

毎月160時間のチェック工数削減など、さまざまな運用工数を大幅に削減

現場では、ミスが視覚的に判断できるなど、現場ユーザーの使いやすさを意識したシステム構築により、勤怠情報の入力時間が削減できました。また、現住所や通勤等の各種申請・承認作業の電子化により処理スピードが向上しただけではなく、業務進捗の見える化や申請ナビゲーション機能による申請漏れ削減が実現。ほかにも、有期雇用契約者の更新業務効率化などの効果が出ています。

人事部門としても、人事情報を重複して登録することがなくなりましたし、勤怠情報のチェックや手直しといった業務が削減でき、これまで160時間かかっていた業務がほぼなくなりました。給与計算についても、これまでのシステムは処理速度が遅く、1回の計算処理で約1時間の待ち時間が発生していましたが、今では5分程度に短縮できています。

ほかにも、人事・給与・就業情報の検索や抽出が簡略化できたことなど、運用管理にかかる工数が大幅に削減できたことにより、人事部門の体制についても省人化を実現できました。

今後の展開

蓄積した人事情報を、採用や人材育成など戦略的に活用していきたい

トヨタ自動車北海道様では、まず現在の「POSITIVE」を「今後さらに良いシステムに改善していく」ことを念頭に、人事部門全体でシステムの理解度を高めていくことを進めています。また、昇格管理に関する事務処理の効率化も考えているそうです。

今回、さまざまな人事情報を簡単に抽出できるようになりましたので、今後は蓄積した情報を色々な角度で分析し、どのような採用をしていくのが有効なのか、どのような人材育成が我々の成長につながるのかなどを考えるうえで、戦略的に活用していきたいと思います。

2013年8月 掲載

トヨタ自動車北海道株式会社

トヨタ自動車北海道様は、トヨタ自動車100%出資の自動車部品メーカーで、主にオートマチックトランスミッション、CVT(無段変速機)、トランスファー、ハイブリッド・トランスアクスルといった駆動系ユニットなどを製造しています。年々生産拡大を続けていて、従業員数・売上高ともに北海道内最大規模のメーカーへと成長しました。

  • 商号
    トヨタ自動車北海道株式会社
  • 本社
    北海道苫小牧市字勇払145-1
  • 設立
    1991(平成3)年2月8日
  • 資本金
    275億円
  • 従業員数
    3,347名(2013年4月1日時点)
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