KYB株式会社様

「POSITIVE」導入で、グループ人財最適活用の情報基盤を構築。
同時に、約10,000時間の工数削減に成功

KYB株式会社(旧社名:カヤバ工業株式会社、以下KYB)様は、2015年に創立80周年を迎えた、国内最大規模の独立系の総合油圧機器メーカーです。四輪車・二輪車・建設機械・航空機・鉄道などの幅広い分野でビジネスを展開。国内にある31拠点のほか、海外にも欧米・東南アジア・中国に53カ所の拠点を保有しており、BRICsやVISTAも視野に入れたグローバルビジネスを行っています。

同社ではホストコンピューターの廃止を機に人事システムの刷新を検討。グローバルで多様な人財を活用するための情報基盤として、「POSITIVE」を採用しました。

業種 総合油圧機器メーカー
導入パッケージ POSITIVE on CLOUDiS(クラウド型統合HCMソリューション)

導入背景

国内外に展開するKYBグループ、人財情報の把握が困難だった

KYB様では、これまで給与計算などの業務に使用していたホストコンピューターの廃止が決まり、早期にほかの手段に移行せざるを得ない状況になりました。また、グループ各社がそれぞれ個別の人事システムを使用していたため、グループ全体の人財把握ができていない状態でした。

こうした背景から、人事本部は新たな人事システムを構築し、「グループ人財管理の強化」を実現することが求められました。併せて、システムのクラウド化・Web化を含む「業務効率化によるコスト削減」、独自開発やIT専門要員を必要としないシステムを導入し、「システムの運用効率や保守性の向上」を実現させるなどの課題解決を迫られた、と人事本部次長の堀部幸泰氏は話します。

KYB株式会社
人事本部 次長
堀部幸泰氏

私たちは、人事システム再構築の目的を、最終的に『ホストコンピューターからの脱却』、『給与計算業務の工数を削減し、人事企画業務にシフト』、『グループ人財情報を見える化し、人財最適活用のための情報基盤を構築』という3つに整理。従来業務だけではなく、戦略的課題を達成できる、将来のビジネス展開に寄与する人事システムの構築を目指すことにしました。

選定のポイント

機能・コストだけでなく、導入時の容易さや運用効率など、総合的な判断により選定

人事システムの再構築にあたり、短期での導入が可能なパッケージシステムを検討対象としたKYB様。7社のベンダーからの提案を「導入時の工数の低さ」、「データ移行作業の容易さ」、「必要な機能の有無やアドオン要否」、「導入後の運用・保守サービス」、「IT部門の負荷軽減」などのポイントを中心に比較検討しました。結果、導入・機能・運用という点を総合的に判断し、「POSITIVE」を選定したと堀部氏は振り返ります。

選定にあたっては、実際にそのシステムを使っている会社を訪問して、実務担当者から話を伺いました。もちろんコストは重要な要素でしたが、それよりも重視したのはITの専門知識がない人事部門の担当者でも扱えることと、専任者1名と兼務者数名という導入プロジェクトの体制で、しっかりデータ移行できるシステムであること。これらのポイントを総合的に判断して『POSITIVE』の導入を決定しました。

稼働までのプロセス

13社6,800名を対象に稼働。KYBグループ全43社の人財情報一元管理に向け、活動継続中

KYB様では、本導入プロジェクトの唯一の専任者に、人事業務に精通している人事本部係長の小野妙子氏を任命。全フェーズでシステム稼働のキーマンとして活動をリードされました。

第1フェーズでは、KYB本体およびKYBと同じ人事制度を運用しているグループ企業の合計7社を対象とし、開始から15カ月後の2013年1月に稼働開始。その後の第2フェーズでは、KYBと異なる人事制度をもつ6社を対象とし、15カ月後の2014年6月に稼働しています。

スケジュール通り、本体および主なグループ企業の合計13社6,800名で「POSITIVE」が稼働したことにより、グループ各社ではシステム管理を行う必要がなくなり、KYBグループ全体で情報共有しながら制度運用を図ることができるようになりました。今後は、海外30社のマネージャー以上の基幹人財を対象とした基本情報を2015年中に、海外を含めた全グループの職務経歴情報を2016年中に追加する予定です。

KYB株式会社
人事本部 係長
小野妙子氏

導入システムイメージ

クラウドサービスの利用で専任システム要員が不要になり、人事部門での管理が可能に

今回の人事システム再構築を機に、社内にあった各種サーバーを廃止し、電通国際情報サービス(以下、ISID)が提供するクラウドサービス「POSITIVE on CLOUDiS」の利用を開始したKYB様。日常的なサーバー管理が不要になり、人事専任のシステム要員に代わって人事部門だけで管理できるようになりました。

また、従来は各データベースのテーブルレイアウトを見ながら、ACCESSで必要なテーブルを連携してデータを抽出していましたが、現在は全て「POSITIVE」上でできるようになり、各種サーバーから必要な情報を探す必要もなく、2次加工が非常に簡単になりました。ほかにも、法改正に伴うパッチ適用やシステム管理もISIDが提供するクラウドサービスの活用により、インフラ管理や運用にかかっていた負荷が軽減できました。

導入後の効果

グループ人財情報の基盤構築に加えて、年間約10,000時間、約2割の業務工数を削減

KYB様では「POSITIVE」導入によって、グループ人財情報の把握と有効活用ができるようになりました。そして、業務効率化の観点からも、人事部門として年間約10,000時間、約2割の業務工数削減という効果を得ました。これまでホストコンピューターから約300種類の紙帳票を出力していましたが、そうした帳票の出力を年末調整申告書などに限定することで、99%以上のペーパーレス化にも成功。また、約260種類の業務マニュアルを人事共有データベースで参照できるようになり、関係会社の人事担当とも共有し、業務標準化に役立てているそうです。

そのほかの大きな導入効果として、小野氏は法改正対応を挙げます。
今回の主目的ではありませんでしたが、『POSITIVE』でなくてはマイナンバー対応は実現できなかったと感じています。従業員からの申請による番号収集、暗号化した番号管理なども含め、マイナンバーのシステム改修対応は『POSITIVE』の保守で対応していただく予定です。また、マイナンバーの運用に際してはさまざまな法的要件がありますが、国内のグループ各社全てが『POSITIVE』を導入していますので、グループ共同で運用整備を進めることができます。このように、コンプライアンス管理の面でも効果を発揮することを期待しています。

今後の展開

「多様な人財を活かしたグループ力の最大化」に貢献する情報基盤としてさらなる発展へ

KYB様では、今後海外を含めたシステム展開を進めていく予定です。すでに2015年度から、全グループ会社の共通管理項目を定め、海外にいる基幹人財の基本情報のデータ収集を始めています。現時点で約87%の取り込みが完了し、今後は半期ごとにデータのアップデートを予定しています。さらに、国内外の全グループ会社を対象に職務経歴情報の追加を進めています。まずはKYB本社の幹部および間接従業員を対象とし、現時点で約93%の登録が完了。今後は、国内・海外グループ会社にも同様に展開していく予定です。

最後に小野氏は、「POSITIVE」の活用により目指す姿を次のように表現します。
人事ミッションである『多様な人財を活かしたグループ力の最大化』につなげていくよう、人事部門だけではなく、従業員・マネージャー・経営層などが、それぞれ人事システムを有効活用できるように引き続き活動を進めていきたいと考えています。

2015年10月 掲載

KYB株式会社

KYB様は、油圧技術を核として幅広い分野に製品や技術を提供しています。特に自動車が路面から受ける衝撃の振動を吸収するショックアブソーバは、世界トップクラスのシェアを誇ります。

  • 商号
    KYB株式会社
  • 本社
    東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル
  • 創立
    1935(昭和10)年3月10日
  • 資本金
    276億4,760万円(2015年3月31日現在)
  • 従業員数
    13,732名(2014年度・連結)
  • URL
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