ISID、マイクロサービス開発基盤「M5」を発表

  • プレスリリース

株式会社電通国際情報サービス

株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、代表取締役社長:名和 亮一、以下ISID)は、かねてより進めてきたマイクロサービス開発基盤「M5(エム・ファイブ)」の構築を完了し、自社アプリケーションへ適用を開始しましたのでお知らせします。

「M5」製品ロゴ

「M5」は、オープンソースソフトウエア(OSS)を用いたクラウドネイティブなマイクロサービス開発基盤です。マイクロサービス導入時に必要となる、フレームワーク(コンテナ※1化可能なJavaライブラリ群)、DevOps※2設計、IaC※3、SPA※4等が利用可能な開発環境と、ユーザー管理、権限管理、ワークフロー、認証認可等のシステム構築に必要なアプリケーション共通機能を標準装備しています。

ISIDは、今後新たに開発するアプリケーションに「M5」を適用していくとともに、エンタープライズシステムのモダナイゼーションを望む顧客企業向けに「M5」を活用したマイクロサービス導入支援を行っていく方針です。

なお、「M5」を適用したアプリケーションの第一弾として、コモディティ取引・リスク管理システム「GNX」を開発し、本日発表しました。

「GNX」に関する報道発表資料はこちら(2022年4月14日発表)

背景

システムの複雑化・大規模化やクラウドの利用拡大が急速に進む中、アプリケーション・アーキテクチャと開発アプローチが大きく変わろうとしています。従来は、複数機能を単一モジュールとして提供するモノリシック(一枚岩)アーキテクチャが主流でしたが、目まぐるしく変化するビジネス要求へ迅速に対応することが難しくなってきており、柔軟性・拡張性の高いアーキテクチャが求められています。
この流れを受け、近年新たに登場した開発アプローチがマイクロサービスです。マイクロサービスは、1つのアプリケーションを独立した複数のサービスで構成するアーキテクチャであり、機能追加やサービス改修が容易で拡張性に優れるとともに、障害発生時のリスクを最小限に抑えることが可能です。しかしながら、その導入においては、アーキテクチャ設計の難易度が高いことに加え、複数のサービスを連携して動かすためのAPIやOSS、コンテナ等の幅広い知識が必要となり導入の障壁となっています。
ISIDは、これらの課題を解決するため、マイクロサービスに関する技術研究とともに実用化可能な開発基盤「M5」の構築に取り組んできました。そしてこのたび、自社アプリケーションへ初適用が完了したことを機に、発表するに至りました。

マイクロサービス開発基盤「M5」の特徴

  • (1)
    マイクロサービス導入に必要な開発環境をワンストップで提供
    各種OSSをはじめとした先端技術を多用し、マイクロサービス導入時に必要となるフレームワーク、コンテナ、DevOps設計、IaC、SPA等が利用可能な開発環境を提供します。アプリケーションレイヤーからインフラレイヤーまで必要とされる技術をワンストップで提供するため、アーキテクチャの検討や検証に掛かる時間を削減するとともに、パブリッククラウドおよびオンプレミス環境いずれへも迅速に導入することが可能です。また、「M5」を構成する技術は、最新のテクノロジートレンドに合わせて継続的にアップデートします。
  • (2)
    アプリケーション共通機能を標準搭載
    エンタープライズシステム構築の際に必要となるアプリケーション共通機能(ユーザー管理、権限管理、ビジネスデータ管理、ステータス管理、ワークフロー等)をAPI化し標準搭載しています。これにより、どのシステムでも必要となる共通機能の開発費用と期間の削減が可能となり、本来注力したい業務要件の設計・開発にリソースを集中させることができます。また、業務特化したシステム機能も用意しており、現時点では金融機関の市場系システム向け共通機能(マーケットレート管理、ポジション枠管理等)を備えています。
  • (3)
    画面の高速表示を可能とするモダンUI/UXを容易に構築
    ユーザーインターフェース(UI)のSPAを実現するため、JavaScriptライブラリであるReact※5のテンプレートを提供します。Reactテンプレートを活用することにより、画面遷移・更新パフォーマンスの向上が期待できるとともに、ブラウザの挙動に縛られない快適なUI/UXが容易に実現可能です。
「M5」の概要図

ISIDは、今後、変化の激しいデジタルビジネス時代に柔軟かつ迅速に対応できるシステムの実現に向けて、「M5」の継続的な機能強化および「M5」を活用したマイクロサービス導入支援を通じ、顧客企業の長期的・持続的なビジネス成長に貢献していきます。

  • ※1
    コンテナ:アプリケーションの実行環境を仮想的に構築する技術。
  • ※2
    DevOps:開発チーム(Development)と運用チーム(Operations)が協調し、迅速にシステムを届け、利用者への価値を高めるという手法、概念。
  • ※3
    IaC:Infrastructure as Codeの略。サーバー等の構築を、コードを用いて開発、管理すること。
  • ※4
    SPA:Single Page Applicationの略。操作の度にページ全体の再読み込みを行わず、ページ上の必要なコンテンツのみを更新するアーキテクチャ。
  • ※5
    React:メタ・プラットフォームズ社とコミュニティによって開発されているユーザーインターフェース構築のためのJavaScriptライブラリ。React.jsまたはReactJSの名称でも知られている。
  • 本リリースに記載された会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社電通総研
金融ソリューション事業部 市場系ソリューション1部 川口
E-mail:g-m5-inquiry@group.dentsusoken.com

本リリースに関するお問い合わせ先

株式会社電通総研
コーポレートコミュニケーション室
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