Special Contents

ISIDとFinTech

FinTech

スタートアップと一緒に
金融の未来をつくる
ISIDとFinTechの、
今までとこれから

誰もやったことのない仕事。ISIDには、会社案内に載らない、そんな仕事がたくさんあります。それは、形を残す前に終わってしまうことも多いのですが、何かをきっかけに、大きな転換期を迎えることがあります。

私たちにとっては、FinTechへの取り組みが、まさにその時期に差し掛かっているのかもしれません。FinTechは、ファイナンスとテクノロジーを組み合わせた造語。ITを使って、これまでにない全く新しいビジネスモデルの金融サービスをつくり出すスタートアップ企業や、これに関連した業界を指す言葉です。日本で急激にFinTechが注目されはじめたのは、2015年の春頃から。テレビや全国紙でも取り上げられ、やや過熱ぎみとも思えるFinTechブームが到来しています。

ISIDは、2007年から世界のFinTech動向に着目し、2012年に日本で初めてFinTechに特化したイベントを立ち上げました。いわば日本でFinTechに関わってきた企業としては“老舗”。何年もの間、さほど注目もされずにコツコツと活動してきた私たちにとって、このブームはちょっとした驚きでもありました。

ここでは、FinTech領域で私たちがこれまでやってきたこと、今まさに始めた挑戦、そしてそこに関わってきた社員たちを、少しだけご紹介します。

変革の兆しを、肌で感じるところから始まった

ISIDが2012年に初開催した「金融イノベーションビジネスカンファレンス(FIBC)」は、当時日本で唯一、“金融分野のイノベーティブ(革新的)なサービス”に特化したイベントでした。開催を決めた当初は、「日本に金融のベンチャーなんているだろうか?」と調べるところからスタート。
それが5回目となった2016年は、海外含めて21社が登壇するまでに成長しました。 お手本になったのは、2007年にニューヨークで初開催され、今や世界最大規模のFinTechイベントとなった「Finovate」。ISIDは初回から毎年参加し、世界のFinTechトレンドをウォッチし続けてきました。そもそも10年近くも前に、なぜこの領域に着目したのか?それは私たちの社風や文化につながる問いかもしれません。

“いますぐ仕事にならなくてもいいから、『次のビジネスの種』を見つけるために活動するプロジェクト”金融の事業部門で、そんなプロジェクトが立ち上がったのがこの頃でした。本来の担当業務とは別に、自ら課題やテーマを決めて仲間を募り、事業プランを描く。部門内はもちろん、部門外や社外のメンバー、時には顧客を巻き込んだ活動に発展することも。必要とあれば海外視察も敢行。自分たちの目と耳で吸収してきた欧米の先進的な取り組みへの知見は、その後いくつかの新サービスを生み出しただけではなく、日本の金融機関の方々の貴重な情報源として大いに役立ってきました。

何か新しいものへの兆しがそこにある。当時、小規模なイベントとして始まったFinovateの話を聞きつけ、日本から唯一、現地に足を運んだのもこのプロジェクトのメンバーでした。もともとFinTechは、米国でITベンチャーがテクノロジーを使って利用者のための金融サービスを作り始めた、アンチ金融機関ともいえる動きです。2008年のリーマンショック以降、金融機関からIT業界に人材が流出したこともこの動きを加速させた一因と言われています。私たちはちょうどその頃から、FinTechが欧米市場でどのように受け入れられ、成長してきたかを、肌で感じとってきました。
FIBC公式サイト http://fibc.info/

FIBC2016 登壇企業

もっと読む

閉じる

イベントの素人が「FIBC」を立ち上げた理由

今や世界のFinTech投資額は年々拡大し、欧米では大手金融機関が協業やM&Aを通じて先進的なFinTechサービスを自社に取り込んでいく、ビジネスエコシステムが形成されています。英国では官民が連携してスタートアップの起業や成長を支援する枠組ができあがっており、それが国としての金融競争力にもつながっています。こうした世界の潮流から、日本の金融業界が取り残されていく危機感。
2012年、すでに世界最大規模のFinTechイベントとなっていたFinovateが、初のアジア開催国として選んだのは、東京ではなくシンガポールでした。日本というマーケットが世界にどう評価されているのか、この事実一つをとっても如実に分かります。金融のイノベーションは世界のうねりとなり、やがて日本の市場にも大きな変化を強いることになる。それならば変化を拒むのではなく、受け入れてなお世界に伍していけるだけの、力強い市場をつくっていくしかない。そのためには、金融のスタートアップがこの日本から数多く育っていける環境づくりが不可欠・・・。それが、私たちがFIBCを立ち上げた理由に他なりません。

こんな思いから生まれたFIBCは、当初から一般の人も参加できるオープンなイベントとしてスタート。本当に興味がある人に見に来てほしいから、思いきってチケットは有料に。スタートアップのコンテスト、それも一般向けの有料イベントなんて、それまで社内で誰もやったことがない。知恵を出し合い、仲間を集め、手探りでつくってきました。少し前の記事ですが、ISIDで当時、FIBC立上げを担ったメンバーが、 金融イノベーションとFIBCについて熱く語った、こちらもぜひご覧ください!
ウエブ電通報「金融ビジネスにイノベーションを!」http://dentsu-ho.com/articles/1093

もっと読む

閉じる

日本初、FinTech産業拠点「FINOLAB」の挑戦

おかげさまでFIBCは年々規模を拡大。2015年からは審査員として錚々たるメンバーが名を連ねていますが、皆さん初開催の頃から私たちの思いに共感し、応援してきてくださった方々です。多忙にも関わらず、この日だけは何を置いても駆け付けてくれます。

登壇した企業の皆さんとは、イベント後も継続的につながりを持ちながら、ゆるやかなコミュニティを育ててきました。そして2015年から2016年にかけて、私たちは次の段階へと歩を進め、いくつかの新たな挑戦を始めています。

一つは、スタートアップへの出資と事業支援を開始したこと。 もう一つは、三菱地所・電通との協働事業として、 2016年2月に大手町に日本初のFinTech産業拠点「FINOLAB」を開設したことです。

大手町に開設された「FINOLAB」

FINOLAB公式サイトhttp://finolab.jp/
FINOLABには、多くのスタートアップや業界関係者が集う場としての機能だけではなく、スタートアップを支援する多様な分野の専門家が、彼らの相談に乗ったり、アドバイスをする仕組みがあります。

FINOLAB開設と前後して設立された、個人有志による専門家集団「FINOVATORS」のメンバーたちがその役割を担っています。金融は他の分野と違って、監督官庁からライセンスを取得しなければ事業を始められなかったり、様々な規制や基準をクリアしなければサービス展開ができないことが多く、優れた技術とアイデアがあっても、それだけでは成功につながりにくいのです。

また、決済・為替・投資など、金融の多くの領域は、グローバルでなければ成り立たない世界。だからこそ、法制度、グローバル展開、セキュリティなど、各分野に精通した専門家の助言がとても重要になります。

FINOVATORS公式サイトhttp://finovators.org/
FINOVATORSメンバーたちとのネットワークも、私たちがコツコツ積み上げてきた活動から生まれてきたもの。そして、同じ志を持つ者同士の目に見えないつながりを、より大きく、スピーディに形にしていくための“場”として生まれたのがFINOLABです。

でも、IT企業である私たちが、こうしたリアルな場をつくり運営しようと決断するには、大きな覚悟が必要でした。それは、協働してプロジェクトを進めてきた他社のメンバーにとっても同じこと。それぞれが、それぞれの立ち位置で、誰もやったことのない仕事に挑戦しなければ生まれなかった場所です。

私たちの目標は、このFINOLABから一日も早く“ユニコーン”と呼ばれる企業価値10億ドル以上のメガベンチャーを輩出すること。そしてFINOLABを、日本はもちろんアジア全域から、多様なサービスを提供する成長性の高いスタートアップが集まり、世界が一目置くような場所にしたい。その目標に向けて、ISIDの海外拠点や各国の大使館とも連携しながら、すでに様々なプログラムがものすごいスピードで計画され、展開されています。

開設から1年足らずで、FINOLABに入居するスタートアップは約40社となり、オフィスは満席稼動。2017年2月には、同じ大手町エリアで規模を拡張してリニューアルオープンします。スタートアップと一緒に仕事をする上では当たり前のこのスピード感も、従来のやり方の延長では考えられなかったこと。この先も、まだまだ道なき道を疾走する日々が続くことでしょう。

私たちは、“誰もやったことのない仕事”から生まれた会社。常に「次へ」と向かう視点と行動力こそが、私たちの存在意義であり、DNAなのかもしれません。FINOLAB立上げ・運営メンバー、伊藤千恵のインタビュー記事も、ぜひご覧ください!
ウエブ電通報「FinTech~社会を変えるそのビジネスインパクト」http://dentsu-ho.com/articles/3679
FINOLABスペシャルリポートはこちら
ISIDの 金融ソリューションについてはこちら

もっと読む

閉じる

製造業向けビジネスでの挑戦

製造業向けビジネスの特徴

モノづくりからコトづくりへ
これから起きる大きな変革に向け社会に欠かせない。

株式会社電通国際情報サービス 吉本 敦 取締役 常務執行役員

1980年京都工芸繊維大学機械工学科卒。精密機械メーカ、自動車メーカを経て1991年ISIDに入社。以来、CAD・CAM・CAE・PDMといったITのみならず、モデルベース開発などの開発プロセスそのもののコンサルティングやソリューションの提供を通じ、一貫して製造業の開発力向上に取り組んできた。2001年にiTiDコンサルティングを設立し、同社社長に就任、2008年にISID取締役に就任し、現在に至る。

Industry 4.0、Industrial Internet、スマートファクトリー・・・。ここ最近、皆さんもきっとどこかで見たり聞いたりしたことのある単語だと思う。しかし、それがモノづくりや産業界全体、社会にどのような影響を及ぼすものなのかは、まだイメージしづらいというのが本音ではないだろうか。電通国際情報サービス(ISID)は、技術やサービス、ソリューションを もって、その大きな変革をリードしていく存在だ。これまでの歩み、これからの展望と共に次代がどう変わっていくかを吉本 敦 取締役に聞いた。

モノづくりを変える革新的な取り組みは始まっている。

現在、製造業を取り巻く環境は、世界中で大きな変化を迎えつつあります。最も注目されているのは、ドイツが国家戦略として推進している「Industry 4.0」。その名が示すのは「第4次産業革命」であり、IoT(Internet of things)を軸として、生産工程のデジタル化・自動化・スマート化を高めるプロジェクトです。

工場内のセンサーや設備、あらゆる機械をインターネットで接続し、工場全体を効率的に稼働させる「スマートファクトリー」の実現が目的であり、自動車メーカーはもとより、電子機器のメーカーや、IT・通信企業などが開発に取り組んでいます。また、アメリカでは「Industrial Internet」と呼ばれる試みが本格的な動きを見せています。 こちらは製造業以外に、エネルギー、ヘルスケア、公共、運輸にまで範囲を広げていてその活動は「Industrial Internet Consortium」という組織が主導。設立メンバーには、あのゼネラル・エレクトリック社(GE社)も名を連ねています。

同社のグループで、航空関連の分野を担うGE・アビエーション(日本語で航空を意味する)は、かつてGE・エアクラフト・エンジンズという社名だったのですが、航空機のエンジンを売るだけではなく、安全な運航のサポートや機材のメンテナンスなど、付随するあらゆるサービスを提供する企業を目指すという姿勢を新社名に込めたのだそうです。

実際、GE・アビエーションはエンジンの状態をセンサーでモニタリングしており、故障の予知や、燃費を向上させる操縦法のアドバイス、部品や機材の揃っている空港でメンテナンスを効率的に行える運航ルートの提案まで実施しているほど。収益面で見ても、こういったサービス業務がかなりの割合を占めています。

これこそ「Industrial Internet」の本質を語っているエピソードであり、製品をモノとして提供するのではなく、サービスとして提供するサービタイゼーションの先駆けでもあったのです。環境の変化に伴い、製造業自体もモノづくりから、コトづくりへとシフトしてきているといえるでしょう。

もっと読む

閉じる

デジタルエンタープライズの 実現を推進する体制へ

もちろん、私たちISIDもこういった環境の変化に伴い新たな戦略を進めています。2016年1月から始まった中期経営計画において、エンジニアリング領域を対象とする事業セグメントのビジョンに「デジタルエンタープライズの実現」を掲げています。

現在、アメリカでは、ビッグデータなどの情報の集約・分析、そこから導き出されたデータを基にしたシミュレーション・予測をサイバー空間上で行い、そのフィードバックをフィ ジカルな世界で活用する「サイバーフィジカルシステム (CPS) 」の導入が進められていますが、その根幹となるのは、先ほども触れた「スマートファクトリー」。 CAD/CAE/PLMなどのシステムに蓄積された設計情報と、工場における製造工程、品質、在庫、リソースなどの実績情報を高度に連携させ、自律的に生産を最適化する、次世代のモノづくり環境です。

そして、「デジタルエンタープライズ」とは、CPSの技術や環境を利用して、その企業が提供する価値や自社の業務効率を飛躍的に高めること。 ISIDではサービタイゼーションへの対応も視野に入れ、エンジニアリングのプロセスはもとより、会計や人事などの基幹業務を含めたシームレスな情報連携を実現するソリューションの提供にも取り組んでいます。

2015年10月に製造業向けIoTプラットフォームの提供でPTC社と提携したことを皮切りとして、現在までには、3月にアメリカのサービスマックス社と販売代理店契約を結び、 製品の保守・メンテナンスといったフィールド業務を支援するクラウドサービス「ServiceMax」の取り扱いを開始。同社の日本法人と共に、国内におけるマーケティング活動を展開しています。

7月には、国内製造業向けにPTC社と共同でパッケージ化したソリューション「PTC SPM LIGHT」の提供を開始。これは、消耗品など高回転のサービスパーツ管理に特化し、 在庫推移に基づく需要予測や発注計画の自動化を実現するものです。マネジメントシステムの構築を従来よりも安価かつ短期間で行える上、クラウドでの提供なので、専任のシステム管理者がいなくても導入できる点が強みです。加えて「デジタルエンタープライズ」の推進を図るため、社内の体制も整備。「スマートファクトリー」の普及に向け、コンサルティングやメソッドの提供からシステム構築・運用までを総合的に支援していく専任組織「DER推進室」を7月1日に設置しました。

また、ドイツの「Industry 4.0」で中核的なメンバーであるシーメンス社のソフトウェア事業を担うシーメンスPLMソフトウェアとは、設計開発の分野で強固なパートナーシップを築いてきた歴史があり、ISIDは世界でトップランクの販売代理店でもあります。今後はさらなる連携強化を背景として、モノづくりとコトづくりのシステム構築支援を積極的に展開していく予定です。
こうしてISIDは、来たるべき変革に備えて、あらゆる方向から準備を整えています。

もっと読む

閉じる

新たな産業革命を支える基盤は歴史が裏打ち

ここで少しだけISIDの歴史をお話ししておきましょう。前身であるTSS(タイムシェアリングサービス)局が、電通の東京本社内に創設されたのは1971年のこと。TSSとは、アメリカとヨーロッパに置かれた巨大コンピュータセンターのリソースを、GE社の国際間ネットワークを利用して全世界の顧客に提供するサービス。名称は「MARKⅠ」といい、商用TSSとしては民間初で、極めて高額で大型なメインフレームしかなかった時代に電話回線と端末を用意するだけで、コンピュータを利用できる画期的なものでした。

電通とGE社の合弁でISID が設立されたのは1975年。 すでにTSSは「MARKⅢ」へ進化しており、翌年には製造業向けとして、機械設計の構造解析ソフトウェアの提供を開始しました。

1982年にはCAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの専門会社であるアメリカのSDRC社(現:シーメンスPLMソフトウェア)と業務提携を結び、販売を開始。今では当たり前のCAEソフトを紹介したのも国内初でした。

併せて、販売促進のための拠点、CAEテクノロジーセンターを開設。1985年にはCAE事業部が新設され、金融システム事業、情報通信事業と並ぶ大きな柱として育っていきます。

私がISIDに中途で入社したのは1991年。ここで大きな転換点を迎えることとなります。これまで主力だった 「MARKⅢ」のサービスが終わりに近づいていたのです。コンピュータの急速な普及や、CAEの浸透、3DCADを導入するケースも増えつつありました。

そこで、ISIDはモノづくりの原点に立ち返ることになりました。従来、ソリューションの中心はソフトウェア・アプリケーションでしたが、手もどりの多いプロセスにおいてこそ、お客様に支持されるようなソリューションが提案できるのではないか・・・と考えたのです。

1991年にISIDはITI社と業務提携し、ITI社のコンサル ティング、技術支援サービス、ITI社が開発した異なるCAD/PDM間でのデータ交換ソフトウェアやQFD(品質機能展開)ソフトウェアを提供するようになります。

そして2001年、私が部長の時、新たな事業として、上流工程の業務プロセスの改善や、3次元設計をベースにしたシミュレーション技術の活用で試作・設計見直しをゼロに近づ けるコンサルティングやソリューションを手がけたい旨を会社に提案。それを実現するため、ITIとの合弁でiTiDを設立し、私は社長として出向しました。

製造業向けのエンジニアリングをミッションに、工程の「見える化」や「整流化」に取り組んできましたが、2005年からは 現在のISIDのエンジニアリングソリューションの柱 「iQUAVIS」の原型である、製造業向け製品設計・開発業務支援システム「iPRIME NAVI」の企画開発に着手。コンピュータシミュレーションの多角的な活用によって開発を進めるMBSE(Model Based Systems Engineering)のはしりでもあり、前例がないため、自分たちで基本から学んでいきました。ISIDに戻るのは、2008年。それまでの間、iTiDを成長させてこられた経験は、私にとって大きな財産となりました。こんな事を許してくれたISIDには今でも感謝しています。

その後はISIDで「iQUAVIS」を含めた、製造業全般へのソリューションに携わっていくことになります。
現在、「iQUAVIS」は各種製造業の分野で導入実績を重ねてきていますが、ただ単に企業の製品開発を支援するだけでなく、自動車業界の例のように、業界全体の結びつきや技術 革新の後押しを含めて、国際競争力の向上にも貢献しています。黎明期からMBSEに携わってきた自分としては、このような成果が出ていることをとても嬉しく思っています。

もっと読む

閉じる

次代に向けた 有効なソリューション提供を目指して

「Industry 4.0」や「デジタルエンタープライズ」、そして「スマートファクトリー」の実現で、製造業におけるビジネスの流れが大きく変わることはいうまでもありません。モノづくりのプロセスそのものが、様変わりしていくことになるでしょう。

なにしろ、IoTや、インターネット上のサービス機能の連携を利用したIoS(Internet of Service)、CPS、機械同士の通信を行うM2M(Machine to Machine)などによって、サイバー空間上で複数の工程や工場をフレキシブルに組み合わせ、最も効率のよいプロセスを構築することが可能になるのです。

そうすると、例えば、A工場に支障が起きれば、B工場で生産するという切り替えも容易になります。

受注時だけではなく、製造直前の仕様変更にも対応でき、工場などの生産設備 が互いに仕様の確認を行いつつ、プロセスの再構成が可能になる自律的な生産システムが実現できるのです。

もちろん、情報・ネットワーク・サイバー空間を用いたマス・カスタマイゼーションも可能になります。一点モノ、いわゆるワンオフという製品でさえも手間をかけずに利益が出せるようになるのです。となれば、世界中の何万人もが単品を注文することになるかもしれません。従来のような量産によるコストの低減化で利益を出すスタイルとは全く別であることがおわかりいただけるでしょう。

と同時に、日本の産業界を守ることにもつながっていくでしょう。これまでは、コストを重視するあまり、国内のリソースを使わずに海外の製造拠点に軸足を置く企業が少なくありませんでした。少子高齢化とも相まって、優れた技術を持つ企業が廃業したり、倒産したりといった結果を招いています。ドイツやアメリカでも同様で、「スマートファクトリー」の実現に躍起となっている背景には、自国の製造業の空洞化を防ぐ意味合いも含んでいるのです。

しかし、機器や設備、情報の連携にはSoS(System of Systems)という概念が重要になってきます。システムとシステムが有機的に結びつくと、新たな価値が生まれるという概念です。今や、カメラで撮影した画像を、PCやインターネット経由で遠方の家族と共有することは当たり前ですが、それをもう一歩進めて、ITに強くないおじいちゃんやおばあちゃんが、テレビをつけたら遠く離れた孫の運動会をリアルタイムで見られて、かつ話しもできるという感じでしょうか。仕組みを知らなくても冷蔵庫や洗濯機が使えるように、何気な くシステムとシステムの連携を使えることだと言えるかもしれません。

高度交通システムなどはSoSの最たる例で、信号や踏切、自動走行車などの異なるシステムが精緻に結びついた上でなければ成立しません。SoSが「Industry 4.0」や「デジタル エンタープライズ」の成功の伴を握っているといえるでしょう。

その点、ISIDはこの課題解決のために有効なソリューションを提供できると考えています。 先に話に出た「iQUAVIS」は、例えば「軽量化すると燃費は良くなるが耐久性が低下する」といった相反する事象の解決に向けた支援機能を持っています。すでに多くの自動車 メーカーで主要な機構・部品の設計に活用され、メカ設計や制御設計など、従来は別々に行われていた製品開発初期の検討プロセスを可視化させ、検討精度を大きく向上させました。 そのノウハウがSoSの実現に大きく役立つと私たちは考えています。

もっと読む

閉じる

これから応募される皆さんに望むこと

繰り返しになりますが、製造業は大きな激動の時代を迎えています。まさに産業革命前夜のような期待と不安の入り混じった時期だと思います。だからこそ、チャンスも少なくないのではないでしょうか。あらゆる面で、一歩先んじていることが、大きな意味合いを持ってくるように思います。製造業を支え続けてきた歴史。常に先進の情報技術を扱ってきた誇り。
そして、これからの時代の扉を開くサービスやソリューション。

それが私たちISIDのアドバンテージであると考えます。そして、常に忘れてはいけないのが進取の精神。これから応募される皆さんにも、ぜひそれを持っていて欲しいと願います。

どこよりも先駆けて、新たな事業をスタートするため、技術やアイデア探しに世界を飛び回り、今は未完成かもしれないけれど、いずれ社会に役立つ何かを見つけてくることこそが、ISIDの使命といってもいいでしょう。もし見つからなければ、自分たちの手で作ればいいんです。「iQUAVIS」はまさにそれでした。

今後の10年間は、あらゆる産業で、これまでよりも目まぐるしい変化が訪れることと思います。しかし、それを黙って見ているのではなく、自らがその先を行くような挑戦者であってください。そのような人材を、私たちISIDは歓迎します。そしてサポートを惜しむことはありません。意欲を持って応募される方には一人でも多くお会いしたいと思っています。

もっと読む

閉じる