Project Talk対談

各分野のプロフェッショナルが集結し、
新製品「Ci*X Financials」開発プロジェクトを成功に導く

2021年12月1日、ISIDは会計システム「Ci*X Financials」を発表しました。
Ci*X Financials は、ISIDが強みとする会計や経営管理領域の知見と最新のコンシューマー向けテクノロジーを融合して開発したグループ統合会計システム。
企業グループ全体の経営情報をリアルタイムに把握し、経営判断を迅速に行う——いわば企業経営を根幹から支えるシステムです。高度な業務要件に対応する様々な機能、そして使いやすさにとことんこだわったユーザーインターフェース。これまでの会計システムにない全く新しい製品を生み出したデザイナーの高見祐介とプロジェクトリーダーの菅野莉沙にプロジェクトの裏側を聞きました。

40年間変わらない会計システムを根本から変えるプロジェクト

「年次が上がっていくにつれ、どうしてもプロジェクトをマネジメントする場面が増えていく——実装をしたことがないのにこのままでいいのか不安を抱えていました」そう話す菅野。プログラムを書いてシステムを開発する経験を積みたいと、プロジェクトへのアサインについて上司に相談したといいます。
そこでアサインされたのが社を挙げた一大プロジェクト“会計システムCi*X Financialsの開発”でした。
「これまで、他社が開発したシステムを導入していたのですが、お客様から『ここの使い勝手はどうにかならない?』とご要望をいただいても、システムそのものを改修することができないもどかしさを感じていました。そのシステムの仕様の範囲内でどう対応するかを考えるのが私たちの仕事だったのです。しかし、自社製品を作るとなると、そこに新しい仕様を盛り込むことができます。これは面白い経験になるだけでなく、お客様に自信を持ってシステムを提供できるようになると思いました」(菅野)

菅野莉沙

一方、高見は2019年に中途入社し、すぐにCi*X Financialsの開発に携わることになります。
「前職でもWebアプリや基幹システムのUXデザインに携わっていました。ただ、チームを率いる立場だったため、だんだんお客様から遠ざかっていき…原点に立ち返ってお客様の声を聞きながらいいものを作る仕事をしたかったんです。そんなときISIDに出会いました」(高見)

こうして2019年2月頃、二人は同時にプロジェクトに参画します。
「従来の企業向けシステムは正しいこと、間違わないことを中心に設計されています。多くの企業に使ってもらうため、汎用的な機能が多く、どうしてもユーザー体験は二の次になってしまいがち。そうなると使用する人の学習コストがかかるんですよね。熟練者はわかるけど、初めて使う人は分厚いマニュアルを見ながらでないと触れないという…。中途採用の面接のときに、面接官が『40年間変化のない会計システムを、根本から変えるプロジェクトなんだ』と言っていました。その想いを聞いて『ここでやるべきことがある』と心を決めました」(高見)

高見祐介

会計・システム開発・UXデザイン…
それぞれのプロが考え抜いて形作られたCi*X Financials

プロジェクトメンバーは30人ほどで、ちょうど要件定義が始まるときでした。
「どのようにデータを持たせるか、会計システムで重要となる要素のディスカッションを繰り返し、私たちが作りたい会計システムの在り方を形作っていきました」
菅野は、参画した当時のことをそう振り返ります。

それぞれのメンバーに一つずつ役割が振られ、これまで担当したプロジェクトを通じて学んだ業務知見を持ち寄り、調査・検討を進めていきました。
「機能だけでなく、開発コストも意識しなければならない。お客様の要件がない中で、手探りでの要件定義は、雲をつかむような思いでした」(菅野)

UXデザインを担当していた高見は、ユーザーリサーチから開始しました。
「本来は実際に使っていただくお客様を訪問し、リサーチを進めるのですが、新規製品の開発ということで社外には出せない。経理部に相談し、インタビューや行動観察に協力してもらいました」
行動観察とは、日頃の業務を撮影し、その映像を見ながら、そのときどんなことをしていたのか、どういう風に画面を使っていたのか、確かめること。それにより、実際に会計システムを使っているユーザーにしかわからないような課題やユーザーすらも意識していなかった課題を洗い出していきます。

高度な業務要件とUXデザインの両立

「私たちが日頃お付き合いするお客様はグループ経営を行う大企業が中心です。
会計システムの基本的な機能はもとより、例えばシェアードサービスを提供する会社向けに所属会社とは別に操作できる会社を設定できたり、会計期間が違う海外のグループ会社を意識して、複数会計期間が持てるようにしたり、グループ全体で使うことも考えなければなりません」(菅野)
グループ経営を意識した設計はどの機能を検討する際にもついて回りました。

この高度な業務要件を理解するのには苦労が絶えなかったと高見は話します。
「私は会計やシステム開発のプロではないので、業務のことに関しては全くの素人でした。菅野さんがいてくれて助かりましたね。簿記を勉強したり、ITパスポートの資格を取ったり(笑)、少しでも業務を理解できるよう努力しました」

会計業務の担当者、実装するエンジニア、デザイナーがそれぞれ意見をぶつけ合いながら、プロトタイピング主導で開発は進んでいきました。
「ボタン一つにしても、私が『押しにくいのではないか』と考えた部分を、業務要件を担当するメンバーは『経理の方はマウスでは操作しない、キーボードタブで移動させることが重要』と言っていたり、読みやすさよりも1ページに入る情報量を多くしたり。会計システムを利用する人が本当に使いやすいよう、みんなで考えるプロセスは大変面白かったです」(高見)

多くの人に支えられた開発プロジェクト

プロジェクト開始当時は30人ほどだったメンバーも一時は総勢100名ほどになっていました。これだけ多くの人が関わると、進め方でも多くの課題が生じたのではないでしょうか。

「関わる人が多いということは、それぞれが進める作業の後ろには別のだれかの作業が続くということです。外部結合テストのリーダーを務めたときは、遅れを出さないよう必死でした。でも、上司や先輩、パートナー企業の方々が助けてくれるんです。それぞれの道のプロフェッショナルがいる、そして忙しいのに毎回気持ちよく助けてくれるメンバーがいる。すごく恵まれた環境で仕事ができ、リーダーとしても自信がついたように感じています」(菅野)

コロナ禍の中、開発は全てオンラインで進められました。だからこそ、意識したことも多かったと高見は続けます。
「これだけ大きなプロジェクトだと、フェーズ毎に人の入れ替わりがあります。そのたびに情報を共有しなければならない。なるべく属人化しないやり方で、誰もがアクセスできるところに情報を置いておくこと、それは全員が意識していたことです」

ついにローンチ、でもここがスタートライン

多くの人の手によって完成したCi*X Financials。2021年12月、ついにローンチの日を迎えます。

実装をやりたいと飛び込んだプロジェクトで、フロントエンドの開発、プロジェクトリーダー二役をやりきった菅野は今の気持ちをこう語ります。
「ほっとした気持ちと同時に、お客様の評価が気になるのが正直なところ。でも、どんな評価をいただいたとしても、改善して、さらにCi*X Financialsを進化させていこうという思いに変わりはないです」

高見はCi*X Financialsを使ったお客様のその先を見つめていました。
「ここからが始まり。お客様が実務で触って、どういう意見をもらえるか楽しみです。私たちの知見とお客様からの要望を掛け合わせて、どんどん新しい機能やデザインを提案していきたいですね。その先にはお客様の業務効率化、そして売上への貢献。そこまで視野に入れて、これからも走り続けていきたいと思います」