ISIDの新たなSaaSサービスは、ビジネススキルを“タグ”で可視化する「ENGAGE TAG」

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写真左より Xイノベーション本部 荻野博裕樹、通山拓馬

新型コロナウィルスの感染拡大により、私たちの働き方は大きく変わりました。リモートワークが浸透し、遠隔にいる従業員同士のコミュニケーションをいかに活性化させるかは企業の大きな課題になっています。

こうした背景の中、ISIDが開発に取り組んだのが従業員コラボレーションアプリ「ENGAGE TAG」です。社内新規事業創出プログラムから生まれたサービスで、β版のリリースを経て、2022年4月に製品版の提供を開始しました。
このアプリの発案者は、X(クロス)イノベーション本部の荻野博裕樹(企画営業担当)と通山拓馬(技術担当)。本プロジェクト始動前から複数の案件でタッグを組み、開発に取り組んできたこの二人は、日常的に会話を重ねて事業のアイデアを温めてきたといいます。

社内メンバーのスキルを“タグ”や“いいね”、“推薦文”で可視化し、お互いを認め合う文化と新しい繋がりを生み出す「ENGAGE TAG」。このコンセプトはどのようにして生まれたのでしょうか。開発の背景や経緯とともに、これからのチームのあり方、ISIDから新規事業を創出する意義を、荻野と通山が語ります。

自分たちの手で新しいサービスを生み出したい

「ゼロベースでISID独自のサービスを開発してみたい」という思いを常にもっていました。

Xイノベーション本部
通山 拓馬

—「ENGAGE TAG」の開発が始まった経緯を教えてください。

通山:開発のきっかけは、ISID社内に2019年に発足した新規事業創出プログラムに応募したことです。このプログラムは、新しいビジネスのアイデアをもっている人たちが集まり、さまざまなトレーニングを受けながらISIDから新規事業を生み出していく取り組み。荻野と私はこれまで多くの案件でタッグを組んできましたが、「ゼロベースでISID独自のサービスを開発してみたい」という思いを常にもっていました。

荻野:通山との付き合いも10年を超えます。役割も技術と営業なので、お互いの専門領域に対して素直に助けを求めることができる関係性です。これまでも時間を見つけては社内のホワイトボートに新しいビジネスモデルのイメージを描きながら、二人でアイデアを出し合っていました。そして、企画書にまとめて社内プレゼンしたり、社外のビジネスコンテストに応募したり。「ENGAGE TAG」のアイデアも、この流れの中で生まれました。

—開発当初は、アプリのコンセプトが少し違うものだったとお聞きしています。

通山:はい。現在の「ENGAGE TAG」より広い概念を考えていました。「ENGAGE HUB」という名称で、チャットやアクティビティデータを分析・可視化し、従業員エンゲージメントのハブとなるサービス。“タグ”に限らず、さまざまな方法で組織力を高めることを目指していました。

当時はまだMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールが一般的ではありませんでしたが、このようなツールは今後必ず浸透していくだろうと考えていました。

人のつながりをリアルタイムで可視化する

— “タグ”に焦点を当てたコンセプトは、どのようにして生まれたのですか。

通山:新規事業創出プログラムの初期に、外部コンサルタントによるメンタリングを受けたときでした。メンターの方が新規事業を次々と立ち上げた経歴の持ち主だったので、どのようにしてチームの人材を探しているかを聞いてみました。すると答えは、募集する条件を全社員にメールで投げ、反応が返ってきた人に一人ひとりアプローチしているとのこと。私自身の実感としても、「ほかの部署にも詳しい人は絶対にいるだろうな」と思いながら、自分が知り得る人脈の中で声をかけていました。やはりどの企業でも、社員のスキルや志向を可視化できておらず、人を探すのに多くの労力を割いていることがわかったのです。

荻野:“タグ”のアイデアは、直前に担当したプロジェクトがソーシャルデータ分析の事業開発だったこともあり、通山ともよく意見交換をしていました。SNSでは “タグ”を設定することは当たり前ですよね。こういったサービスの需要は、ビジネス領域でも必ずあるはずだと判断しました。

開発の源泉は、100社以上からのフィードバック

—その後、 開発はどのように行われたのでしょうか。ポイントとなるエピソードを教えてください。

通山:「ENGAGE TAG」は、新規事業創出プログラムから生まれた第1号のプロダクトです。そのため、開発だけでなく、セールス、マーケティング、カスタマーサクセスなど、全て手探りでした。

荻野:最初はMVP(実用最小限のプロダクト)を開発し 、その後、α版、β版とブラッシュアップしていきました。ポイントは、トータルで100社以上の企業にアンケートやヒアリングを実施したことです。プロダクトの精度を高めるためには、顧客のフィードバックが何よりも大事だと考えたからです。

通山:実感したのは、ニーズを探る難しさですね。「きっと役立つはずだ」「新しい価値になるはずだ」と予想を立てていたことでも、「意外と困っていない」「別の方法で解決していた」ということも。一方では、ビジネススキル以外にも、趣味や特技などを“タグ”登録することで社内コミュニケーションが広がったという意見もいただけました。

荻野:現在はβ版の顧客インタビューを終え、2022年4月の製品版リリースに向けて市場に受け入れられるための開発に注力。日本マイクロソフトと協働してセールス戦略を練ったり、ベンチャー企業と協業してセミナーを開いたりなどの新しいアプローチにもチャレンジしています。

プロダクトの進化とともにチーム力が増強

—「ENGAGE TAG」のコンセプトにもある、チームの人材探しについてはいかがでしたか。

荻野:プロジェクト進行中に、メンバーがどんどん増えていったことが印象的でした。最初の1年間ほどはほぼ二人で進めていたのですが、プロジェクトの成長とともに仲間が集まり、最終的には社内・社外合わせて総勢13名のチームに拡大しています。

通山:チームメンバーが増えたタイミングは、プロジェクトに新たな目標が生まれたときです。例えば、「実際に動く試作品をつくってみよう」というフェーズで、デザインのエキスパートが参画してくれました。その後、「実際にシステムをつくってみよう」となったときには、Microsoft Azureというクラウドの基盤に精通したメンバーが仲間入りしてくれました。

さらに、外部のパートナーにもフロントエンドとネットワーク分析エンジンの開発に参画してもらい、「データ分析をして新たな価値を生み出そう」というフェーズではデータサイエンスに詳しいメンバーがジョインしてくれました。

荻野:でも実は、「このフェーズに入るから、チームに入ってよ」という誘い方はしていないんですよね。半年ぐらい前から「面白いプロジェクトをやっているよ」とそれとなく話していて、「気づいたらチームに入っていた」というメンバーもいるくらいです。

能動的に動き、自分たちの力で可能性を広げていく

—チームづくりで大切にしたポイントは何ですか?

荻野:まず、絶対に「自走するチーム」をつくりたいと思っていました。そのために必要なのは、「このプロジェクトに参加したい」と自分から思ってくれる人。そして、自分の役割を理解して、考え、自分で仕事を進めていける人。新規事業開発はやり方も納期も自分たちでしかコントロールできないので、「この人にこの仕事をやってもらおう」という仕事の割り振りはできないんですよね。

通山:そうですね。やらされ感がないのは当然ですが、一人ひとりが能動的に機能していること。そのほかに、忖度のない発言もチームの推進力になっていると思います。荻野や私は「ENGAGE TAG」に対して思い入れが強すぎて、客観的なダメ出しはできない傾向が強いんですよ(笑)。でも、そんな空気に臆せず、「正直、この機能は使わないですね」などとストレートな意見を言ってくれる。そんなメンバーの存在は、プロダクトを成長させていく過程でとても必要なことだと思っています。

SaaSビジネスに挑み、新しい価値観をもたらす

新規事業開発のプロセスの中で、経営層に繰り返し提案を持っていっても、否定せずアイデアを聞き続けてくれる風土がISIDの良さだと思います。

Xイノベーション本部
荻野 博裕樹

—ISIDがXイノベーションというコンセプトを打ち出し、新規ビジネスの開拓にチャレンジする価値は何でしょうか。

通山:SIerとして受託システム開発やパッケージソフトウエアの提供等を収益の柱としていますが、成長性や収益性をさらに高めるためには、ビジネスモデルの多様化が必要だと考えています。SaaSビジネスもその一端を担えるのではないかと考えています。

荻野:目下の売上・利益を考えたら、既存事業を伸長するほうが効率的かつ現実的だとは思います。しかし、あえて次の一手を打つ困難に挑んでこそかなと。個人的にも、新規事業開発は一つの目標で、経営層に「少し時間をください」と提案を繰り返してきました。こういった行動を否定せず、アイデアを聞き続けてくれる風土がISIDの良さだと思います。

通山:現在、新規事業創出プログラムは第5期まで募集が進み、累計約30チームによるチャレンジが続いています。審査会では社長や役員も参加し、応募企画に対して丁寧にコメントを残しているんですよね。実際、外部審査員の方からは、「経営層の方のフィードバックが的確で、熱心に審査していますね」と言われました。

荻野:審査会で印象に残っているのは、名和社長から「不安はあるか?」と聞かれたこと。当時は楽しいばかりだったので「不安はないです」と答えたのですが、少し物足りなげな反応だったんですよね。今になって考えてみると、「新規事業を立ち上げることは、とても難しい。そして、不安があるほうが真っ当なプロジェクトだ」という激励のメッセージだったように思います。

プロジェクトの熱量を、ISIDのバリューに還元

—「ENGAGE TAG」の今後の展開を教えてください。

通山:製品版リリース後、2022年は製品を市場に受け入れてもらうための勝負の年だと考えています。社員のスキルを“タグ”で検索することからさらに進化させて、「プロフィールを見る機能」を中心としたアップデートを10月に予定しています。

荻野:「エンプロイージャーニー(従業員の人生設計)」というキーワードも出てきています。従業員が抱えるさまざまな課題を、外部サービス・企業と連携しながら実現させたい。そして、最初にあった「ENGAGE HUB」のコンセプト通り、「ENGAGE TAG」に続く新プロダクトを増やしていきたいですね。

通山:働くことが楽しく、自分のやりたいことと会社のやりたいことが合致する職場が増えると嬉しいですね。そんな世界観につながる新しいサービスを、ISIDから発信していきたいと思っています。

荻野:いかにたくさんのお客様に、使い続けたいと思っていただけるプロダクトを届けられるか。高い熱量を維持しながら、サービス開発に取り組んでいきたいですね。

 

  • Microsoft Teamsは、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。

ご参考資料

「ENGAGE TAG®」は、組織内における“認め合う文化”や“心理的安全性”に着目し、従業員が相互にビジネススキルや趣味・特技などを「タグ」で可視化し、そのタグを手掛かりにした社内人材検索からコンタクトまでを実現するアプリケーションです。以前であればオフィス等で立ち話や雑談する中で知り得た情報を「タグ」として可視化することで、オンラインコミュニケーションの課題である「初対面の人との関係構築」に対する敷居を下げることができます。
登録した「タグ」に“いいね”や“推薦文”を付記する機能による“認め合う文化”の醸成や、コミュニケーションデータの自動集積による組織内の人材ネットワークや組織の活性度把握など、組織パフォーマンス向上に貢献します。

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Xイノベーション本部 ENGAGE TAG担当 荻野、通山

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