ネットワークカメラ「ミエルカム」でケーブルテレビ品川の番組制作を支援

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新型コロナウイルスの感染拡大により、国内では4月7日に東京をはじめとする7都道府県に緊急事態宣言が出されました。これにより国内での集まりやイベントは軒並み中止になり、多くの企業が厳しい状況に立たされています。

ISIDは、これまでにも本社のある北品川地域住民・企業の方々と、イベントのライブ配信や訪日観光客向けサービスの実証実験などを行ってきましたが、今回ケーブルテレビ品川よりお声がけいただき、コロナウイルスの影響で取材が困難になった番組制作の支援を行うことになりました。 案件を担当したXイノベーション本部 西川敦に支援実施に至った背景や実際の取り組み内容について聞きました。

今回ケーブルテレビ品川を支援することになったきっかけを教えてください。

ケーブルテレビ品川との出会いは、2019年9月に旧東海道品川宿で開催された「しながわ宿場まつり」でした。祭りのハイライトであるパレード「おいらん道中」では、ケーブルテレビ品川のプロカメラマンが撮影した現地の映像を、ISIDの技術支援でサテライト会場の観客向けにライブ中継したり、複数の見どころスポットにISIDが研究開発中のネットワークカメラ「ミエルカム」を設置し、そこで撮影された映像をテレビ番組の中で活用いただいたりしました。

ミエルカムとは、SIMカードを用いて映像を配信することができるネットワークカメラです。LANケーブルやWi-Fiルーター、中継器が不要で、場所に縛られることなくカメラを設置できます。ネットワークが繋がっていれば遠隔からカメラの首振り操作やズーム制御を行うことができ、映像をリアルタイムで確認しながら、最適な場面を撮影することが可能です。今回コロナウイルス感染拡大の影響で取材や撮影が難しくなっているため、このミエルカムを活用して撮影を支援してほしいというお声がけがあったのです。

 

具体的にはどのようなお話があったのですか?

緊急事態宣言があった翌日の昼過ぎに、ケーブルテレビ品川の担当者からメッセージが届きました。
人々に番組を通じて安心を届けるというメディアとしての使命を果たさなければいけない反面、出演者やスタッフ、取材先の安全も考えると、これまで通りの番組制作ではできない、と。新しい発想での情報収集、情報提供にチャレンジしてみたいとのことでした。

もともと、離れた安全な場所からでも映像を見ながら操作できるミエルカムの利点は、たとえば近年多発する風水害などの自然災害の時にも役に立つことがありそうだと、ケーブルテレビ品川の方々と話したことがあったので、白羽の矢が立ったと思います。

技術者として、世の中に貢献できること・喜んでもらえることをしたいと、常々考えているので、すぐに自分にできる限りの協力をしてみよう、と考えました。

ネットワークカメラ「ミエルカム」

刻々と世の中の状況が変わる中で、どのように進めたのでしょうか。

当時、すでにISIDでもオフィスに許可なく出社できない状況になっていましたので、上司に事情を話して、緊急の特別対応として認めてもらうところからのスタートでした。 アプリケーション開発のような、自宅でリモートワーク対応ができる業務と違い、カメラや放送機器など、オフィスに保管してある機材がどうしても必要なので、まずはそれを確保しなければいけません。
ケーブルテレビ品川から連絡をいただいた翌日、他には誰もいないオフィスで、機材をひとつずつ動作チェックしながら箱に詰めていきました。この作業の合間も、ケーブルテレビ品川とはリモート会議を繋いで、必要な機器に不足が無いかの確認するなど、連絡を取りながら進めました。

その翌日、機材がケーブルテレビ品川に届いたとの連絡がありました。自宅からのリモート会議で、セットアップと動作チェック、使い方の説明、そしてどのような撮影を行うかの検討を行いました。 リモート会議の内容は開発チームのメンバーに、チャットやコラボレーションツールを使って情報共有し、実現したいことに優先順位をつけながら分担して作業を進めました。

例えば、複数接続されたカメラの映像を次々と切り替えたり、テロップを流したりと、本来は放送局内でスタッフが人力で対応していることも、できる限り自動でも処理できるようミエルカムのアプリケーションを急いで改良しました。これによって出社対応するスタッフの数を減らすことができ、安全確保に役に立ったはずだと思っています。

今回投入した4台のミエルカムは、まずは休館中のしながわ水族館に設置されました。緊急事態宣言で外出が困難な中、癒しを届けることを目的に、番組内やYouTubeライブなどに活用いただきます。イルカにペンギン、熱帯魚、クラゲ等、私自身もリモートで機材のテストをしている間、随分和みましたね。あまり考えたくはありませんが、事態が長引くようであれば、より重要度、緊急度の高い、報道的な使い方へのシフトも視野に入れていく必要があるかも知れません。

ケーブルテレビ品川のプレスリリースはこちら

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機材を梱包する西川

しながわ水族館に設置された「ミエルカム」

複数カ所で魚や動物たちの様子を映し出す

各所に設置された映像を遠隔で切り替える

 

新型コロナウイルスの終息が見えない中で、今後「ミエルカム」をはじめとしたソリューションやサービスをどのように活かしていきたいですか。

北品川は、かつての東海道・品川宿のDNAを現代に受け継いでいる街です。東京2020でも、競技開催地の一つとして、国内外からの観客に加えて、選手やチームスタッフ、ボランティアまで、すべての人々をおもてなしするために、街中が一体となって様々な取り組みの準備を進めていました。残念ながら延期が決定しましたが、ISIDとしてはさまざまな技術やサービスを単純に提供するのではなく、街の人々と同じ目線で一緒に考え、悩みも共有しつつ、日本を元気にするための新しいチャレンジをお互いに力を合わせて進めていければと願っています。

ISIDにおける自分自身の活動のテーマとして、ミエルカムのような映像×通信のほか、IoTデバイスやロボットなどのハードウエアのプロトタイピングも手掛けているので、こうした机のうえで思いついたアイデアを、ほんの2、3分ほど歩いた先の現実の街の中で試す機会をいただけていることに心から感謝しています。こうした取り組みが個人や部署の中だけにとどまらず、ISID全体に拡大していくこと、そして品川での成功事例が日本だけでなく、世界にも広がって貢献できればと思います。

このひと月ほどの間に、他にもいろいろな街の、たくさんの人から、助けて欲しいとの相談の声をいただきました。一つひとつ、それぞれの街ごとに強みや魅力があって、そして抱えている課題も様々と感じました。すべての病に効く万能薬が無いのと同じように、残念ながら街を元気にするためのITソリューションも一括りで解決することは難しいのです。同じアプローチをとっても、街ごとにアレンジを加えたり、他のソリューションと組み合わせたり、社内外問わず、いろいろな人の力を借りる必要性を多く感じています。

今の世の中が特殊な状況ということもありますが、リモートワークになったことで、初対面の方とビジネス協業の相談をするときなども、会社と会社というよりも、お互いに素の人と人とのコミュニケーション、人同志の助け合い・支え合いのような雰囲気や、より強い絆を感じることさえもあります。悪いことばかりに目を向けるのではなく、こうした変化も大切にしていければと考えています。

ミエルカムの映像が流れる様子

2020年4月更新

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