世界最大級の金融カンファレンス 「sibos 2016 Geneva」 参加速報

2016年9月26-29日に、sibos 2016がスイス・ジュネーブにて開催されました。sibos※1は、SWIFT※2 が主催する、金融機関向けの世界最大級のカンファレンスです。1978年より毎年秋に開催されており、今回で38回目の開催となります。(2001年はアメリカ同時多発テロの影響で中止) 1年毎にEMEA地域、米国地域、アジア地域の順に開催され、前回はアジア地域としてシンガポール、今回はEMEA地域としてジュネーブでの開催となりました。 参加者としては過去sibos全体の中で2番目、セッション数、出展企業数も昨年を大きく上回る規模となりました。

メインセッション数 374セッション(展示ホールでのセッション等含む、昨年は312セッション)
出展企業数 211社(昨年は188社)
参加者 8,332名※3(昨年は8,219名)

全体感

昨年はDisruptive Technology※4としてブロックチェーン技術(Block Chain、以下BC)、分散元帳技術(Distributed Ledger Technology、以下DLT)が注目を集め、従来の金融の仕組みを大きく変革する可能性のある取り組みとして取り上げられました。その後、様々なニュース等で報じられていますが、各金融機関による実証実験や、コンソーシアムによる検討等を通じ、BC/DLTの有効性は確認されており、今年のSibosでは、採用に値する一つの主要な技術として扱われていたのが非常に印象に残りました。他方で、BC/DLTを採用するにしても、そもそもの取引全体をどの主体が保証するのかといった点や、KYC/AML等を含めたコンプライアンスについてどのような考え方で、状況を把握し、トレーサビリティを持った対応を行っていくのかという点は解消すべき課題として明確に示されました。この問題はクロスボーダー・クロスカレンシーの取引において顕著になる傾向があり、特にコルレス業務においては関係主体も多く、責任範囲の明確化や、取引ステータスの把握を目的としたトレーサビリティの確保の重要性が議論されました。

SWIFTは現在、送金をより短いサイクルで実現するGPI(Global Payment Innovation)を進めていますが、GPIの特徴として取引ステータスを明確に把握できる状態でより短いサイクルの送金を実現しています。(GPIは2016年中にパイロット利用開始(大手21行)、2017年に本番稼動予定、ステータス情報についてSWIFTからMTでプッシュされるだけでなくAPIも提供することで利用者側の希望するタイミングでの情報取得も可能) またコンプライアンス関連のサービスも合わせて提供しており、取引全体の安全性、透明性、トレーサビリティの確保という、金融取引に求められる要件をトータルにサポートすることでSWIFTが新たな付加価値を提供しようとしている印象を受けました。各種規制については強化の動きが続いていますが、BC/DLTやAPI Bankingなども含めて顧客目線で金融機関が対応していくことを求めていくものが増えている傾向です。今回のsibosのテーマは”Transforming the Landscape”だったのですが、従来型の金融機関のあり方や業務の提供方式に捉われず顧客目線でそれらを再構築していくことが求められるという展望が示されました。

  • ※1 sibos(SWIFT International Banking Operations Seminar)のHP : http://www.sibos.com/
    sibosはSWIFTが主催し金融機関が中心となって参加する国際会議。規制・コンプライアンス、銀行業務(決済、トランザクション・バンキング、キャッシュマネジメント等)、マーケットインフラ、技術等について議論される。
  • ※2 SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)はベルギーに本部を置く非営利の協同組合。金融取引に関わる通信サービスを世界200カ国以上、10,000以上の金融機関及び事業法人に提供。金融機関向けの通信サービスとしては世界最大規模。
  • ※3 メインセッション数、出展企業数はsibosのHP上より集計、参加人数はClosing Plenaryでの報告より。
  • ※4 破壊的技術。現行の枠組みに対しては破壊的な影響を与えるが新たな環境においては有効な仕組みとなる技術の総称。

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2016年10月更新

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