東ソー株式会社 SAP ERPのEhP適用にPanayaを活用
影響分析に基づく改修とテストの自動化で工数を大幅削減

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総合化学メーカーの東ソー株式会社は、2019~2020年にSAP ERP のハードウェアリプレースを実施し、エンハンスメントパッケージ(EhP)を適用する際に、ISIDが提供する影響分析/テストソリューション「Panaya」を活用してアセスメントおよびバージョンアップを実施。効率的にシステム改修を進め、約4割の工数削減を実現しました。さらに結合テストと総合テストにも活用し、自動化によってテスト工数を大幅に削減しています。

SAP ERPの長期利用を見据えてハードウェアリプレースを実施

化学業界でもSAPが主流になってきたこともあり、競争力を維持するためには最新のIT環境が不可欠と考えました。

東ソー株式会社 IT戦略室 室長 岩本省二氏

クロル・アルカリ事業、機械商品事業、石油化学事業の3つを柱にビジネスを展開する東ソー。近年では新型コロナウイルスの検査試薬やディーゼルエンジンの排ガス処理剤、環境配慮型のポリ袋など、社会貢献の意義が大きい製品でも注目を集めています。

同社の事業を支える基幹システムは、2007年にホストシステムからSAP ERP(ECC6.0)に刷新。会計、生産、販売、在庫、物流、貿易管理などを含むビッグバン導入でした。IT戦略室 室長の岩本省二氏は「化学業界でもSAPが主流になってきたこともあり、競争力を維持するためには最新のIT環境が不可欠と考えました」と語ります。

ECC6.0の長期使用を念頭に置いて、必要なバージョンアップの実施とエンハンスメントパッケージ(EhP)の適用を決めました。

東ソー株式会社 IT戦略室 副参事 木村修明氏

その後2011年にハードウェアをリプレースし、2015年にSAP ERPのサポートパッケージスタック(SPS)を適用。2019年にはハードウェアの保守期限を前に、2度目のハードウェアリプレースに着手しました。
「このプロジェクトでは、ファイアウォールを新設するなどしてセキュリティの強化を図ることにしました。さらにECC6.0の長期使用を念頭に置いて、必要なバージョンアップの実施とエンハンスメントパッケージ(EhP)の適用を決めました」と、IT戦略室 副参事の木村修明氏は振り返ります。

影響分析に基づくプログラム改修でSIベンダーの開発工数を4割削減

アプリ担当ベンダーのSI工数は、当初の試算どおり約4割減となりました。Panayaが適用できなかったAPOモジュールではゼロからの動作検証で非常に工数がかかったことからみても、効果は歴然だったと実感しています

東ソー株式会社 IT戦略室 参事 松田謙一氏

東ソーはハードウェアの準備、環境構築、プログラムの改修などを経て2021年1月に本番切り替えを実施しました。プロジェクトでは、EhP適用の影響分析にPanayaを活用し、アセスメント結果に基づいて修正箇所、プログラムのサイズ、影響度、修正作業が必要となるボリュームや難易度、アドオンプログラムの影響などを把握。それを踏まえてアプリ担当ベンダーと相談し、優先順位を付けながら改修を進めていきました。 「Panayaは2015年のSPS適用にも活用した実績があり、コスト削減に有効であると実証済みでした。今回は、事前の無料トライアル(サイジングラン)を実施し、SIの工数が約4割削減可能という試算を踏まえて、採用を決めました」(木村氏)

Panayaの活用によってプログラムやコードの改修が効率化したと、IT戦略室 参事の松田謙一氏は述べています。「アプリ担当ベンダーのSI工数は、当初の試算どおり約4割減となりました。Panayaが適用できなかったAPOモジュールではゼロからの動作検証で非常に工数がかかったことからみても、効果は歴然だったと実感しています」

自動化でテスト工数を削減 証跡の確実な取得で内部統制を強化

作成したテストシナリオは、部署に関係なく参照できるため、新人SEへのスキルトランスファーや世代交代時の引き継ぎにも有効です。

東ソー情報システム株式会社 ビジネスソリューション事業部 副参事 岩根由尚氏

Panayaはプロジェクト後半の結合テスト、総合テストにもテストツールとして活用されました。テストを担当した東ソー情報システム株式会社(以下、TOSIS)ビジネスソリューション事業部の中田航太朗氏は
「証跡(エビデンス)取得のためのスクリーンショットやログが自動取得できるほか、テスト資料のまとめも簡単にできました。作成したテストシナリオは、プログラムの一部修正やパラメーター変更など類似した業務プロセスにも流用し、効率的に検証できました」と語ります。

今回作成したテストシナリオは、すべて資産化して再利用できるようにしています。TOSIS ビジネスソリューション事業部 副参事の岩根由尚氏は
「稼働後に不具合が発生した際も、テストシナリオを活用して早急に問題を特定できました。作成したテストシナリオは、部署に関係なく参照できるため、新人SEへのスキルトランスファーや世代交代時の引き継ぎにも有効です」と語ります。

Panayaによって進捗状況がすべて可視化され、作業が遅れているところにはサポートを手厚くすることも可能になりました。

東ソー情報システム株式会社 ビジネスソリューション事業部 部長 湯沢数明氏

さらに、テスト管理の観点では進捗管理に大きく役立ったと、TOSIS ビジネスソリューション事業部 部長の湯沢数明氏は評価します。
「以前はテストの進捗をExcelで管理していたため業務が属人化し、管理者もベンダーも進捗状況が正確に把握できませんでした。Panayaによって進捗状況がすべて可視化され、作業が遅れているところにはサポートを手厚くすることも可能になりました。内部統制の観点でも、エビデンスがきちんと残せます」

プロジェクト当初はPanayaの利用経験者が少なかったため習熟に時間を要したものの、機能を十分に利用することで、テストを繰り返す領域を中心に、テスト工数の大幅な削減が実現しました。
「ISIDとは、QAの対応で直接やり取りを行いました。メンバーの疑問点を集約して問い合わせた際も、素早いレスポンスで解決できたほか、開発元のPanaya Japanや海外チームともつないでいただき助かりました」(中田氏)

Panayaを継続利用しシステム改修や監査対応などで活用

メンバーの疑問点を集約して問い合わせた際も、素早いレスポンスで解決できたほか、開発元のPanaya Japanや海外チームともつないでいただき助かりました

東ソー情報システム株式会社 ビジネスソリューション事業部 中田航太朗氏

東ソーでは、プロジェクト終了後もPanayaを継続利用し、今後のバージョンアップや、業務プロセスの変更に伴うシステム改修、監査対応などに活用していく計画です。ISIDに対してはPanayaだけでなく、基幹システム周辺の各種ツールも含めた情報提供やアドバイスに期待を寄せているといいます。

進化を続ける東ソーの基幹システムは、現在同社が進める基礎素材を中心としたコモディティ事業と、成長分野や新規事業を中心としたスペシャリティ事業の“ハイブリッド経営”を支えるという重要な役割を担っていきます。

 

2021年5月更新

東ソー株式会社

1935年、「東洋曹達工業」として山口県に設立。
以来、ソーダ、塩化物といったソーダ工業をはじめ、臭素、燐酸、セメントなど無機化学を中心として発展を遂げてきた。現在、クロル・アルカリ、石油化学、機能商品の主要3事業に、エンジニアリングとその他を加えた5つのセグメントで事業を展開。歯科用セラミックス材料や 時計等の装飾部品に使用するジルコニア粉末、合成ゴムのCSMなどで世界トップクラスのシェアを誇る。

  • 記載情報は取材時(2021年3月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

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