明治安田生命保険相互会社 職員の意識やキャリアプランが変わる仕組みを「POSITIVE」タレントマネジメントシステムで構築

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写真左より 亀﨑公一朗氏(明治安田生命保険相互会社 人事部 人事グループ 主任スタッフ)、浅野芳一氏(同 執行役員 人事部長)、古賀生治氏(同 人事部 人事グループ グループマネジャー)

明治安田生命は、明治14年に創業された歴史ある生命保険会社です。株式会社形態の生命保険会社が増えるなか、助け合い(互助)の精神を大切にした「相互会社」であることにこだわり、「契約者ファースト」の経営のもと、人と社会に長期的に貢献することを目指し続けています。そんな同社が他社に先駆け開始したのが、職員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援するまったく新しい人事施策です。ISIDの統合HCMソリューション「POSITIVE」を用いて、約13,000人の職員を対象としたタレントマネジメントシステムを構築。それにより、役職者の経歴を全職員に開示して「目指す役職、目指す人財に至るには、どのようなキャリアを積めばよいか」を参照できるようにし、さらに目標とする人物にキャリア相談ができる仕組みを導入しました。2020年8月~翌年1月までの6カ月間で、13万件以上の閲覧があるなど、導入直後から活用が進んでいます。一方、上司には部下の経歴、研修履歴、過去の指導内容を閲覧できる仕組みを提供。一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな指導や、長期的な視点にたったキャリア形成のサポートに活かすことを目指しています。
「2020年、当社は『ひとに健康を、まちに元気を。最も身近なリーディング生保へ』というテーマを掲げ、10年計画『MY Mutual Way 2030』を発表しました。計画を実現し飛躍するには、より高度な人財を育成することが欠かせません。そこで、人事部では、長期的な視点にたった人財育成や、一人ひとりの意欲や適性に基づく成長・活躍の実現を目指して『人事マネジメント改革』を掲げました」。こう語るのは、同社執行役員 人事部長の浅野芳一氏。10年後を見据え、より大きく成長するため、今後もPOSITIVEをプラットフォームとして、「人事マネジメント改革」のもとで斬新かつ先進的な人事施策を打ち出していく構えです。

「国内の企業に適した豊富な機能」「メンテナンスの機動性・柔軟性」に惹かれ導入を決定

POSITIVEをプラットフォームに、長期的な成長を目指す相互会社だからこその骨太な人財育成をしていきたいと考えています

浅野芳一氏(執行役員 人事部長)

人事部では、「人事マネジメント改革」のもとで、改革を支える体制整備の一環として、人事関連の制度やシステム基盤の抜本的な見直しが行われることとなりました。

「我々が最初に着手したのがシステムの見直しです。勤怠管理や給与計算を行う従来のシステムに加え、『人財育成を主軸に据えた新たな仕組みを構築しよう』ということになり、人事情報を一元管理し、その情報を利用者各層に対して適時・適切に開示できるような、新しいシステムの検討を始めました」

こう話すのは、執行役員 人事部長の浅野芳一氏。続けて、ソリューションの選定や社内提案を担当した人事部 人事グループ 主任スタッフの亀﨑公一朗氏は「海外のものを含む様々なHCM(人事)ソリューションの資料を取り寄せ、セミナーなどに参加して比較した結果、『POSITIVE』の機能の豊富さとメンテナンスの機動性・柔軟性に惹かれました」と、その魅力について語ります。

「タレントマネジメントに関する機能だけでなく、組織の分析機能から、給与計算や勤怠管理に至るまで、多くの機能が備わっている。また、それらの機能が、日本の企業に合ったものであるところにも好感を持ちました。海外製のHCMソリューションの場合は、例えばヘッドハンティングを前提にした機能が盛り込まれているなど、必ずしも当社にはフィットしないと感じていました。一方、『POSITIVE』の場合は、日本企業のマネジメントに適した人財育成・配置等を支援する、豊富な機能が標準機能として揃っていて、かゆいところに手が届くようなつくりになっていました。国内メーカーが開発しているがゆえのきめ細やかさと、全国2,700社に導入され鍛えられている強みを感じました。また、標準機能の範囲内であれば、プログラミングを行うことなく、人事部スタッフによる画面上の操作だけで、すぐに機能の追加や仕様の変更などを行うことができ、メンテナンスの機動性・柔軟性にも大きな魅力を感じました」(亀﨑氏)

アジャイル的アプローチの中で生み出された「上司の経歴を閲覧する仕組み」

やりたいことベースでいろいろなことを試しながら、リスクを回避し、アジャイル的に進められたところがよかったですね

古賀生治氏(人事部 人事グループ グループマネジャー)

POSITIVEをベースとしたタレントマネジメントシステムの構築は、人事部のプロジェクトチームとISIDの担当者がチームを組んで、併走するような形で進められていきました。人事部 人事グループ グループマネジャーの古賀生治氏は「ISIDに『こんなことをやりたいんだけど』と相談すると、『それならこんなやり方ができますよ』と返答があり、対話による開発ができたところが有難かった」と話します。

「こういうシステムは、事前にみっちり戦略を立てて仕様を固めてしまうのではなく、いろいろなことを試しながらリスクを回避し、アジャイルでつくり上げていくものだと思います。今回は、いい意味で思いつきを活かしつつ、まさにアジャイル的に進めることができました。もともとの機能が豊富なためメニューを追加したり外したりしやすく、気軽に新しい仕組みを盛り込めたところ、『やりたいことベース』で常に対話しながら調整できたところがよかったですね」(古賀氏)

そして、こうした対話型で調整しながらのアジャイル的アプローチのなかで出てきたのが「上司のキャリアを閲覧できるようにする」という思い切った取組みだったのです。以前から人事研修の場などで「若手にキャリアについて質問されることが多い」と感じていた古賀氏が、ISIDに相談を持ちかけたことがきっかけで実装されることになりました。

「生命保険会社である当社は、業務の範囲が非常に広く、職員は様々な分野や職務にチャレンジするチャンスがある一方で、若手のなかには、キャリアパスや成長モデルを具体的にイメージしづらいと感じている職員もいました。実際に、研修で若手から、『古賀さんはずっと本社勤務なんですか?』『入社10年目はどんなことをしていたんですか?』といった質問をされることが多くありました。それなら、役職者のキャリアを公開し参照してもらったらいいのではないかと考え、ISIDに相談し、『職員の意識やキャリアプランが変わる、絶対に必要な仕組みだ』と、社内で必要性を訴え実装に漕ぎつけたのです」(古賀氏)

現在は「キャリアを公開してもよいと回答した役職者」について、入社や異動の年月日、所属部署、担当職務などの細かな経歴が参照できるようになっています。また、目指す人財にキャリア相談ができる機能も盛り込み、若手がキャリアについて主体的なアクションを起こせる仕組みも整えました。2020年8月の運用開始から翌年1月までの6カ月間で13万件以上のアクセスがあり、職員からも好評で「大きな手応えを感じている」(古賀氏)と語ります。

すべての人事情報を「POSITIVE」に集約し、より高度な人財活用を実現したい

日本企業のマネジメントに適した人財育成・配置を支援する機能が豊富に揃っていて、かゆいところに手が届くようなきめ細やかさに魅力を感じました

亀﨑公一朗氏(人事部 人事グループ 主任スタッフ)

今回展開したシステムにおいては、「上司のキャリアを閲覧できる」機能のほか、「部下の評価や経歴の照会」「組織の強み・弱みの分析」ができる機能もPOSITIVEで構築しています。これによって、より俯瞰的・科学的に、人事情報の“可視化と共有”ができるようになりました。

「『人事マネジメント改革』の目指すところは、旧来型の年功序列の人事から脱却し、より高度な人財を、時間をかけて、しっかりと育成すること。長期的な成長を目指す相互会社だからこそ、人財育成も長期的な目線で行っていきたいという思いがあります。そのため、今後も、引き続き『POSITIVE』に人事関連情報を集約し、将来的には蓄積したデータとAIなどを掛け合わせ、より適切な教育や人財配置を、科学的・客観的に行うような仕組みをつくりたいと考えています」(浅野氏)

一人ひとりの意欲や適性、キャリアプランを重視した、新時代の人財活用へ??。 POSITIVEをプラットフォームとした明治安田生命の「人事マネジメント改革」は、これからもますます進化と広がりを見せていくことでしょう。

2021年3月更新

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社名
明治安田生命保険相互会社
本社所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1
創業
1881年(明治14年)7月9日
総資産
40兆4,218億円 (2020年9月末現在)
基金総額
9,800億円 (2020年9月末現在/基金償却積立金を含む)
従業員数
46,002人 (2020年9月末現在/うち営業職員「MYライフプランアドバイザー」35,072人)
事業内容
生命保険の引き受け、および保険料として収受した金銭その他の資産の運用
  • 記載情報は取材時(2020年12月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

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