株式会社デンソー 激変するビジネス環境に対応する人材マネジメント——
デンソーにおける「POSITIVE」を活用したタレントマネジメントの取り組みとは

  • 人事

金森 英明氏(株式会社デンソー 人事部 キャリアイノベーション室 キャリアイノベーション推進課長)

電通国際情報サービスの人事ソリューションである「POSITIVE」と「STAFFBRAIN」のユーザー向けにセミナーが行われた。今年はオンラインで実施されたこのセミナーから特別基調講演の内容を紹介。統合HCM(Human Capital Management)パッケージとして知られる「POSITIVE」のタレントマネジメント機能を活用して、現在直面している人事上の課題を解決しようという取り組みの内容は必見!

  • 本内容は2020年9月に開催された「POSITIVE・STAFFBRAINユーザー様向けセミナー」で発表したものです。

「POSITIVE」導入の決め手はシステムの柔軟性

第一にフレキシビリティ。世の中には同様のシステムが色々あるが、タレントマネジメントシステムとして十分な機能があり、パッケージシステムの標準機能で汎用的に利活用できることを評価した。

金森 英明 氏

デンソーでは、戦略的に人材育成や人材配置を行うタレントマネジメントを行っているが、それを実現するシステム基盤として、電通国際情報サービスの「POSITIVE」を採用している。 同社の「POSITIVE」活用方法が語られた本講演の序盤、講演者の株式会社デンソー 人事部 キャリアイノベーション室 キャリアイノベーション推進課長 金森英明氏は、同社がタレントマネジメントを実施する背景について、「社会環境やビジネス環境の変化とともに求められる人財像が変わってきたことが影響している」と説明。

現在、自動車産業を取り巻く環境は大きく変化しようとしている。昨今よく耳にする「MaaS」や「CASE」の実現によって、世の中の様々なサービスと自動車がつながる、新たなモビリティ社会の到来を視野に入れると、同社のような自動車部品関連メーカーには、これまで培ってきたハードウエアやエレクトロニクスに対する開発力や技術力に加え、ソフトウエア開発力の強化が求められる。このようなニーズの変化に柔軟に対応するため、社内外からふさわしい人材を発掘し、育成することを目的に、現在取り組みを推進しているのがタレントマネジメントなのだ。

そして、同社では、従業員数約5万2000名のタレントマネジメントを実現するシステムとして「POSITIVE」を採用。採用の理由について、金森氏はこう語る。
「第一にフレキシビリティ。世の中には同様のシステムが色々あるが、タレントマネジメントシステムとして十分な機能があり、パッケージシステムの標準機能で汎用的に利活用できることを評価した。さらに、1つひとつの業務をデジタル化するとなると細部でどうしてもシステムに手を入れる必要がでてくるとも考え、アドオン(個別開発)をしていかなければならないとすると、アドオンも対応可能なパッケージシステムとしてフレキシビリティの高い『POSITIVE』が最適と判断した」 「POSITIVE」なら、実現したいことに柔軟に対応できるシステム基盤を構築できることが、採用の決め手になったのである。

組織変更手続のデジタル化など、幅広い活用範囲

デンソーのタレントマネジメントの取り組みは、まだ道半ばだという。現在は人事情報を一元管理・見える化し、人材の量と質を把握するための取り組みが進められている最中だというが、講演ではこのフェーズにおける「POSITIVE」の活用方法について、金森氏は3つの事例を挙げて説明。
1つ目に紹介されたのが、それまで自社内製システムや表計算ソフトなどで運用管理していたキャリアデザインシートを「POSITIVE」に移行した事例である。社員がシステム上で直接情報を入力できるようにした他、入力項目をより詳細にしたり、記入方式をフリーテキストからキーワード選択式に変更したりするなどして、キャリアやスキルに関する情報を多面的に捉えられるような工夫を施しているという。

POSITIVEで従業員一人ひとりの情報を把握、キャリア形成に役立てている

そして「POSITIVE」で一元化された情報を、各社員のキャリアプランの作成だけでなく、社内の各業務に必要なスキルや経験を明確化することにも役立てていくとのこと。
「データの一元化で明確になる各業務に必要なスキルや経験を開示することで、従業員は社内に存在する仕事を知ることができる。そして、その仕事に就きたいと思うのであれば、自分に足りていない経験や知識を理解した上で、自ら望むキャリアに向かって自律的に経験を積み上げていく——そのようなかたちを目指したいと考えている」(金森氏)

 

2つ目に紹介された活用例は、組織変更や所属異動に関する取り組み。この取り組みでは「POSITIVE」の機能をアドオンで拡張して、これまでメールや電話をベースに運用していた組織変更・所属異動のワークフローをデジタル化。これにより、組織・人のデータ登録の一元管理のほか、データ登録や手続業務の効率化も実現できたという。
激しい事業環境の変化に対応するべく、毎月のように組織変更や所属異動が大量に行われる同社の管理部門は、「常にその手続きに追われてきたが、システム上で変更業務が完結できるようになった」と金森氏は説明する。

3つ目が、従来の人材データの可視化。紙ベースの情報を含め、これまで担当者ごとに保有していたデータを「POSITIVE」に入力するとともに、専門性別の分布、職能資格別の分布、異動希望の分布などをリアルタイムで可視化するダッシュボードを作成し、レポーティング作業の効率化を進めているという。
タレントマネジメントという全体の取り組みでいうと、まだ発展途上だが、それぞれの取り組みの中で成果を実感しながら取り組みを進めているのは見逃せないポイントである。

「POSITIVE」で実現したタレントサーチ機能のインパクト

今後は、以上のような取り組みを他の領域でも進め、人材を発掘し、適材を適所に配置する仕組みを高度化していくと金森氏は語る。 「これまでの人の探し方といえば、大まかな人材要件に対して人事担当者や現場の管理職の頭の中にある情報から候補者を挙げるやり方だったが、それでは活躍する可能性が高い人材を見逃しかねない。(中略)これを勘やコツだけに頼らず、デジタルデータを活用して抜け漏れなく人材要件に合う人を探していく仕組みの構築を進めている」とのこと。
例えば、全社展開に向けて現在トライアルを行っているという、「POSITIVE」を使って、ある部署で必要としている人材情報を入力するとその条件にマッチする社員がマッチング率順にリストアップする仕組みが紹介されたが、「経験職種・担当製品」「専門性」「異動希望」などの詳細な項目によって候補者が抽出されるこの仕組みなら、確かにミスマッチや活躍確度の高い人材の漏れは少なそうだ。

データを活用し適材適所に人材を配置することが可能

さて、同社の取り組みがここまで順調なのは、目的や課題を明確にした上で進められているからこそである。よく言われることだが、デジタルツールは導入するだけで、自動的に何かしらの結果を生むというものではない。それは「POSITIVE」も然り。タレントマネジメントを行うにあたって、まず「どのような課題があって、どのようなことを実現したいのか?」を明確にすることが必要だ。目的がはっきりすれば「POSITIVE」が心強い味方になってくれる。それが「POSITIVE」の高い機能性と柔軟性でどのようなニーズにも対応できるからなのは、もう言うまでもないだろう。

2020年11月更新

株式会社デンソー 会社概要

  • 社名株式会社デンソー
  • 本社所在地愛知県刈谷市昭和町1-1
  • 設立1949年12月16日
  • 資本金1,875億円
  • 売上収益5兆1,535 億円(2020年3月期/連結)
  • 営業利益611 億円(2020年3月期/連結)
  • 従業員数170,932人(2020年3月31日現在/連結)
  • 事業内容自動車部品、システム及び生活関連機器の開発・製造・販売
  • 記載情報は取材時(2020年9月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

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