株式会社セブン銀行 ネットバンキングを再構築
PDCAを回しながら、お客さま目線の「やさしい」サービスを実現する

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写真左より 稲垣 一貴氏 (株式会社セブン銀行 リテール営業部 副部長)、長沢 淳博氏( 同 事業開発部 主任調査役)、小笠原 真吾氏 (同 企画部 次長)

2014年1月。セブン銀行は、インターネットを通じたバンキングサービスの全面的なリニューアルを実施しました。パソコン、スマートフォン、携帯電話など様々なデバイスを想定してISIDがシステムを再構築し、新たに“ダイレクトバンキングサービス”としてサービスイン。これによって、新規口座の開設手続きやカード再発行の申し込みなどが、Webでも完結するようになりました。紙がなくなり、 より簡単に、グンとスピーディーに。ユーザーに寄り添ったサービスを提供し、着実に顧客数を伸ばし続けています。

「セブン銀行のあるべき姿」を見直す

『言われたことしかやりません』
というシステム会社は、意外と多い。
そうじゃない企業、思いを分かち合える人と、このプロジェクトに臨みたかった

小笠原 真吾氏

同社がバンキング事業の見直しに乗り出したのは、2010年のことでした。会社の設立から、約10年。企画部次長の小笠原真吾氏は「会社として、『セブン銀行のバンキング事業はどうあるべきか』を考え直さなければならない時期だった」と振り返ります。
「セブン銀行は、ATMでの決済事業によって成長してきた企業です。全収益のうち約95%をATMが担っており、今後もATMを中心としたビジネスを展開していくことに揺らぎはありません。しかし、それだけでお客さまにご満足いただくのは難しい。ATMだけでなく、口座関連サービスやカードローンをどう提供し収益を上げていくか、80万人(2010年当時)を超えるセブン銀行口座のお客さまのためになにができるかを考えなければならない時期になったと思い至りました」

リテール営業部副部長の稲垣一貴氏も、小笠原氏の話に大きくうなずきます。
「当社の強みは、国内約17,000店のセブン-イレブンをはじめ、駅・空港・観光地など様々な場所にATMが設置されているということ。『いつでも、どこでも、誰でも、安心して』をスローガンに、個人のお客さまのお財布がわりになる銀行を目指してきました。ATMではある程度『お財布がわりの銀行』になることが達成できていますが、その他の部分では、まだまだ行き届かない点も多かった。そこで、まず、ATMの次に重要なチャネルであるインターネットバンキングを、リニューアルすることになったんです

決め手は、電通グループのマーケティング力

リニューアル効果は歴然ですが、ここがスタート地点。
数万件ものお客さまの声と、サイト分析の情報を生かしてセブン銀行ならではのサービスを生み出していきたい

稲垣 一貴氏

同社がインターネットバンキングを再構築するにあたり、何より実現したいと考えていたのが「Webだけで完結するペーパーレスの手続き」でした。これまでは、口座の開設やカードの再発行などを行う際、必ず紙での手続きが必要でしたが、これをなくすことで、お客さま側での記入や郵送の手間、時間的なロス、銀行側の作業負荷を大幅に削減しようと考えたのです。その他、印鑑を廃止する、口座開設と同時にローンの申込みができるシステムにするなど、事業開発部主任調査役の長沢淳博氏を中心に、少しずつ要件が固められていきました。ある程度の大枠が見えたところでコンペを実施。4社の参加企業の中から、ISIDをパートナーに選定したといいます。
「ISIDに決めた最大の理由は、マーケティングという切り口を持っていたから。電通グループならではの知見を生かして様々な調査を行い、データを分析し、つぶさにアドバイスをしてくれると聞いて、『二人三脚でバンキング事業を伸ばしていくことができそうだ』と感じました。また、PDCAを回す専門チームがあるところもポイントでしたね。実際にご一緒してみて、作って終わりのシステム会社ではなく、ともに未来を考えてくれる、心強いパートナーだと感じています」(小笠原氏)
「私は、営業担当者が、当社の業務を深く理解してくれているところに惹かれました。少ない人数で業務を回していたので、状況を察し、抽象的な要望をうまく汲み取って、考えた上で提案してくれるところに安心できた。知見やクオリティだけでなく、人の良さも、ISIDの魅力だと思います」(長沢氏)

新規口座開設数が、大幅に増加した

リニューアル後のPC画面(左)とスマートフォン画面(右)のイメージ。
ネット利用経験の少ないユーザーでも迷わずに目的を達成できるよう、レイアウトや画面遷移、ボタンの色や大きさ、配置などに配慮した設計が施されている。

2014年1月のサービスインから約1年。リニューアル前と比較して、新規口座の開設数やローンの申込み契約数が、大幅にアップしました。また紙を使っていた頃は、受け付けた申込書のうち約5割しか手続完了に至りませんでしたが、Web完結になってからは、申込みを開始した人の約9割が手続きを完了してくれるようになりました。
「スマートフォンファーストの設計を行ったことも奏功しているのでしょうね。ISIDから様々な視点でアドバイスをもらい、デザインや色、ボタンの配置、導線設計など、細部にまでこだわって開発しました。その甲斐あって、インターネットに不慣れな人でも扱える、リッチで使いやすいUIを実現できた。OSやブラウザのバージョンアップにも柔軟に対応できるようになったんですよ」(長沢氏)

こうしたリニューアルの効果に確かな手ごたえを感じながらも、本当のねらいはこの先にある、と稲垣氏は語ります。
「今後はISIDと一緒に、継続的にPDCAを回していきたいと考えています。実は先日行われた報告会で、サイト上で実施したお客さまアンケートの結果が出揃ったのですが…。特典を付けなかったにも関わらず、数万件の回答が寄せられ、当社への期待の高さを感じました。お客さまの生の声を、これだけの規模で集めたのは初めてのこと。セブン銀行ならではの、お客さま目線のサービスのあり方を検討する上で、非常に大きな意義があるものと思っています。サイトでの行動ログとこれらアンケートの結果を分析し、さらに使いやすく離脱の少ないサイトにしていきたいですね。また、“ダイレクトバンキングサービス”だけでなく、自社サイトやWeb広告など、インターネットを通じたお客さまとの接点すべてをブラッシュアップして連動させ、効果を高めていきたいと考えています」

2014年12月更新

セブン銀行 会社概要

  • 社名株式会社セブン銀行
  • 本社東京都千代田区丸の内1-6-1
  • 設立2001年
  • 資本金305億9百万円
  • 経常収益1,055億87百万円(2014年3月期/連結)
  • 従業員数543人(2014年3月31日現在/連結)
  • 事業内容銀行業

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