トヨタ自動車北海道株式会社 “POSITIVE”による人事システム統合で
人事部門だけでなく製造現場の効率化・負担軽減にも成功

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世界の自動車産業をリードするトヨタグループの中で、駆動系ユニット製造を担う「北の戦略拠点」と位置付けられるトヨタ自動車北海道。常に3,000人を超える従業員が働くこの一大製造拠点で、ISIDの統合人事ソリューション“POSITIVE”は2012年12月に稼働を開始しました。同社では、2010年から大規模な人事制度の刷新を伴ったシステム改革プロジェクトが進められ、“POSITIVE”はその鍵を握るツールとして採用されたのです。

複雑多様な製造拠点の人事管理を効率化

主力製品ハイブリッド・トランスアクスルの最新モデルとそれを搭載する車両「AQUA」

トヨタ自動車北海道が実行した変革の道のりを、人事部門の立場で推進してきた横山偉司氏は次のように振り返ります。
「始まりは2010年の秋でした。2013年から新しい人事制度をスタートさせることが決まり、旧制度における問題点の洗い出しや、グループ他社との整合性などの検討を開始しました。この動きに加えて、すべての基幹系システムを一新するプロジェクトも同時進行することになったのです」

制度改革と基幹システム変更を同時に実施するという大規模な取り組み。その中で大きなテーマとなったのが、システム統合による業務効率の大幅改善です。同社では、それまで人事管理・給与管理・勤怠管理を別々のシステムで行っていましたが、これらをトータルに管理できるようにすることが重要だったと横山氏は言います。
「当社では常時3,000人を超える従業員が働いています。しかも、雇用形態や労働時間、交替勤務・フレックス勤務など非常に働き方が多様で、かつ頻繁に変動するという製造拠点独自の特質も抱えています。にもかかわらず、人を管理するシステムが複数存在し別々に動いていたこともあり、例えば一人の社員の同一の情報を各システムに別々に入力しなければいけません。手間もかかるし、ミスの誘因ともなる。一方で、必要な情報を抽出しようとする場合には、複数のシステムにデータベースが分かれているため、各システムから情報を抽出し結合しなければいけない。いくつもの非効率性が人事部門の業務を圧迫していました」

なによりも「現場」優先。そのためのシステム

“POSITIVE”には、当社が必要とする機能が過不足なく揃っていました。
しかも、製造拠点特有の細かな『カイゼン』ニーズにも柔軟な解決策を示してくれました

横山 偉司氏
トヨタ自動車北海道株式会社
総務部 人事課 給与・厚生係

トヨタ自動車北海道の製造現場では、約100名のグループ長がそれぞれの部下の勤怠情報を入力する仕組みが定着しており、その入力データを給与システムに連携し給与計算していました。旧システムは、人事部門の効率面の課題だけでなく、直接の入力責任者であるグループ長からも問題点を指摘されていたといいます。
「旧来のシステムは、入力時にエラーを検知する仕組みがなく、人事部門がチェックして初めてミスが分かる。差戻しが生じると現場は再度入力作業を行わなければならず、『入力時のミスを減らし、クリーンなデータをシステムで担保することができないか』といった声が挙がっていました」

各グループ長は、人事管理だけではなく、生産管理や安全管理など、複数の責務を果たしていく役割を担っています。人事管理の仕組みが、他の使命を果たす上で足を引っ張るようではいけない。横山氏はそう考えました。「パッチワーク化した複数システムの統合」という顕在化していた課題だけでなく、「現場の負担軽減」がもう一つの大きなテーマとなりました。
「ものづくりでは、製造現場こそが第一。最前線にいるメンバーが最大限に力を発揮できる環境を提供するのが、人事部門の仕事です。だから新システムのあり方については、構想段階から多くのグループ長と膝詰めで議論をしました。現場で何が問題になっているのか、どこを改善すると作業が楽になるのか、という意見を忌憚なく聞かせてもらったのです」

さらに横山氏は、こう続けます。
「現状に満足せず、より高い目標に向かって、愚直に問題解決を続ける『カイゼン』の精神は、トヨタのものづくりの歴史の中で脈々と継承されてきたDNAです。このDNAが、新システムの成功にも大きく寄与したと思っています」
各グループ長はもちろん、すべての関係者が積極的に議論に参加。顕在化した問題の解決だけでなく、さらなる高みを目指すための前向きな現状否定が行われ、新システムの形が見えていきました。

必要十分な機能を備えた“POSITIVE”を選択

潤沢なシステム要員を持たない当社にとって、 主導的にプロジェクトをマネジメントしてくれるパートナーの存在は不可欠でした

横山 偉司氏

システムの選定にあたって、複数のパッケージから“POSITIVE”を選択した理由を、横山氏は次のように語ります。
「1つはパッケージの機能が我々の身の丈に合っていたこと。過大すぎず、過少すぎず、必要とする機能の多くが揃っていました。限られた予算の中、これは必須の条件でした。2つめは、現場を第一に、という私たちの想いを理解し、入力画面の工夫などに前向きに対応してくれたこと。他にも、十分な要員を割けない我々に代わってプロジェクトを主導的に進める体制など、様々な条件が揃っていました」

多くのベンダーは、業務の流れをパッケージに合わせて変えることを提案したといいます。しかし横山氏は「現場にとって使いやすい仕組みとするために必要なことだけは、どうしても譲れなかった」と言います。新システムでは、長年慣れ親しんだ入力画面を生かしつつ、より使いやすいインターフェースが実装されました。
「コストのことも考えたからこそ、パッケージツールを前提としたのですが、だからといって現場に大きな負担をかけるわけにはいきません。統合パッケージとしての“POSITIVE”の高い機能性と、個別要件にも効率よく対応できる柔軟性があったからこそ、現場も納得するシステムができたと思います」(横山氏)

稼働からまもなく1年、新システムは安定運用に入りましたが、横山氏の視線はすでに次の「カイゼン」に向いています。
「今は社会が猛スピードで変化する時代。社会の求めるものが変われば、製造業のやるべきことも、そして人事管理のあり方も変わる。そうした変化への対応を、当社とともに考え、どうすれば実現できるかを示してくれるパートナーがISIDだと思っています。これからも大いに期待しています」

導入パッケージ:POSITIVE (人事・給与・就業システムパッケージ)
導入パートナー:鈴与シンワート株式会社

2013年12月更新

トヨタ自動車北海道株式会社 会社概要

  • 社名トヨタ自動車北海道株式会社
  • 本社北海道苫小牧市字勇払145-1
  • 設立1991年
  • 創業1992年
  • 資本金275億円
  • 売上高1,579億円(2013年3月期)
  • 従業員数3,347人(2013年4月1日現在)
  • 事業内容自動車部品の製造

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