ISIDコンサルタントのつぶやき

ISIDでは、毎年数多くの製造業様向けシステム導入のお手伝いをさせていただいております。その中で弊社コンサルタントが実務を通じて得た知見や、感じたことなど、製造業の皆様のお役に立つ情報を発信していきたいと思います。

予算内でパッケージを導入する為のポイント

皆さんの会社でパッケージを導入する際、特に基幹系システムのパッケージとなると、社内で稟議を通す為に、相当なご苦労があるかと思います。一方、稟議が通ってからは、期日通りにかつ予算内にプロジェクトを遂行することは、導入に携わるメンバの最大の関心事の一つかと思います。
さて、皆さんが幸か不幸か、パッケージ導入のプロジェクトマネジャーに任命された場合、どのようにして、プロジェクトを遂行していけば、予算を遵守できるのか、プロジェクトのフェーズ毎にポイントを見ていきましょう。

1.企画段階

ますは、予算を遵守すると言っても、それが非現実的な予算であれば、達成も当然のことながら難しくなります。企画段階で、如何に精度の高い見積ができるかが、最初のポイントとなります。
では、どのようにすれば、精度の高い見積が可能でしょうか。
その為には、パッケージ導入ベンダに見積を依頼する際、自社のプロジェクトの要件を正確に伝えることが必要です。
パッケージベンダはパッケージのことは熟知していますが、皆さんのプロジェクトのことは良く解っていません。口頭で要件を伝えるケースも散見されますが、多くはコミュニケーションギャップと情報不足より、精度の高い見積は困難です。
その為、自社のプロジェクト要件を、しっかり文章でまとめることが必要です。パッケージを導入する対象範囲、ユーザ数、各種データ件数、業務機能毎のシステム要件、非機能要件、皆さんの会社の概要、製造している製品の製法や特徴、更にはベンダに求める作業内容や、役割分担、制約事項等は、最低限まとめるべきです。
一方、自社のプロジェクト要件が、まだ明確でない場合は、パッケージの見積を直ぐに始めるのではなく、あるべき姿の立案や自社要件のとりまとめを行うフェーズを事前に設けた方がよく、必要に応じて外部コンサルタントの力を借りると良いでしょう。

2.要件定義段階

企画段階で予算を確保し、最初に実施するフェーズが要件定義となります。ここでは、自社要件とパッケージ機能とのFit&Gapを実施します。Gapになったものは、更に、自社要件に合わせパッケージの標準機能をカスタマイズするか、パッケージの標準機能に合うように自社の業務運用を見直すかを決めていきます。
要件定義フェーズ実施後に、その後の予算額が変わってくる最も大きな要因は、自社要件に合わせカスタマイズする量が当初想定よりも増加した場合となります。カスタマイズのボリュームが増えると開発費用のみならず、テストや移行、教育に関わる費用も増加する為です。
では、カスタマイズを最小化する為に、最低限必要なことは何でしょうか。
1)トップマネジメントより、プロジェクトメンバに予算遵守を徹底させること
2)現状ありきで考えるのではなく、あるべき姿を前提に考えること
3)費用対効果の観点で、カスタマイズ内容を精査していくこと

3.基本設計以降の段階

パッケージの導入作業も、後の工程に進んでいけば、予算の上振れリスクも軽減していきますが、プロジェクトの中盤から終盤にかけて、思わぬ出費を発生させないようにする為に、自社で可能な作業は、なるべく自社で行うようにしていきましょう。
例えば、以下のような作業です。
1)帳票設計・開発
 帳票は、エンドユーザが実際にパッケージを利用してみて初めて真のニーズが出てくるケースが多く、テストフェーズやカットオーバ後に帳票の修正依頼が多く発生します。その為に、自社で開発・修正できるようにしておきましょう。
2)データ移行
 既存システムからのデータ移行は、既存システムを最も熟知している自社メンバで行うのが効率的です。その為に、既存データの移行先のパッケージ機能の習得は、早めに行うよう心掛けましょう。
3)エンドユーザへの教育&立ち上げ後の支援
 エンドユーザが多い場合は、早めにキーユーザを選出し、パッケージ機能の習得を行ってもらうことが、カットオーバ時の導入時の混乱を抑えられ、その為の余分な出費も抑えられます。

以上、手短ですが、少しでも皆さんのプロジェクトの参考になれば幸いです。

エンタープライズソリューションコンサルティングユニット
SCMコンサルティング2部 プロジェクトディレクター
高谷 潤

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