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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 原価分析システムの導入/運用開始のポイント 〜

「原価の見える化」は、あらゆる業種・業態においても実現したい事項の一つに挙げられます。特に、製品別実際原価計算や原価差異分析についてのニーズは依然高く、引合も多くなっています。

原価管理とは、期首の予算策定や標準原価計算、期中での期末到達点、見込みの原価計算、実際原価計算、原価差異分析、そして翌期の予算策定や標準原価計算等、原価管理のPDCAサイクルを廻していく中で、コスト削減などの課題を解決する企業活動になります。
この活動を支える原価管理システムは、原価管理のPDCAサイクルを廻す上で、データ収集、原価算出、結果分析のツールとして利用されます。ここでは、原価管理システムの「原価分析のためのツール」という側面に焦点を当てて、あえて「原価分析システム」と呼ぶことにします。

いくつかのお客様の「原価分析システム」の導入に関わらせていただいた中で、「原価分析システム」を導入し、運用を始める上で、シンプルではあるものの、以下の3つのポイントがあると感じています。
今回はその3つのポイントについて記します。

1.できることから進める。

「原価分析システム」を導入するにあたり、原価モデル(=原価の計算方法)については現状から変更する点が多いかと思います。新たなシステム導入で現状のやり方にメスを入れ、多くの課題が解決することが期待されますが、すべての点をシステムとその運用で改善することは難しいのが現状です。

その場合は、システムや運用ですぐに対応できないところは、代案を検討し、運用を進めながら改善する形が望ましいです。まず、運用を始めるのが第一。
一部の機能、一部の製品グループでもかまいません。ベースとなる機能についてはしっかりと構築しておく必要がありますが、運用を始めれば分析が進み、新たな課題を見出すこともあれば、新たな解決策が見つかることもあります。
運用を進めながら課題を解決し、分析の精度を上げていく。
これが1つ目のポイントになります。
代案例としては、実際原価において、費用すべてを製品別に配賦する点に課題があった場合に、部門毎の実際賃率を算出し、それを利用して原価積み上げ計算をして対応するなどです。精度は当初想定よりも落ちるかもしれませんが、分析は始めることができます。

2.チェック機能を充実させる。

原価計算は、標準原価にしろ、実際原価にしろ、一つ一つのデータの積み上げとなるため、その一つ一つのデータの精度が重要です。データ精度をいかにチェックできるか、また、そのチェックを運用として定着できるか、がポイントになります。
データをチェックするポイントは、導入時にあらかじめ想定できるものもありますが、運用の中で見出せるものも多々出てきます。そのため、「原価分析システム」としては、チェック機能を容易に追加できる機能を兼ね備えていることが望ましいです。チェック機能を充実させ、運用の中で使っていく。
これが2つ目のポイントになります。

3.手法を横展開する。

課題を解決させた方法や、データをチェックする方法は、別の場面にも活用できる場合が多いです。同じ手法を他の計算に横展開する。これが3つ目のポイントになります。
例えば、標準原価計算において品目構成や単価の欠落をチェックしている手法を、実際原価計算にも活用するなどです。手法を横展開することで、原価分析の守備範囲を拡げられるようになります。

◇ 担当:林 佐千男(ISID/コンサルタント)

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 発票の偽造 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

今回も、最近私の関心を高めている中国ネタです。

中国子会社の不正事例の中に、発票に関連する事例が多くあります。発票は、中国の税制と強い関連があります。

中国では、一元的に税収を管理するために「発票制度」を採用しています。
発票は売上等の料金収支証明となり、経費認定や税務申告のために必須のものです。企業は、発票を税務機関から「購入」しなければ活動できません。
仕入およびその他費用については発票を入手しないと損金算入できません。

この発票を偽造して、日本での消費税に近い税の支払いを逃れようとする不正事例が横行しているのです。
日本の親会社からすると、コンプライアンス上も重大な問題に発展する可能性があります。要するに「脱税」なのですから。

私はこの発票の偽造を発見するにはどうしたらよいのか、中国の税務や会計に詳しい、某税理士法人の知人に直接聞いてみました。
そこで知らされた事実は、恐るべきものでした。

「中田さん、発票の偽造は見ただけでは、『絶対に』わからないんですよ。
 なぜなら、それは本物と全く同じものだからです。」

最初にこれを聞いた時には、よく理解できませんでした。しかし、その内容を聞いてすぐに理解しました。その内容とは、以下のようなものです。

  • 1.企業は発票を使い切ると、発票を購入するために税務当局に行く。
  • 2.税務当局は、当該企業に発票を販売する。
  • 3.税務当局は、発票の在庫が少なくなると、発票の印刷会社に発注する。
  • 4.税務当局の担当官が発注の際に、「必要部数を超える」部数を発注する。
  • 5.この担当官が必要部数を超えて印刷された発票を市中で売りさばく。
  • 6.脱税をしようとする企業は、発票を税務当局からではなく、市中で販売されている発票(偽造発票)を購入する。

つまり、4.の税務当局の担当官が不正をはたらき、私腹を肥やしているのです。これでは、偽造発票を見破ることはできませんね。

日本では、およそ想像すらできない不正事例です。

このような不正事案を研究していくと、日本のJ-SOXの前提となる多くの事柄が、中国では全く異なるし、全く通用しない、という感覚になります。

ということは、従来の内部統制や内部監査の手法とは全く異なる手法で、中国の子会社のコントロールをしなければならないのかもしれません。

メルマガ事務局より

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いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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