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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 BPRの目的と陥り易い罠 〜

はじめに

日本企業において、BPR(Business Process Reengineering)という企業変革手法が普及して数十年が経過し、これまで多くのBPRを伴うプロジェクトが実施されてきました。私自身も、微力ながらコンサルタントとして幾つかの経理財務部門を中心とした間接部門におけるBPRプロジェクトに参画し、企業の変革局面に関わる経験をさせて頂きした。
これらの経験を基に、BPRを伴うプロジェクトの主な目的とプロジェクトが共通して陥り易い罠についてご紹介させて頂きます。

BPRプロジェクトの目的

まず最初に確認しておきたい点として、"BPR=プロジェクトの目的"ではないということです。BPRに関わる人であるれば当然のことかもしれませんが、BPRは、企業を変革に導く経営手法であり、BPR自体は目的となり得ないということです。

では、"BPRの目的は何か"ということになりますが、一言で表すと"企業変革を導くこと"になると考えております。

(企業変革の例)

  • IPO
  • IFRS導入
  • PMI
  • シェアードサービス導入
  • システム導入
  • 業務効率化

BPRプロジェクトの陥り易い罠

次にBPRプロジェクトの陥り易い罠としては、"プロジェクトの目的=BPR"になってしまい、本来の目的が達成されないという事態になるケースです。
先述の企業変革の例でご紹介したIPOやIFRS導入などの制度対応プロジェクトでは、目的が明確であるため、この罠には陥るケースは少ないのですが、システム導入や業務効率化などの企業が其々の目的で実施するプロジェクトでは、"プロジェクトの目的=BPR"となってしまい、プロジェクト本来の目的を見失い、変える必要のない業務制度/プロセスまで再構築してしまうケースがあります。

"プロジェクトの目的=BPR"となる原因と対応策を私自身の経験から考察すると、以下のようなことが考えられます。

(主な原因)

  • 1. プロジェクトの目的が明確になっていない
  • 2. プロジェクトの目的と個々のタスクが整合していない
  • 3. 個々のタスクに意識を集中し過ぎて、本来の目的を見失っている

(対応策)

  • 1. 経営層を含めた関係部門とPMO(※1)で、プロジェクト発足前に企業変革の目的とその効果について、合意をする
  • 2.および3. 適切なメンバーでPMOを配置して、プロジェクトの進捗管理をする

(※1)PMO:Project Management Office

まとめ

先述したとおり、BPRは企業を変革に導く経営手法であり、企業変革プロジェクトの目的とはなりません。山登りに例えて言えば、BPRは山の登り方であり、目指す頂上でないということです。

また、プロジェクト本来の目的を達成し成功に導くには、プロジェクトの舵取り役となるPMOの存在は必要不可欠であります。弊社で実際にプロジェクトを行う際は、最低でもマネジャーレベルがPMOとしてプロジェクトに参画して、全体管理やメンバーのフォローを行える体制を組んでプロジェクトを推進しております。

◇ 担当:齊藤 恒(ISIDビジネスコンサルティング/米国公認会計士)

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 「独立社外取締役」とIFRS 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

今月(10月)16日付けの日本経済新聞の「大機小機」に、以下の表現の記事が掲載されていました。

「コーポレートガバナンス・コードについては、形式的に対処し他社と足並みをそろえる『ひな型』的な対応に陥っているとの指摘も多い。」

これを読んだ私の感想は、「ああ、やっぱり」というものでした。

本来、各企業が自主的な判断で活用すべき「独立社外取締役」が、従来あまり活用されなかったのは、各企業がその有効性を認めていなかったからか、あるいは、生え抜きの経営TOPにとってやっかいな存在だと思われていたからだと言われています。

それを「独立社外取締役を有効に活用すべし」という、東証の自主ルールという「ソフトロー」の手段で、半ば強制的に活用させようというやり方に無理があるように感じていました。

本来不要なものを、強制的に押し付けられたら、「形式的な対応」になるのは当たり前のことです。

ただ、「独立社外取締役」が無用なものかというと、そうではないと思います。

しかし、「独立社外取締役」の有効性を見いだせないのは、経営TOPに、「経営のための知識と経験」が乏しいからだと思います。
「独立社外取締役」は、そのような生え抜き社長の「乏しい知識と経験」を補う、非常に有効な存在だと思いますが、それを自ら遠ざけているのです。

「形式的対応」というキーワードで結びつくのが「IFRS対応」です。

IFRSは原則主義で、自社にとって適切な会計処理を自主的に考えて対応するのが「本質的な対応」です。本質的な対応でIFRSを導入すれば、日本基準よりは、自社の実態を適切に表す財務情報を作成することになるはずです。

「ルールベース」の日本基準は、どの業種・どの規模・どの会社でも同じ会計処理を要求するため、企業の実態を表しにくいのです。
例えば、開発費会計が上げられます。新製品の開発に係る支出なのに、新製品が量産される期間には費用計上できず、新製品がまだ量産されていない期間に、全額費用計上「しなければならない」のです。

しかし、IFRSを先行して任意適用している企業やこれから適用を検討している企業の多くは、「重要性の判断規準」や「開示内容」について、従来の日本基準を踏襲しようとしたり、監査法人の判断に委ねたり、他社事例を丸飲みしたりするなどして、自ら判断しようとしていない企業が多いようです。

ここでの大きな問題は二つあります。

一つ目は、投資家に企業の実態を報告できないということです。
二つ目は、経営者に自社の実態を表す報告ができないということです。

いずれにしても、報告を受けた投資家や経営者は、適切な判断をするための情報として「実態を表す情報」が得られません。

「本質的な対応」をすることで、従来なかなか実行できなかった「企業価値を増大し、持続的成長を目指せる企業」に脱皮できる、重大なきっかけが得られると思います。しかし、「コーポレートガバナンス・コード」も「IFRS」も、形式的な対応に終わると、ただのコストでしかありません。

このまま「形式的な対応」が続くようでは、いずれ「失望」を生みます。
特に海外投資家からの失望を生むでしょう。

アベノミクスの「3本目の矢」は、すでに折れているのかもしれません。

メルマガ事務局より

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いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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