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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 原価管理に必要な実績収集の粒度を考えよう 〜

本メールマガジンお読みになっていただいている皆様は、連結会計・グループ会計の経理・情報システムご担当者様が多いかもしれませんが、弊社では、原価管理ソリューションの導入に関しても、ご支援させていただいております。

原価管理システムでは、製造実績のデータを収集・集計することで製品別製造原価を算出し、予算実績比較分析や年度間比較分析を行うのですが、実は分析のために必要となるデータの種類や粒度は、お客様によって様々であり、システム導入作業に先駆けて、どのようなデータをもとに原価計算を行うかを検討する必要があります。

例1

多品種小ロット生産を行う製造業の場合で、加工費に占める設備償却費の比率が高く、1人の作業者が複数製造ラインを同時に受け持って製造するような生産形態の場合、製品別の作業実績時間を取得することはできません。
そのような工程の直接労務費に関しては、無理に製品別の作業時間実績を取得して製品別の直接労務費時間を求めるのではなく、製品別の直接労務費・実際原価は配賦計算で算出し、部門別程度の粒度で予実比較行うのが適切です。

例2

逆に、労働集約型の製造業で、作業者ごとに担当の生産ラインが決まっているような生産形態の場合、作業者ごとの作業時間の実績を取得し、製品ごとの直接労務費を算出することで直接労務費の予実比較を行うことが可能です。
その場合、原価システムの構築にあわせ、作業実績時間を記録するための仕組みづくりも必要となります。

例3

バッチプロセス型の製造業では、バッチ単位(ロット単位)での原料投入量実績・生産量実績・作業者の作業実績時間・設備稼働実績時間が取得できます。
その場合、製品別より詳細のロット別実際原価を算出し、製品の標準値としての予算値とロット別の実績値の比較を行うことが可能です。

例4

連続プロセス型製造業では、品目コード自体は工程別に管理していても、品目コードごとの出来高の実績が難しい場合があります。その場合は、出来高実績情報の収集が可能な品目での分析を行うこととなります。

例5

連産品の発生する生産工程では、製造品単位での原料投入実績数を捉えることができません。この場合、製造品の出来高量に応じた比率で、原料投入量を算出し、実際原料費の金額を求めることで、予算実績の比較を行うことが可能となります。

このように、原価の予実比較と一言で言っても、製品や製造工程・生産形態によって、実績情報の取得が可能なデータの種類や粒度は異なります。
やみくもに実績の収集を試みても、収集のための手間ばかりがかかり、かえってコストが増加するような事態にもなりかねません。

原価システム導入時は、実績収集→予算実績の比較→改善といった、いわゆる「原価分析のPDCAサイクル」をまわすために、製造工程の特徴、生産現場での実績収集の負荷も配慮して、最適な原価の粒度を検討してからシステムの検討を行うことが大切です。

◇ 担当:田中丸 耕治(ISID/SCMコンサルタント)

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 CFOの新しい役割 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

先日、一般社団法人日本CFO協会の研修会の講演の中で、「CFOの新しい役割」ということで、以下の2項目が上げられていました。

(1).自社における報告や行動については、もっとも高い倫理基準を適用する。

(2).「株主価値」を追求するワンマンCEOに警戒する。

(出典は、ジェレミー・ホープ氏)

(1)については、少し抽象的でわかりにくいのですが、倫理観の低い企業に共通する問題点として、IFAC(国際会計士連盟)が以下に上げた10項目を見るととてもよくわかります。

(A) 経営トップの倫理基準の低さ
(B) 行き過ぎた目標設定ともうけ主義経営
(C) 不適切なインセンティブ
(D) ワンマンで、カリスマ的なCEO
(E) 非力な取締役会
(F) 内部統制の弱さ
(G) 過激なM&A戦略に加担しすぎているCFOの存在
(H) お粗末な戦略策定と情報の透明性の欠如
(I) 実行力の乏しさ
(J) 変化にすばやく対応できないこと

上記10項目一つひとつをみると、最近の不適切会計事件そのままという感じもします。
しかし、良く言われているように、不適切な会計事件は、日本企業のどこにでも発生する可能性があります。

「前年度からの何パーセント増し」といった予算は、当初から合理性を欠いているにもかかわらず、いつのまにか達成目標になり、未達の場合に相当なプレッシャーがかかるという企業も多いようです(B)。

社内では、社長の発言を否定する人はなく、「イエスマン」ばかりが昇進するという嘆きも良く聞く話です(D)。

CEO以外の取締役がほとんど発言しない取締役会が、日本企業では非常に多いようです(E)。

内部統制については、日本企業の問題を大きく解決するチャンスでしたが、監査法人やコンサルタントにより、3点セットの作成がメインとなる形式的対応になり、実効性がほとんどない企業が多いことはとても悲しい現実です(F)。

中長期計画は「あるべき姿」ではなく、「ありたい姿」だと公言する経営者が多いことも情けない話です(H)。

こうして見ると、将来のCFO候補である、このメルマガの読者の皆さんには、とても大きな期待があり、その期待に応えるための、難易度の高い、様々な課題があるということだと思います。

このような課題を皆さんと一緒に解決していくことは、とても有意義でやりがいのあることです。また、ひいては日本経済全体を活性化し再生することにもつながるのだと考えています。
最後は、少し大きく出過ぎてしまいましたね(笑)。

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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