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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 経費精算ソリューション採用時に考えるべき3つのポイント 〜

会計システム導入を提案させていただく中で、いつの頃からかその対象業務範囲に経費精算が独立して存在するようになりました。そして現在、ほぼ全ての提案依頼書に含まれている状況です。

ところで、この経費精算、なかなかの曲者なのです。
なぜなら「これが正解」というソリューションが簡単に導き出せないからです。

今回は、経費精算ソリューションを採用するにあたって考えるべき3つのポイントをご紹介いたします。

経費精算システムか、ワークフローシステムか

1)経費精算システム
紙ベースで経費申請を行い、承認印を押し、小口現金から出金し、経理担当者が仕訳を手入力する、という業務を行っていたとします。このような現状の経費精算業務を効率化したい、内部統制上も小口現金を各拠点に持たせたくないということが主目的の場合は、経費精算システムとして検討を進めます。
多くの経費精算システムには、運賃検索機能や出張旅費の日当計算、申請と精算の紐付け、会計仕訳作成などの機能が標準装備されています。

2)ワークフローシステム
経費精算をシステム化するということは、組織を持ち、社員マスタを持ち、承認経路の設定を行うということになります。承認処理が必要な業務は、経費精算だけでなく、稟議申請、人事申請など他にもあります。これら全ての承認をシステムで一元管理したいと考えた場合は、ワークフローシステムとして検討を進めます。
ワークフローシステムの場合、自由に申請書を作成できる機能があり、承認経路のメンテナンスも一箇所に集約できます。反面、必要な機能を全て作りこんでいく必要があります。
ちなみに、ワークフローシステムと経費精算テンプレートをセットにして、必要機能の作りこみを最小限に抑えることが可能なソリューションもあります。

自社向けにカスタマイズか、最新利用か

1)自社向けにカスタマイズ
システム導入にあたり、以下の要求があるでしょうか。

  • 経費申請時にある項目を自動計算させて表示したい、経費に関わる機能を個別開発して追加したい。
  • 組織や社員などの人事マスタ連携、仕入先やプロジェクトコードの会計マスタ連携、会計仕訳連携など他システムとの自動連携を実装したい。
  • マスタ登録や発注処理など、基幹システムでの各オペレーションに対する承認をワークフローシステムで実現したい。

これらの要求が必須である場合は、要求を実現することが可能なソリューション かどうかを最初に確認する必要があります。
追加開発可能なソリューションの多くは、保守費用内で最新モジュールの提供 が行われますが、追加開発した箇所は考慮されません。よって、そのモジュール に対して再度追加開発を行う作業(=コスト)が必要となることも認識しておく 必要があります。

2)最新利用
近年、経費精算システムをSaaS提供するソリューションが増えてきました。
これらは月額利用料を支払って経費精算システムをクラウド環境で使用するの ですが、定期的に行われるバージョンアップで常に最新バージョンを利用する ことが可能です。月額利用料を支払っていれば、最新のブラウザ対応、新機能 のリリースなどの恩恵を受けることができます。
しかし、基本的には提供されている機能を利用するのみで、追加開発すること はできません。
もちろん設定によって追加・変更が可能な項目が多く準備されていますので、 かなり多くの要求を吸収できるのではと考えます。

要求機能の棚卸

経費精算をシステム化するにあたって、多くの要求機能が出てきます。その要求を全社視点で必須と要望に分類し、優先順位をつけます。要求を上げた人に確認すると全ての要求が必須となってしまいがちなので、ここは思い切ってどうしてもという要求のみ必須に残します。

経費精算をシステム化する際の確認ポイントを記載します。
自社の要求と合わせて要求機能の棚卸をしてみてください。

  • 対象業務は旅費経費精算のみか。支払依頼(請求書払い)も含まれるか。会計伝票入力も含まれるか。
  • 子会社も含めてグループ会社での利用を想定しているか。会社をまたがった承認経路設定が必要か。
  • 多言語での利用は必要か。多通貨は海外出張申請のみが対象か、日本円以外の通貨で会計システムへ連携する必要があるか。
  • ICカード、クレジットカード、チケット手配などの連携機能は必要か。
  • 組織や承認経路の設定は運用イメージと合っているか。
  • 経費データの分析レベルや粒度に合った情報が取得可能か。

残念ながら、現時点で全ての要求を満たせるソリューションはないと思います。
また、ソリューション毎にメリットも様々で、コスト感も異なります。要求を全て横並びにすると、もしかしたら自社に最適なソリューションが途中で候補から消えてしまうかもしれません。

経費精算ソリューションを採用するにあたって、まずは「自社で導入したいと考えるシステムは何か」「必要な機能は何か」ということを、現在と少し先の将来を見据えて整理してみてください。

◇ 担当:平岡 久美子(ISIDコンサルタント)

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中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 2度手間、3度手間だった「有報、事業報告・計算書類および決算短信の統合化」のゆくえ 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

経済産業省の「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」(以下、伊藤邦雄研究会)は、2015年4月23日に「報告書(対話先進国に向けた企業情報開示と株主総会プロセスについて)」(以下、本報告書)を取りまとめ、公表しました。
本報告書では、「年度開示の全体像とモジュールの検討」として、以下の記載があります。

「企業(発行体)、投資家(利用者)、制度関係機関が一同に会し、年度の開示内容を総合的に分析、検証し、統合的な開示の全体像とそれを構成するモジュールのあるべき姿の検討が行われることが期待される。」

そして、この検討が行われることが期待される観点として、以下の記載があります。

(1)現状の開示実務を基に、決算短信、事業報告・計算書類、有価証券報告書における開示情報間の重複や相互の関連の明確化。
(2)重複・類似する開示情報について、相互参照、項目や記述の整理・共通利用等が可能か否かの検討。

つまり、決算短信、事業報告・計算書類、有価証券報告書は「一体化」とまでは行かないかもしれませんが、財務諸表や注記事項など、重複する開示項目については、法令改正も視野に入れた改革が行われる可能性が出てきました。
ただ、これまでの経験から感じたことは、「金融庁、法務省及び東証といった、お役所に横たわる問題なので、なかなか実現しないのではないか」ということでとても心配です。

日本経済新聞の3月の報道では、2015年度には、これらの関係省庁が対応を協議する組織を立ち上げるといった内容の記事もありました。

ところが、2015年度に入って3ヶ月経ちましたが、その気配は一向に感じられません。本件について、私は大変大きな期待をしているので、この動きのない状況が心配でなりません。
そこで、伊藤邦雄研究会の委員をされている複数の方と面会をして、インタビューをさせていただきました。

その結果は、あまり芳しくないものでした。
委員の方々は、いずれも「私見」であることを前置きされながら、あまり劇的な変革は起きないだろうという見解を示されました。

特に、会社法の大きな改正があったばかりで、法務省は消極的だという印象をお持ちでした。金融庁も、そのあたりを感じ取って、あまり積極的にはすすめる意欲が感じられないということです。
金融庁としてみれば、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードの制定と運用開始が、最重要課題であったので、企業情報開示制度の根本的な改革は、優先順位が低かったのだろうということです。

ということは、とても大きな期待を持っていた問題が、結局改善されないままになるのでしょうか。改善されないとどうなるのでしょうか。

伊藤邦雄研究会が、企業情報開示制度の根本的な改革を議論した背景は、主に以下の2点です。

1.四半期ごとの重複した開示書類の作成や二重監査などで、経理部門が開示業務に忙殺されて、企業が持続的成長を果たすための経営情報づくりに費やすエネルギーが足りなくなっている。
2.制度上で規定されている開示のあり方が、投資家の短期志向を招き、さらには経営の短視眼化を招いている。

とうことで、日本企業が海外企業と比較して低収益率の状況に陥っている原因が、現在の企業情報の開示制度にあるという見方からでした。
ということは、本報告書で提言されている内容が実現しない場合には、相変わらず、経理部門の疲弊は継続し、企業の持続的成長を促す効果が見込めなくなるということになるのではないでしょうか。

ということは、現在の安倍政権が「日本企業の持続的成長を促し、日本を再興する」ということにどこまでこだわるのかがポイントになるのではないかと考えています。今や「政治主導」の時代です。
官僚の「縦割り行政の壁」を突き破ることが、政治の力で行われるかどうかがカギを握っているようです。

これも「岩盤規制」の一種でしょうか。

このような問題こそ、経団連など、財界が一致団結して、政治に働きかけるべきなのでしょう。
ということは、経団連に加盟している、皆様の会社の強い思いと働きかけが、最終的なカギを握っているのかもしれませんね。

メルマガ事務局より

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以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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