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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 IFRS適用における「グループ内の比較可能性の担保」の意義 〜

IFRS適用は「うまい、安い、早い」のが良い?

私は、「うまい、安い、早い」がモットーの牛丼屋に良く行きます。なぜ牛丼屋に引き込まれるのか、それは「美味しいものを」「出来るだけ安く」「すぐに」食べたいという、私の飽くなき食への欲求を満たしてくれるからだと思います。
最近、IFRS任意適用を検討しているお客様から、お話をお伺いする機会が多くなってきました。「うまい(IFRS適用を)、安い(コストをかけず)、早い(最短)」で実現したい、とのご希望をお持ちのお客様が多い様に感じますが、気になっているのは「社内の管理数値は従来通り日本基準とし、連結開示用の数値のみIFRSへの組替を行う」事例が増えてきているように感じることです。

IFRS適用による、社内管理数値、指標の位置付け

ここで、一般的に言われているIFRS適用のメリットを、「対外的な視点」と「内部管理的な視点」から整理してみたいと思います。

1.対外的な視点

1)企業イメージの向上
国際的に通用する会計基準を適用することで、グローバル企業としての認知度が高まる。

2)海外での資金調達の円滑化
海外企業との比較可能性が高まることで、海外投資家の投資対象となりやすく、資金調達が円滑化できる。

2.内部管理的な視点

1)業務効率化の推進
連結ベースでの会計処理統一による業務の標準化や、決算期統一に伴う決算早期化検討による業務の効率化等が期待できる。

2)グループ内の比較可能性の担保
IFRSがグループ共通の会計基準(モノサシ)となる。
それにより、グループ会社やセグメント間などの比較可能性が高まるとともに、業績評価の公平性の確保、意思決定の迅速化につながる。

3)クロスボーダーM&Aの推進
買収の際に発生する「のれん」の償却が不要となり、M&Aの推進を後押しする。

4)グループ内部統制強化
内部統制プロセスのグループ内での統一により、財務報告リスクが低減できる。

上記で述べたメリットのうち「グループ内の比較可能性の担保」は、多くの企業で必要性が認識されていると思われる一方、IFRS適用により現行の財務(公表)数値の変更は避けられないとしても、社内の管理数値までIFRSベースに変更するかどうかは適用する企業の考え方次第になります。
また、社内の管理数値には、経営者から現業部門に至るまで多くの関係者に影響を与えることから、管理数値変更に時間を要することもあります。
「社内の管理数値は従来通り日本基準とし、連結開示用の数値のみIFRSへの組替を行う」選択をした場合、グループ内の比較可能性の担保は難しくなってしまいます。それにより、以下のような問題が生じます。

・管理数値、指標の見える化の問題
経営者にとって、日々変化する経営環境に対し、適切な判断をすることが求められている。しかしながら、社内の管理数値や指標の作成基準がグループ内で不統一である場合、いつ、どこで、どんな問題が発生しているかが見えにくくなり、適切な経営判断を妨げる可能性がある。

・管理数値、指標の活用・分析の問題
社内の管理数値や指標の作成基準が異なる場合、類似の業務を行っている、または類似の製品を製造しているグループ会社間の比較が出来なくなる。例えば、類似の製品を製造している機械装置の耐用年数が大きく異なれば、年間の減価償却費が大きく異なる結果となる。

各企業がおかれている内外の経営環境により異なるでしょうが、IFRS適用を機とした「グループ内の比較可能性の担保」の推進が、企業経営に少なからず影響を与えることになります。
社内の管理数値は従来通り日本基準とし、連結開示用の数値のみIFRSへの組替を行う。との対応方針から、IFRS適用を機とした「グループ内の比較可能性の担保」に方針変更された事例を見聞きしました。

最後に

IFRS適用を機とした「グループ内の比較可能性の担保」と言うはやすしで、実際にIFRSベースでの社内管理数値をグループ全体へ浸透させるには、様々なハードルがあります。機会があれば、どの様な点に留意して検討を進めるべきか、またどの様にすれば「うまく、安く、早く」導入することが可能なのか、お話したいと思います。

◇ 担当:横沼 秀治(ISIDビジネスコンサルティング/公認会計士)

<関連情報>

中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)について 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)について

OECDのサイトで、9月16日に以下のタイトルのニュースが公表されています。

それは、
"「税源浸食と利益移転(BEPS:Base Erosion and Profit Shifting)行動計画」の報告書(第一弾)の公表について"というタイトルです。

この動きの背景は、リーマンショック以降のグローバル企業のふるまいにあります。

リーマンショックは、各国の財政状況を悪化させました。
そして巨大金融機関を救済するために、税金を投入するなどして国民負担を強いることとなっています。
そんな状況にもかかわらず、グローバル企業が国際的な税制の隙間や抜け穴を利用して税負担を軽減していることが問題視されているのです。

この対策として、G20諸国から全面的な支持を得ているOECD租税委員会では、G20とOECD共同プロジェクトとしての提言を、9月16日に公表したのです。

それが、『 BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)に関する第1次提言 』です。

この中で私が気にしているのが、以下の3つのファイルを各国税務当局に提出することが勧告されていることです。

(a) マスターファイル(グループ全体に共通する基本情報)
(b) ローカルファイル(関連会社間の取引情報等)
(c) 国別報告書(グループの売上高・利益・税額等の発生国別の情報)

移転価格については、国ごとのバラバラな対応からグローバルベースで整合性が必須になります。

こうなると、以下のようにシステムや業務プロセスなどへの影響も検討しておく方が良いでしょう。

(1) グローバルベースでの損益管理
(2) 本社による地域別損益配分のコントロール
(3) 各国税務当局との間の情報ギャップが埋められることで生じる税務リスクのコントロール

連結決算システムは、制度連結や連結経営のためだけではなく、グローバルベースの税制に対応するためにも利用できそうですね。

ちなみに、OECDはこれらの対応策を、2014年9月〜2015年12月の間に三段階で勧告することとしています。
2014年9月16日公表の報告書はその第一弾でした。

今後BEPSは要注意だと思います!!

メルマガ事務局より

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g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』 事務局

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