グローバル&グループ経営をサポートする

IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 グローバル統合システム構築の機運と課題 〜

ERPシステムの普及と近年のトレンド

企業の基幹業務を統合的にサポートするERPシステムは、日本でも90年台から普及し始め、2000年問題を機に中堅企業を含めた幅広い企業で使用されるようになってきました。

近年はERPシステムの導入自体は一段落したと言われる一方、ERPシステムのグローバル展開、グローバル統合といったプロジェクトを行う企業が増えています。海外の子会社を含めた、企業グループ全体の基幹業務をシステムを統合するというプロジェクトです。

ここに来てERPシステムのグローバル展開が増えてきている理由として、大きく下記が挙げられます。

・グローバルでの経営管理の強化

制度連結で必要なレベルに加え、管理連結としてより詳細な情報をグローバ ルで統合し、製品、市場、顧客といった様々な分析軸で、自社のビジネスを分析可能とする狙い

・海外子会社の統制強化

業務のシステム化と本社からの監視により、統制を強化する狙い

・グループ全体での業務の標準化

拠点毎にバラバラのシステムを使用するのではなく、ERPシステムで統合し、グループ会社内での業務の標準化を実現する狙い

ERPのグローバル展開、グローバル統合の顛末

上記のような目的で始まったERPのグローバル展開、統合プロジェクトも、様々な原因で当初想定した狙いから外れてしまうことがあります。

・現地法人ごとの規模の違いや状況の違いに起因する投資対効果の問題

海外拠点については拠点ごとに事業規模が大きく異なることも多く、特に小規模な拠点においてはシステム管理負荷の小さく、現地の商習慣に対応している小規模なERPパッケージを使用するケースも多く有ります。
本社主導でERP統合を進めても、既にERPを導入済みの拠点は業務への影響を嫌って抵抗し、逆に小規模な拠点では入力負荷の増えるERPの採用にしたがって管理コストが増加するなど、導入の効果について疑問を持たれるケースも散見されます。

・各国特有の法制度、商習慣への対応の問題

ERPパッケージは様々な国地域の法制度、商習慣に対応しているという触れ込みではあるものの、実際に導入を検討すると実務への適用に課題があるというケースも見られます。
ERPで統合するという狙いから外れて、実際の業務は別のローカルシステムで行い、グローバルERPには集約されたサマリーデータしか連携されないという状況があります。

・マスタの統合等、システム統合化の失敗

品目マスタや顧客マスタ等、基礎となるマスタのコードについては、既に現地法人で使用しているコードがあり、統合されていないといったケースがあります。システム展開に際し、コードの統合を試みたものの関連システムとの連携等、様々な理由で結局現地毎独自のマスタ体系となってしまうケースがあります。

国際的な企業で多く使われているERPパッケージを採用しさえすれば、グローバル統合システムを構築できるというのは間違いで、実際には様々な課題に対応していく必要があります。


もう一つのアプローチ、グローバルDWH

グループの関係会社すべてを同じERP、それもひとつのサーバー(インスタンス) でシステム統合するというのはひとつの理想ではありますが、そう簡単に行くも のではないのも事実です。

前項で述べたような問題だけでなく、グローバルで多数の拠点がある場合に全拠 点へのシステム導入を一気に行うことは不可能ですし、場合によってはERP展開 完了直前にM&Aでグループ会社が増えた...ということもありえます。

ERPシステムのグローバル展開の狙いのうち、「経営管理の強化」、「統制強化」 という目的については、違ったアプローチによる対応も可能です。
伝票レベルの明細データを収集し、DWHというデータ統合システムを構築、グロ ーバルの情報を参照可能とする方法です。

これまではシステムの性能面での制約から、大量の明細データを収集蓄積するこ とができず、集約された情報しか扱えないケースがあったのですが、近年のハー ドウェアおよびソフトウェアの機能強化と低価格化により、大量の明細データを 蓄積、分析することが実現可能となっています。大量の生データを元に分析する ことで、より意味のある経営分析につながりますし、明細データの収集、チェッ クにより一定の統制効果も期待できます。

多種多様なシステムからのデータの統合には、各システムのデータの意味を理解 し、DWHの統合データにマッピングする作業や、コードの変換ロジックの構築な どの作業が必要となりますが、情報の統合に関してはERP導入よりはるかに迅速 に実現可能です。

グローバル統合システムの目的によってはERPのグローバル展開ではなく、DWHへのデータ収集、統合による経営管理の強化は非常に有効な手段といえます。

◇ 担当:池本 仁(ISID コンサルタント)

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中田雑感              公認会計士 中田清穂
〜 IFRSでの注記項目は激減する?? 〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。

IFRSでの注記項目は激減する??

今年(2014年)1月、IASBより以下の公開草案が公表されたことをご存知の方は少ないようです。

その公開草案の名称は、
「開示に関する取組み−IAS第1号の修正案−」(以下、「本ED」という)です。

本EDでのIAS第1号の修正案は、リースや収益認識などの大幅な改訂ではなく、範囲を絞った限定的なものです。

本EDの中で、私が実務上重要だと感じているのが、「はじめに」の見出しで「重要性」として記載されている以下の文章です。

「 (c) ある基準が具体的な開示を要求している場合に、それにより生じる情報を、重要性があるかどうか(したがって、当該情報の表示又は開示が必要とされるか)を判定するために評価しなければならない。」

そして、IAS第1号の具体的な修正内容として30A項が追加されて、「企業は、情報の修正又は分解を、有用な情報を不明瞭にするような方法(性格の異なる項目を集約したり、有用な情報を重要性のない情報で覆い隠したりするなど)で行ってはならない。」という文章が明記されています。

特に「有用な情報を重要性のない情報で覆い隠したりする」という表現に注目です。

さらに、31項の修正として、「重要性のない情報」によって「重要な情報への理解可能性が低下する」ことがないようにするよう要求しています。
それは、個々の具体的な基準であるIFRSに開示義務があるとの明文規定があっても同じだとしています。

つまり、IFRSが開示を義務付けている項目でも重要性がない場合には、「開示してはならない」ということです。(「開示しなくても良い」という表現ではありません)

「重要性がない項目は開示すべきでない」という項目は、従来のIAS第1号において要求されてきたものなのです。

しかし、IFRS適用企業では、個々の基準であるIFRSで開示が要求されていれば、重要性がなくても開示してしまう企業が続出したため、IAS第1号で「重要性がない項目は開示すべきでない」ことを明記するよう要請があり、今回の本EDの公表に至ったものです。

ということは、このIAS第1号の改訂が行われなくても、すでに今現在においても「重要性がない項目は開示すべきではない」のです。

このことをきちんと理解している関係者、特に会計監査人やIFRSアドバイザリーが非常に少ないことが、IFRS対応の工数を増加させる悲劇を生んでいると感じます。

さらに、私は本EDが最終的に基準化されても、日本の公認会計士は正しく理解しないのではないかと危惧しています。

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