IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション
ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。
すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。
目次
IFRS上は研究開発費のうち開発費に相当する部分を資産計上しなければならないとされています。
具体的にはIAS第38号の57項に規定があり、ごく簡略化して示すと以下のような6つの要件が示されています。
こんにちは、公認会計士の中田です。
このコーナーでは毎回、経理・財務にかかわる最近のニュースや記事などから特に気になる話題をピックアップしていきます。
よくある、無味乾燥なトピックの紹介ではなく、私見も交えて取り上げていきますので、どうぞご期待ください。
今回は2012年1月16日に発行された『週刊経営財務(No.3048)』の特別対談記事についての雑感です。
この対談は、『「IFRSを巡る諸問題」と「日本の進むべき道」』というタイトルで、IFRS推進派の実力者である島崎憲明氏と、IFRS慎重派の実力者である辻山栄子氏の二人だけの対談です。
企業会計審議会の論議がまとまりのない進められ方をしている中で、参考になる対談だと思いました。
この対談で注目した発言を以下に抜粋します。
この対談は20ページにも及ぶ長い内容ですが、私が注目したポイントは以上です。
この対談での私の雑感は、以下です。
(1)島崎氏は、「日本だけが取り残されてはならない」という『結果』を起点として、IFRS推進論を展開されていると感じました。
(2)辻山氏は、「基準の品質基準の不明確さ」や「周辺制度整備上のデメリット」という『過程(プロセス)』を起点として、IFRS慎重論を展開されていると感じました。
(3)つまり、島崎氏は、『結果』を重視したビジネスマン的な発想であり、辻山氏は、『プロセス』を重視した会計学者的な発想だと思いました。
(4)両者の起点は全く違いますし、どちらが正しいかを論理的に判断することは難しいでしょう。しかし、「時間」という物理的な要素を考慮した時に、ポイントになるのが、島崎氏の以下の発言です。
お二人のスタンスの根本的なズレは、この「時間」という物理的な要素をどれだけ重要視するかにあると思います。
ビジネスマンにとって、「時間」は非常に重要です。タイミングを外すと、商談に敗れ、場合によっては、会社の存続にまで影響する重要項目です。
したがって、島崎氏の「今方向性を発信すべき」という考えが生まれるのだと思います。
(5)辻山氏は、IFRSの品質に対して大いに疑問をもたれているようですが、今日本企業が適用している日本の会計基準が高品質であるかどうかについて全く触れられていません。それは判断基準が定まっていないのでわからないのは当然ですが、この判断基準から定める必要があるとしたら、もっと長い時間がかかるでしょう。
これは(4)の「時間」や「スピード」を重視するビジネスにおいては、とうてい許される時間ではないように感じました。
(6)現在日本では、企業会計審議会で何度も議論が重ねられていますが、半年経ってもまとまりが見えてきません。
今回の対談では、二人に絞って意見交換されていましたが、ほとんど合意点はなかったので、多人数が参加している企業会計審議会で議論がまとまるわけがないと思いました。
したがって、どこかのタイミングで、「政治主導」により、いきなり結論が出される可能性も高いのではないかと思いました。
公認会計士 中田清穂氏のホームページ
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