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IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション

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株式会社 電通国際情報サービス

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ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。

すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。

目次

コンサルタントの眼
〜 業務・システムの複数基準対応について 〜

IFRS対応では業務・システムの複数基準対応が必要になります。世間的には二重帳簿を持つか持たないかといったテクニカルな面での話題が多いようですが、もうすこし実務よりの視点から考察してみようと思います。日頃、実務に携わっておられる読者のみなさまからも、何か気づきがありましたら知見をお寄せいただけると幸いです。

システムという観点からいくと、まずは、どの時点で複数基準データを作成するかということがあります。主には以下の選択肢が考えられ、それぞれ、担当者が手入力する方法と、マスタや一定のロジックに基づいてシステムで自動生成する方法が考えられます。

  • 1.取引等の発生時点で複数基準データを作成する。
     例)固定資産取得時の償却方法、耐用年数入力
  • 2.当初はベースとなる基準でデータを作成しておき、決算時にもう一方の基準への差分データを作成する。
     例)開発費の無形資産への振替え
  • 3.決算時に複数基準対応の差分データを作成する。
     例)有給休暇引当金の計上
 

 

 

差異項目によっては複数の方法を採りうるものもあります。
例えばIFRSで販売リベートを値引として処理する場合、売上計上時点において将来のリベート発生予想額を見積もって値引処理してしまう方法もあれば、期末日時点の確定情報をもとに決算整理の一環として差分修正仕訳を入力する方法も考えられます。

このような場合、その項目のIFRSベースでの情報がどの程度の頻度で必要なのか(リアルタイムなのか、月次なのか、四半期でよいのかなど)を確認したうえで、業務負荷やシステム構築コストも勘案して対応方法を決めていくことになると思います。

情報の利用頻度を確認する際、各部門や全社レベルで一定サイクルで作成しているマネジメント資料(管理会計用のレポート)に着目することが考えられます。

  • 1.日次でレポートがあがっている情報はリアルタイム対応する。
  • 2.月次レポートに載っており、管理上も重要な項目は月次で対応する。
  • 3.月次レポートに載っていないか、載っていてもマネジメントがそれほど重視していない項目は制度対応とあわせて四半期毎の対応とする。
 

 

 

などです。

なお、業務効率や内部統制の観点からは、複数基準対応に伴う混乱や誤入力、後工程でのデータ修正等の手戻りを抑えるため、以下のような検討も必要かと思います。

  • 1.基準が異なっても同じ処理を選択できるものは、そもそもの会計方針を出来るだけあわせてしまう。
  • 2.経理担当者だけでなく、現場の入力担当者への教育も行き渡らせる。
  • 3.担当者が代わってもきちんと引き継がれるよう、マニュアル等のドキュメントを整備する。
 

 

 

特にシステム内部で自動処理をおこなう場合、担当者がハンドで修正仕訳をきるような場合と比べてブラックボックス化する危険性が高いので、注意が必要だと思います。

担当:藤原啓之( ISIDコンサルタント / IFRS Certificate )

<関連情報>

実録!!IFRS Q&A 公認会計士 中田清穂
〜 東証の業績予想開示の自由化  〜

こんにちは、公認会計士の中田です。

このコーナーでは、私の著書である『わかった気になるIFRS』の巻末に紹介している『IFRS質問箱』に実際に投稿された質問とその回答を中心に、このメルマガ読者の皆さんからいただいた疑問点や、ISIDのコンサルタントがお客様からいただいたご質問なども交えてご紹介しています。

学習レベルにはバラツキがあり、いろんな部署の方からのご質問があります。これまでみなさんが持たれた疑問と比べることも、意味があるはずです。また、これまでどこにも公表されていない貴重なQ&Aですので、どうぞご期待ください。

今回は、先日開催された弊社主催セミナーの内容を聞かれた方から頂いたご質問です。

ご質問

東証の業績予想開示の自由化

10月の日本経済新聞で、来年春から、業績予想の開示について従来の画一的な様式ではなく、企業独自の内容で開示できるよう東京証券取引所が調整し始めたという記事がありました。

弊社では売上や利益の予想を、マーケットシェアや市場の成長率予想に関連させて開示しようと考えています。

しかし、自社で目標とするマーケットシェアなどを開示しても、その情報に信頼性がなければ開示する意味もないという気もします。

これについて何かアドバイスをいただけないでしょうか。

回答

投資家の意思決定のためには、売上や利益の予想を開示するだけではなく、その予想の根拠として経営者が予測したマーケットシェアや市場の成長率を記載することは非常に重要であることは、過去のリサーチで明らかになっています。

しかし、マーケットシェアや市場の成長率などの、いわゆる「非財務情報」については、その信頼性について疑問を持たれることも多いようです。
これは一つの参考ですが、東京証券取引所のサイトに掲載されている報告書「上場会社における業績予想開示の在り方に関する研究会報告書」で、ドイツの事例が紹介されています。

この報告書によるとドイツでは、会社法で将来予測情報の開示と監査が強制されていて、独立監査人が以下の項目を確認することになっているようです。

  • <1> 予測財務情報の合理性
  • <2> 予測の基礎として使用されている過程の検討
  • <3> 監査の過程で得た知識との整合性
 

 

 

ご質問にあるような「非財務情報」の予想は、上記<2>に該当すると考えられます。

日本ではまだ監査対象にすることにはなっていませんが、御社が市場からの信頼性を高め、少しでも株価を高めたいのであれば、このような「非財務情報」を含む将来予測情報について、「任意で」監査を受けることも検討に値すると思います。

なお、前述の東京証券取引所のサイトに掲載されている報告書「上場会社における業績予想開示の在り方に関する研究会報告書」は以下のURLで閲覧できますので、参考にしてください。

上場会社における業績予想開示の在り方に関する研究会報告書
http://www.tse.or.jp/rules/kessan/gyouseki/


公認会計士 中田清穂氏のホームページ
http://www.knowledge-nw.co.jp/

メルマガ事務局より

このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
以下のメールアドレスまでお気軽にお寄せください。

いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』事務局

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