IFRS対応、グループ経営管理の高度化を支える連結会計ソリューション
ISIDでは、会計基準の国際化、決算早期化、内部統制など、さまざまな課題を抱える経理業務関係者の方々のために、その課題解決の一助となるように、本メールマガジンを発行しております。
すでに監査法人やコンサルティング会社からも色々なメールマガジンが発行されておりますが、弊社のメールマガジンは、抽象的教科書的なものではなく、実務目線での情報提供を基本にします。どうぞお役立てください。
目次
少し前ですが、こんなニュースが配信されたのを記憶されている方も多いのではないかと思います。
これは6月2日に公表された「IASBとFASBのコンバージェンス作業に関する共同声明」を採りあげた記事ですが、これだけを読むと、
かのように捉えてしまいがちです。また、どのように「公算が大きい」のかもわかりませんし、ちょっと気になったので公表された共同声明の原文にあたってみました。
つまり、
のではなく、
という理解が正しいようです。
ちなみに3月の進捗報告で計画への影響が示唆されていたのは「金融商品」「保険契約」「リース(貸手側)」の3つなので、これらの完成が2011年下期に遅れることが想定されます。一方、多くの事業会社に影響がある「収益」「リース(借手側)」「財務諸表表示」などの完成期日は遅れないと思われますが、正確なところは修正後計画の公表を待ちましょう。
また、
というのは、IFRSの改訂が遅れる特定の領域(例えば「金融商品」など)については日本基準のコンバージェンスもずれ込みそうだと理解すれば、この表現も納得がいきます。
なお、気をつけて読み返すと「共通化作業」はコンバージェンスのことなので実はこの記事では日本のIFRS適用(アドプション)時期については何も言及していなかったということになります(早のみ込みすると危険ですね・・・)。
担当:藤原啓之(ISIDコンサルタント/IFRS Certificate)
こんにちは、公認会計士の中田です。
このコーナーでは、私の著書である『わかった気になるIFRS』の巻末に紹介している『IFRS質問箱』に実際に投稿された質問とその回答を中心にコラムを作成します。また、今後このメルマガ読者の皆さんからいただいた疑問点や、ISIDのコンサルタントがお客様からいただいたご質問なども交えてご紹介していく予定です。
学習レベルにはバラツキがあり、いろんな部署の方からのご質問があります。これまでみなさんが持たれた疑問と比べることも、意味があるはずです。また、これまでどこにも公表されていない貴重なQ&Aですので、どうぞご期待ください。
今回は、少額資産の取扱いについてのご質問を取り上げます。
固定資産の10万円ルールについてですが、レンタル業などで10万円未満の資産を大量に保有していても、企業規模から見て10万円という単価が少額と判断されれば費用で落とす事は可能でしょうか?
あるいは総金額(=単価×数量)では無視できないとしたら、資産計上が必要ということになりますでしょうか?
10万円未満を資産計上するとなると、事務手続きが膨大になる事が予想されるため、お伺いしています。
企業規模から見て重要性がない(つまり少額である)となると、費用で落とすことになると思います。
例えば規模が小さい企業で10万円が重要であると判断されれば、費用処理ではなく、固定資産として処理すべきだということになります。逆に、規模が大きい企業で50万円でも重要でないと判断されれば、費用処理できることになります。
ただし、これはあくまでもIFRSベースの財務諸表を作成する場合であって税務上の取扱ではないことにくれぐれもご留意ください。
また、総金額(=単価×数量)では無視できない場合、資産計上が必要という判断が下される可能性はあると思います。これもあくまでもIFRSベースの財務諸表を作成する場合であって、税務上の取扱ではないことにくれぐれもご留意ください。
IFRSには金額的な重要性の判断基準や数値規準などがないので、企業ごとに重要性の判断指針を策定し、会計監査人との協議を事前にしておく必要が発生します。
税務上は10万円ルールは残ると考えて良いでしょうか?
税務上の規定は、今のところ変更されるという話は聞いておりません。したがって、10万円ルールは残ると思います。
レンタル業の為、総金額(=単価×数量)が多額となり無視できず、資産計上が必要という判断が下された場合ですが、税務上も「会計上での減価償却費金額を限度とする」ということから、10万円未満としての損金処理が出来なくなるのでしょうか?
会計基準に準拠した財務諸表で、資産計上し費用処理しなければ、税法での「損金経理要件」によって損金処理できません。
税務メリットを享受するためには、会計基準に準拠した財務諸表とは別に、申告書に添付する財務諸表を別途作成するほかありません。この財務諸表では従来通りの処理をすることになります。
そのためには、会計基準に準拠して財務諸表を作成するための記録(会計帳簿や固定資産台帳など)と申告書に添付する財務諸表を作成するための記録(会計帳簿や固定資産台帳など)の2種類の手続きをする必要があります。
これがIFRS導入時の「二重帳簿問題」です。
このコーナーでは読者のみなさまからのご質問を受け付けています。
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いただいたご質問にはすべてお答えする予定ですが、お答えするのにお時間がかかる場合がありますので、予めご了解ください。
g-ifrs@group.isid.co.jp 『ISID 経理財務メールマガジン』事務局
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