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2010年3月期より国際的な財務・事業活動を行っている上場企業に対してIFRSの任意適用が認められています。既に複数の企業がIFRSの任意適用を開始しており、また今後も増えていくと考えられます。
金融庁は、当初は2012年を目途に強制適用ターゲット時期の最終判断を行うとし、その時期は最短で2015年3月期であると予想されていました。その後、2011年6月の金融担当大臣の会見では、最終判断を2012年又はそれ以降とし、また準備期間を5〜7年設けるということで、強制適用にあわせたIFRS対応を志向する企業にとっては見通しが立てにくい状況となっています。
しかし、このような状況下であってもIFRSプロジェクトを進めている企業が多くあるのも事実です。大臣発言の後の2011年8月にあずさ監査法人が行った調査によると、既にIFRS導入プロジェクトを始めている企業のうち約80%が「導入準備を従来通り続ける」、「導入準備を継続しているが、スケジュールを見直す」と回答しています。導入作業を継続する理由としては、以下のようなことが考えられます。
強制適用の時期が先送りとなっても、取り組みが遅れれば直前にあわてて対応しなければならなくなります。重要なのは「いつ強制適用になるか」ではなく、今何ができるかを議論することであり、自社における導入にかかるボリュームを見極めて、着実に進められるところから進めていくことです。
製造業であれば一般的に固定資産、棚卸資産、収益認識等に関する論点の重要性が高いと考えられます。細かい基準差を網羅的に確認するより、自社のビジネスに大きな影響を与える論点に重点的に対応すべきです。早い段階で論点を絞り込むことで、後続の検討作業を効率よく進めることができ、かつ、担当者の負荷を軽減することができます。
前述の優先順位づけのよりどころとなるのが自社にとっての重要性の基準値です。「XX円以下の差異については対応をしない」といった方針を先に決めておくと、対象範囲の絞り込みができ、手戻りなく効率的に検討を進めることができます。
会計ポリシーは、あくまで自社メンバーが主体となって検討していく必要があります。但し、各社とも経理部門のリソースは限られていますので、IFRS適用後の業務に関係のない一時的な作業、例えば社内説明用のプレゼンテーション資料やプロジェクト進捗管理等については外部コンサルタントを利用するのも、導入作業を効率的に進めるポイントの1つです。
IFRS導入をあくまで制度対応と捉えるか、業務プロセスの改善や経営管理レベルの向上も目指すか、目的を予め明確にしておくことが重要です。クリアなゴールを定めてからプロジェクトを進めることで、プロジェクト費用の増加や、余計な作業と手戻りの発生を防ぐことができます。
IFRS導入を最終ゴールとし、そのゴールまでの過程において重要なイベントやシステム導入スケジュールなど綿密に計画を策定することが重要です。特にIFRSはムービングターゲットと言われるように常に変化していきますので基準変更等に過度に追随して振り回されることは避けなければなりません。しかし、場合によっては柔軟に計画を見直すことも必要であり、その見極めは非常に重要です。
IFRS導入により広範囲の業務への影響が想定されるため、専任者をはじめ複数部署の担当者が関わる大規模なプロジェクトとなります。関係者が多くなることで、各自に割り当てるタスクの進捗管理も難しくなります。プロジェクトを進めるうえで、チームリーダーやPMOが主体となって、各自の進捗確認や管理を徹底する必要があります。

IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の取り組みについて、わかりやすくお伝えしていきます。