プレスリリース

2008年 2月 6日

ISID、IPv6マルチキャスト技術によるハイビジョン伝送実験に協力

〜放送分野での実用化に向けて映像伝送技術の実証〜

  株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、資本金:81億8,050万円、代表取締役社長:水野紘一、以下ISID)は、独立行政法人情報通信研究機構(本部:東京都小金井市、理事長:宮原秀夫、以下NICT)が2月5日に実施した、IPv6(*1)マルチキャスト(*2)技術に関する実証実験に参加しました。

  この実験では、NICTが運用・管理する研究開発テストベッドネットワーク「JGN2(*3)」を活用し、「さっぽろ雪まつり」のハイビジョン(*4)映像を、会場の大通公園から各種の映像伝送方式を用いて、実験に参加する全国の放送局へテレビ番組素材としてIPv6マルチキャスト伝送しました。そのほか、次世代無線LANを用いた映像伝送、冗長構成を用いた信頼性・安全性を備えたネットワークに関する実験などが実施されました。

  実験を主催するNICT中国リサーチセンターでは、次世代ネットワークでの適用を考慮し、2004年から放送局などと連携して、多地点に大容量の映像を効率良く配信するIPv6マルチキャスト技術を用い、「さっぽろ雪まつり」を映像素材とするIPv6マルチキャストの相互接続機器検証など各種の実証実験を実施してきました。
ISIDは、今回初めてこの実験に参加し、昨年来、開発に取り組んでいる映像伝送技術を用いて実験を支援しました。

【ISIDが協力した実証実験の概要】
(1) Macを使用して放送局品質のハイビジョン映像伝送を実現
手軽に利用できるということから、放送局やプロダクションで編集やCG製作に使われているApple社製パソコンのMacProをプラットフォームに採用しました。映像圧縮技術には、DVCPRO HD(*5)と呼ばれる放送局でも使用されている方式を採用し、映像入出力には、放送局内で使用されるHD-SDI(*6)と呼ばれる規格を用意しました。このシステムを実験に参加する放送局に設置し、ハイビジョン映像の伝送を行いました。

(2) IPv6マルチキャストによるハイビジョン映像配信
IPv6マルチキャスト技術は、多地点に大容量の映像を効率良く配信するという観点から、放送型の映像配信への活用が期待されています。そこで、IPv6マルチキャスト・ネットワークの本格的な普及を目指し、多地点へのハイビジョン同時配信実験を実施しました。DVCPRO HD映像は約120Mbpsと広帯域であるため、個別に送信するとその帯域は膨大なものとなります。

  ISIDが関係した実験は、別紙1(ISIDが協力した実証実験の構成図)に示す構成で実施しました。北海道放送様(HBC-札幌市)の協力で製作された映像をIPv6マルチキャストで伝送し、毎日放送様(MBS-大阪市)、山陽放送様(RSK-岡山市)、琉球放送様(RBC-那覇市)で受信するというものです。
今回の実証実験全体は、NICT中国リサーチセンターの主導のもと、約50の地方自治体、研究機関、放送局、企業などの協力で実施されました。参加組織の詳細は、NICTのホームページをご参照ください(http://www.nict.go.jp/)。

  ISIDでは、今後もこうした実証実験に協力し、技術課題を解消するとともに、一般的なネットワーク環境下でもIPv6マルチキャスト技術の活用環境が構築できるよう研究を続けます。また、映像伝送の専門家である放送局のみなさまのご意見を取り入れながら、ハイビジョン映像伝送技術の向上を目指していきます。

【お問合せ先】
株式会社電通国際情報サービス
事業推進本部 開発技術センター 熊谷
e-mail: dv-info@isid.co.jp

【用語説明】
*1 IPv6
Internet Protocol version 6の略。現在、普及しているIPv4はアドレス空間が32ビットで約43億個分のIPアドレスが識別できる。しかし、加速度的なインターネットの普及に伴い、アドレスの枯渇が問題になってきている。IPv6はこの問題を解決するために128ビットのアドレス空間を有し、同時にセキュリティ強化が実施された次世代のインターネットプロトコルである。

*2 マルチキャスト
1つの送信点から複数の受信点に同一内容のパケットを送信する場合に利用する技術。既存のネットワークであるIPv4でマルチキャストを実施しようとすると専用のネットワークを構築する必要があったが、次世代ネットワークとなるIPv6ではネットワークの種別に依存しないマルチキャスト技術の確立を目指しており、これによってインターネットによるコンテンツ配信の技術が飛躍的に向上するものと期待される。

*3 JGN2
NICTが2004年4月から運用しているオープンな研究用の超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。

*4 ハイビジョン
High Definition televisionの略。現在のテレビより走査線の数を増やして画質を向上させた次世代のテレビ方式における画像品質のこと。現在日本や北米で普及している NTSC方式は走査線が525本であるのに対して、ハイビジョンでは1125本または1250本に増え、その分画質が向上する。

*5 DVCPRO HD
松下電器産業株式会社が開発したハイビジョン映像の圧縮フォーマットで、1/4インチ幅テープ録画用に開発されたもの。ハイビジョン映像を100Mbpsに圧縮する。現在では、半導体メモリ録画にも採用されている。カメラがコンパクトなため、放送局では主にニュース取材などで使用されている。

*6 HD-SDI
ハイビジョン映像を伝送するためのデジタル・シリアル伝送規格。非圧縮のハイビジョン映像を約1.5Gビット毎秒で伝送する。主に放送局内のハイビジョン設備で使用されており,ハイビジョン・カメラやビデオ・レコーダなどの入出力インターフェースに採用されている。

【別紙1】
ISIDが協力した実証実験の構成図

 

   
以上

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