ANAホールディングス株式会社

グループ経営の革新に挑むANAが“STRAVIS on CLOUDiS”で実現した
「変化に強い」連結会計システム

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写真左より 櫻井 晋二氏( ANAホールディングス株式会社 財務企画・IR部 会計チーム 主席部員)、齊藤 知道氏 (同 財務企画・IR部 会計チーム リーダー)

世界規模で進行する業界再編や、LCCマーケットの活況など、大きな変化が続く航空業界で、常に他に一歩先んじる経営姿勢をとり続けてきたANA。2013年4月には持株会社制へ移行し、グループ経営のさらなる強化に着手。内外環境の変化へ迅速に対応する連結会計システムとして採用されたのが、ISIDの連結会計クラウドサービス“STRAVIS on CLOUDiS”でした。ANAが会計領域で進めてきた変革の軌跡を、経理部門を率いる二人のリーダーに聞きました。

「新しさ」を積極的に取り入れるのがANAの文化

システムとしてのSTRAVISの有効性だけでなく、ISIDという集団への高い信頼を当社のIT部隊が持っていた。
だからこそ信頼関係が問われるクラウドサービスの導入を決意したのです

齊藤 知道氏

「技術の進化がそれまでの常識を覆し、それがお客様への価値提供につながるのならば、新しいものをどんどん取り入れていこう、という精神や姿勢をANAは貫いてきました。予約・発券業務や貨物の取り扱いなど、様々な局面でどこよりも早く先進IT技術を導入してきたのは、こうした積極姿勢の成果。そして今回の連結会計システム変革もまたその一環でした」
ANAグループ全体の会計業務を統括する財務企画・IR部会計チームリーダーの齊藤知道氏は語ります。これまでは、お客様に直接触れるフロント業務の領域での技術革新・業務改革を優先的に展開してきたANAが、持株会社制移行という経営面での一大変革に当たり、いよいよ会計領域でも大きな決断を下したのです。

「既存システムが老朽化していたという現実もありましたが、システム刷新の理由はそればかりではありません。航空運送事業以外の旅行事業、商社事業などが成長し、海外投資をはじめとするグループ経営拡充の動きも活発化する中で、決算業務は複雑さを増していました。一方で、決算早期化も求められます。現場の業務を簡便化し、かつスピードを上げるための解決策が必要でした。そこで、状況変化に迅速かつ柔軟に対応できるシステムの導入を決定したのです」
こう語るのは、連結決算業務の陣頭指揮を担う財務企画・IR部会計チーム主席部員の櫻井晋二氏。進取の企業風土に加え、成長企業であるがゆえの課題解決を見据えて、改革は始まったのです。

「不安の払拭、課題解決」後押しは信頼

効率化の実現はファーストステップ。
今後は省力化で生まれた時間やエネルギーを経営数値の分析などに投入したい。
この分析面での充実を、ISIDとともに目指していきます

櫻井 晋二氏

企業システムにおいて、とりわけ高度なセキュリティを求められるのが会計領域。クラウドサービスである“STRAVIS on CLOUDiS”の採用に当たっては、IT部門からの後押しも大きかったと両氏は言います。
「正直なところ、経理業務におけるクラウド利用というものが現場にどういったメリットをもたらし、反面どのような懸念や課題が議論されているのかということを、我々は当初十分に理解できていなかったといえます。しかし、クラウドについてまわるそうした懸念も、具体的な検討を重ねるごとに払拭され、新しい可能性に対する期待を感じる様になりました」(櫻井氏)「もちろん我々にも、重要な会計データは自社内で厳重に保管すべき、という意識が無かったわけではありません。しかし様々な局面で新技術を積極的に導入してきたのが当社のIT部門。IT部門による審査・評価において問題がないと判断されたことに加え、当社はISIDのシステム導入の実績があり、協力・信頼関係が築かれていたことから、“STRAVIS on CLOUDiS”の導入に関して迷いはありませんでした」(齊藤氏)

従来システムでは、パッケージツールを自社で管理・メンテナンスしながら、内外環境の変化に対応していたという両氏。会計基準の改正や事業セグメントの変更があれば、その都度、自部門でシステムの修正を行ってきました。大型の海外投資やM&Aにより、連結会社がさらに増加傾向にある中で、各社からのデータは表計算ファイルをメール添付で収集し、チェックと修正を重ねるスタイル。度重なるカスタマイズでパッチワーク状態になったシステムと、手作業に頼る非効率なオペレーションに、現場では思い切った改革を望む声が高まっていました。
「“STRAVIS on CLOUDiS”なら、信頼できるプロフェッショナルにシステム改善やメンテナンスを一任できる。すべての拠点で共通のインターフェースを用いながら、リアルタイムで数値をめぐるやりとりもできる。これらの利点を活用すれば、業務効率が飛躍的に改善できることが確認できました。そうして導入を決定したのです」(齊藤氏)

クラウドの強みはパートナーシップで最大化する

クラウド上に、予め最適な稼働環境と豊富なテンプレートが用意されている “STRAVIS on CLOUDiS”。最小限の時間と労力で利用が開始されると、様々な効果もまたすぐに表れたといいます。

「嬉しかったのは、各社からのデータ収集のスピードと精度が劇的に向上したこと。そしてレポート作成が自動化されたことです。約80社からの決算データは、各社が入力を終えるとほぼ同時に本社で参照・集計でき、修正も即座に反映されます。レポート作成機能は従来もありましたが、決算報告に使えるレベルのものを自動作成できたわけではなく、せいぜい期待値の7割程度。しかし今ではパラメータの調節をするだけで、9割近くの完成度を持つレポートが自動作成されます」(櫻井氏)
一方の齊藤氏は、業務の質的な変化にも目を向けます。
「自社システムに関わる周辺業務は、“STRAVIS on CLOUDiS”では不要となり、この削減された時間を他の仕事に充てることが可能となりました。また、障害発生時の復旧スピードも大きく改善されました。制度変更などへのシステム対応も、プロに任せることができるだけでなく、最適な方策について相談に乗ってもらうこともできます」(齊藤氏)

クラウドのメリットを生かし、採用決定から約6カ月という短期間で計画どおりに立ち上がった新システム。その道程を振り返りながら、両氏の視線はすでに次の空路に向いています。
「間接部門が、サービス品質を維持しつつ効率化を実現するには、どうすればよいのか。我々が出した解は、『最適なリソース(資源)を使う』ことでした。それは必ずしもクラウド活用というだけではなく、業務自体を、誰がどのように行うのがベストなのか、ということです。“STRAVIS on CLOUDiS”を導入して、その選択肢は広がりました。この先も、まだやれることがある。さらなる効率化を目指して、業務改革に取り組んでいきます。大切なのはISIDとの信頼関係。変化の時代に相応しい、安全で効率的で柔軟な運用をともに実現していきたいと思います」(齊藤氏)

2014年12月更新

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社名
ANAホールディングス株式会社
本社
東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
設立
1952年
資本金
3,187億89百万円
売上高
1兆6,010億13百万円(2014年3月期/連結)
従業員数
33,719人(2014年3月31日現在/連結)
事業内容
航空事業、航空関連事業、旅行事業、商社事業 等

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